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採用試験を受けに行った時に見てくるべきこと・8(専門教養編)

前回までの記事はこちら。

前回は筆記試験の中でも適性検査とか一般教養試験・教職教養試験に焦点をあてて述べさせてもらいました。

今回は教員採用試験の専門教養試験に該当する、学力筆記試験に焦点をあてていきたいと思います。

今日は難易度について。

これはもう、本当に様々です。

上位の進学校であれば、平気で東大・京大の過去問とか、それらの対策模試の過去問なんかが出てくることもあるのではないでしょうか(というか、出てきます)。

東大の過去問を出題するのは、諸刃の剣だと個人的には思っています。

難易度としては十分なのですが、入試問題研究をしている人も少なくないと思うので、「一度でも見たことがある」という人に有利に働く可能性があると思っています。

もっとも、忙しすぎて、入試問題研究もちゃんとできていない人も多いだろうということであえて出題してくる学校もあるように思います。

公開されている問題だから見たことあれば解けるでしょ、という取れる問題をきちんと取れる人を欲しているのかもしれません。

それくらいの入試問題研究はしているよね、というところで最初の筆記試験でフィルターにかけているのかもしれません。

逆に、本人のレベルをきちんと把握するために東大実戦模試や東大即応オープン模試などの過去問から出題しているところもあるそうで。

もちろん、このレベル帯のみの採用試験問題であれば、0点が続出してしまう可能性もあるので、配点の半分が東大級の高難易度の問題、残りの半分が問題週の応用問題レベルの問題、というように設定している学校もありました。

教員を長くやっていて、生徒に解かせる問題もいろいろ選んでいると、実は採用試験の筆記試験で見たことがある問題にぶち当たる可能性って高いと思っています。

これは上で例に挙げたような東大級の問題でなくてもそうです。

例えば過去に私が実際に出会ったことがあるのは、数学の採用試験で「チャート式」シリーズ(恐らく青チャート)の問題をそのまま見たことがありますし、4STEPに収録されている問題を見たこともあります。

ちなみに、学校のレベルによっては(4STEPから少し落として)サクシードに収録されているような問題を出題している学校もありました。

これは別に数学に限った話ではなく、他の教科でも一緒です。

重要問題集のB問題で見かけたことがあるとか、セミナーやリードαで見かけたことがある、センサーで見かけたことがある、など例を挙げれば枚挙にいとまがありません。

例えば以下の記事を参照していただくと、わかりやすいかと思います。

有料記事ですが、問題1については公開しています。

キーワードを拾ってインターネット検索をかけると、決して低くない割合でもとの問題にたどり着けると思っています。

上の記事を見ていただければ、Yahoo!知恵袋にも問題があり、そして後日生徒が持っていた重要問題集に掲載されているのを確認しました。

大切なのは、東大にしても、その他の大学にしても、これくらいの大学入試問題が解けるレベルの学力は持ち合わせていますよね、という学校側からのメッセージだということ。

出題元が青チャートや4STEPならそのレベルの、サクシードやセンサーならそのレベルの指導は最低限できなければ困るよ、ということだと思っています。

もしかしたら学校が使用している問題集が4STEPだったりサクシードだったり、セミナーやセンサーなのかもしれません。

自分が知っている教材であるからこそ、どのレベルの、どの層に対する指導が求められているのか、逆に感じ取れてしまうのではないでしょうか。

逆に筆記試験の難易度設定から、この学校の生徒の実態を見据えてこちらも今後の採用試験に臨めるわけです。

恐らく次の選考は模擬授業や面接でしょう。

東大を目指すレベルの学校なら、そのレベル帯の生徒に合わせた板書が求められるわけです。

式変形もある程度省略してテンポよく書いていくことが求められるんだろうな、とか対策を練ることができます。

中堅レベルであれば、生徒がつまずきそうなポイントを少し丁寧に話そう、とか。

採用試験はこちらが試されているだけではありません。

学校側から発信されているメッセージを受け取りましょう。

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