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【超ネタバレ注意】総合演出からみた #田瓶奇譚集 完全地雷回避ガイド

本記事は、劇団肋骨蜜柑同好会 特別企画『田瓶奇譚集』を観たいけど、特定のホラージャンルに地雷がある、ホラーが極端に苦手などの理由により観劇を尻込みをしている、という方むけの、※超絶ネタバレ注意※の完全地雷回避ガイドです。総合演出をつとめるフジタの主観で、各作品の地雷になりそうポイントを書いていきます。あくまで僕の主観です。なので、非公式です。そこのところ、ご留意くださいませ。

なので、↑に書いてある条件に当てはまらない人は読まないでください!絶対だ!絶対だぞ!これはネタではない!

当てはまる方はどうぞお進みください

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はい。では開始します。前提としてどの作品も、ホラー映画やスプラッタ映画などに期待されるような強烈な恐怖表現は存在しません。すなわち、血飛沫、ビックリさせる演出、絵で驚かせる化物など、通常ホラー映画等で使われる演出はほぼありません。直接的なグロ表現もありません。それを踏まえた上で、各作品の地雷になる可能性をみていきましょう。

【チーム奇】

AURYN『ゴーシュ』

恐怖度⭐️
地雷度⭐️

〈地雷かもポイント〉
●幽霊譚(かもしれない)
●見知らぬ来訪者
●悲鳴(男女)

超絶ネタバレなので、もう身も蓋もなくいきますが、『ゴーシュ』という作品のこわさのキモは、「見知らぬ来訪者の正体は?」というものです。全体的にはポップでライトな仕上がりで、ホラー苦手な人にも安心して見ていただける仕上がり。ただ、中後半であかされる情報にホラー要素が含まれ、伴って大きい声を出す人がいます。人が叫んでいるのが苦手だとこわいかもしれません。が、やはり全体的には恐怖度、地雷度ともに低めです。

Mrs.fictions『そして誰もいなくなるまで待って』

恐怖度⭐️⭐️⭐️
地雷度⭐️⭐️

〈地雷かもポイント〉
●完成度の高い幽霊のビジュアル
●凶悪事件
●絶望のエンディング

軽妙洒脱な会話が楽しいMrs.fictionsさんらしい作品です。いきなり完成度の高い幽霊のビジュアルが出てきますが怖さの主軸はそこではありません。(でもお化けがとってもとっても苦手だったらここも地雷かもしれません。なにせ完成度が高いので……)総じて笑える台詞や会話が多く、大半の時間はニコニコして観ていられますが、登場人物の大半がえげつない凶悪犯罪への関わりがあり、それが不穏さを醸し出しております。また前半の会話が笑える分、エンディングの絶望感もまたひとしおで、救いのない終わり方が地雷だと後味が悪く感じるかもしれません。

劇団肋骨蜜柑同好会『もっけの幸い』

恐怖度⭐️⭐️⭐️⭐️
地雷度⭐️⭐️⭐️

〈地雷かもポイント〉
●田舎の厭な人間関係
●土着
●子供の死(間接)
●怖い音響

ポップさはあまりなく、終止閉塞感が漂います。田舎の厭な人間関係や、他人の人生を消費しようとする人の暗い欲望の描写があり、そういうのが苦手だとずっとキツいかもしれません。また、若干音響で怖がらせる描写もあります。こわいこわいと思って観るとそこまでこわくはないです。子供の霊が怪異の元なので、子供の死に地雷があると厳しいかもしれません。

チーム怪

劇団肋骨蜜柑同好会『腸詰と極楽』

恐怖度⭐️⭐️
地雷度⭐️⭐️⭐️⭐️

〈地雷かもポイント〉
●欠損
●人肉食
●カルト
●怖い音響

全作の中で最も地雷度高いかもしれません。全体的にはポップさもあり、登場人物の愛らしさでオブラートに包まれてはいますが、カルト的なやり方で搾取される構造、四肢欠損、人肉食と、地雷ポイントは多め。大きい音も一部なります。しかし、わかりきってるエンディングに向かっていくので不意打ちの怖さはひかえめです。あと大きい音がでます。

たすいち『隣は猫をする人ぞ』

恐怖度⭐️⭐️⭐️
地雷度⭐️⭐️

〈地雷かもポイント〉
●動物の死(間接)
●悲鳴(女性)
●倫理観崩壊キャラ

コメディ&エンタメ色が強く、安心して観られる作品です。が、物語それ自体はかなりホラー寄り。地雷かもポイントとしては、特に最終局面で明かされる真実が間接的に「動物の死」に関わること、お客さんの代わりに怖がってくれるキャラクターがいて、そのキャラクターのおかげで笑ってみていられるようにはなっているのですが、そのためにしょっちゅうそのキャラクターが叫びます。あと、倫理観がぶっ壊れてるキャラクターも居る。面白いのでフジタは大好きです。目崎さん曰く「一人暮らしで怖いの苦手な人はちょっとこわいシーンもあるかも?」とのことです。

日本のラジオ『くるくるさん』

恐怖度⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
地雷度⭐️⭐️

〈地雷かもポイント〉
●幽霊譚
●不気味
●感染する怪異

一部では全作品最恐との声もあるくるくるさんですが、作品のテイストが端正で上品なので地雷度は低め(主観です)。暗い夜道を一人で歩かなきゃいけない人、お風呂で頭を洗う時に眼をとじるのがこわい人にとってはこわいかもしれません。不気味さは強いですが、大きい音も、衝撃的なビジュアルもなく淡々と進行するので、そこまで身構えなくても大丈夫、かも?しれません。

以上、完全地雷回避ガイドはここまでです。

ここまで読んで、意外といけそう?とか、この作品はキツいけどこっちのチームならいけそうとかあれば、まだまだお席たくさんたくさんありますので、是非足をお運びください。
ホラーとは、エンターテイメントです。我々の世界に存在する生々しい恐怖をそのまま描くのではなく、それを蒸留し精製しフレーバーをつけた、上質な娯楽として提供する。それがホラー(ひいては幻想文学全般)の使命と思ってもいます。
本作もまた、そういう仕上がりになってきていると思います。どうか、目一杯楽しんでいただけますように、本記事がその一助となれますように。

妄想都市にて、お待ちしております。

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