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5分で肺は腐らないけど病気になる~へんな学説 Vol.3 瘴気説〜

瘴気(しょうき)をご存知ですか?

聞いたことある人、結構いるんじゃないでしょうか。
ジブリのナウシカで、5分で肺が腐るアレです。

あれ実は、本当に信じられていた学説が元なんです。
それというのが、瘴気説。

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腐海の毒は良い匂い程度では防げなそうですが...w

<補足> いい匂いとは、消毒効果があるとされていたハーブ(バラとかローズマリーとか)やお酢あたりを指すみたいです。

瘴気(ミアスマとも言う)は悪い水から生じると信じられていました。
この説、古代ギリシャのヒポクラテスという医者が言い出し、なんと18世紀まで信じられていたとか。

単純な発想みたいに聞こえるんですが、それより前は病気といえば悪魔とか祟りとかのせいだったので、かなり進歩的な考えだったようです。
だてに2000年間信じられてません。
悪魔は避けるのが難しいですが、悪い空気なら、物理的に消毒したり、避けたりも出来ますもんね。

では人々は、その瘴気からどうやって身を守っていたのでしょうか。

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みんな大好き(?)ペスト医者。くちばし部分にハーブを仕込んでペストの瘴気避けをしていました。まあ、病原菌は入ったでしょうが... ...(ハーブで免疫は上がったのだと思いたい)

また、現在では考えられないような場所にも瘴気が発生していました。その一例が裁判所。

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不衛生な監獄で、伝染病にかかった囚人が、強烈な瘴気を発していたため、彼らの周りに薬草が敷かれたそうです。なんか、対応がダイレクト...。

実際に多くの裁判官が感染して亡くなったこともあったようです。恐ろしや。

そんな中で、かなりシュールな瘴気対抗策も。
(食事中の閲覧注意)

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ペストは命に関わりますからね、みんな必死だったんでしょうね... ...
悪臭のある仕事をする人は病気にならないって、これは多分、免疫の話ですね。
そう思うと、後の予防接種とかにつながっていく発想なので、案外いいセンいっていたのかもしれません。

この瘴気、ペストの時代は本当に恐れられ、あらゆる手を尽くして瘴気から身を守ろうとしました。その一つが、お風呂。

ということで、次回は、瘴気とお風呂の関係をご紹介したいと思います!
有名な、ヨーロッパ人はお風呂に入らなかったというアレです。
お楽しみに。(またも食事時に見てはいけない記事になりそうです...)

<参考文献>
黒死病―ペストの中世史
十八世紀ロンドンの日常生活
まんが医学の歴史
Wikipedia 瘴気

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