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野村監督に招聘され来日された金成万先生がなぜ鍼灸師になったのか


野村克也監督の1周忌に合掌!


1 韓国でも鍼灸師の地位は低い

韓国では鍼灸師の社会的地位は日本と同様低いです。

日本が占領していた関係で、日本人の意識が植え付けられたのかと私は推測しています。

鍼治療を行うには漢方医になるため医学部に入らないとなりません。

6年の医学コースに入るのですが、卒業鍼は捨てて漢方専門薬剤師になるそうです。

こちらの方が地位が高いからです。

手指鍼が急速に普及した時嫌がらせをしたのが彼らでした。

最高裁の判決で民間療法として普及させた方法は合憲と判断されました。

その後高橋晃成(日の偏に光)東大講師のご著書「漢方は効かない」を韓国で出版しました。

少しだけ私もお手伝いさせていただきました。

その影響で漢方医が減り、漢方医が集まっている町の一角が3分の一になり漢方医学部の偏差値が急落したそうです。

2 ベトナム戦争と韓国軍

金成万先生は大学生でした。おそらく優秀な学生だったと推測しましたが。

徴兵されベトナム戦争に派兵されました。

先生から聞いたお話『ヘリコプターは急上昇できない。べトコンはどこから出てくるか分からないので、下降する時操縦士は臆病になっている。アメリカ兵を下すときは地上3メートルぐらい下がるんだが、韓国兵を乗せている時は、地上10メートルから降りろと命令するんだ。躊躇していると降りなければ撃つぞと脅されて、仕方なく落ちたらしたたか腰を打つことになった。無事帰国できたんだが腰痛で大学で学ぶなんて出来なかった。全国治療を求めた末にたどり着いたのが、手指鍼の鍼灸師だった。手のひらに刺して腰が治るんですかと聞いたら、まあ任せなさいと言って治してくれた』

これが先生がこの世界に入る動機でした。

学会の講習を受け独自に研究をしてるうちに、もぐり営業でしたが評判を呼び患者が押し寄せたそうです。

独学でしたが鍼灸知識も豊富でした。

口コミの威力が絶大らしく先生の患者は市をなすほどで、その頃には取り締まりも厳しくなっていたそうです。

本来なら大学に行けば良いのでしょうが、開業したころは家族を持っていたので6年間学ぶことは出来ませんでした。

状況が厳しいときに野村監督から話がありそれが決断された要因でした。

野村監督のお誘いも、日本語はしゃべれなかったもののお父さんが日本との貿易をされていたとか、親戚が日本にもいた関係で決定は早かったようでした。

3 鍼灸師が国家資格になる前

私の資格取得は平成5年で1991年になります。この年から鍼灸あんまマッサージ指圧師は日本の国家資格になりました。

それまでは都道府県別の資格でした。

腰痛肩こりなど今も同じでしょうが、いまと違い需要は少なかったころだからか厳しい規制がなかったのでしょう。

試験日程もバラバラなので、厳しい試験のある東京や神奈川の試験を避け、鍼灸学校のないけんで行われているところで受験したと言う話もきいたことがあります。

母校の柳谷素霊師の追悼集にこんな話がありました。

『私は歳が行ってから入学したものだから、物覚えが悪く先生に迷惑を掛けていました。それで試験は学校がない鳥取で受けることにしました。夜行列車に乗り朝一番で到着し顔を洗い、試験会場に向かい歩いて行きました。すると向こうから見覚えのある方がやって来て、すれ違いにヤアと手を上げて行きました。柳谷校長でした。学校で一番出来の悪い私を心配して、先回りして試験官に私のことをよろしくと伝えに来てくれていたようなのです』

涙が出るような話でしょう!

所得も高くない需要もない時代の鍼灸は、医業類似行為としてそれほど重要視された時代ではなかった話です。

先生が来日されたころも国家資格でなかったことが幸いしたのでしょう。

それで私も日本で韓国の鍼を学ぶことが出来たのです。

日本語が一つもしゃべれないで入学し、日本語は不完全だったでしょうが3年後に資格も取れたいました。

4 先生の周りの韓国ネットワーク

なぜ野村さんが韓国の鍼灸師それも当時は民間療法師の先生を知っていたのかが不思議でした。

講習を受けたのは恵比寿駅前の豪華なマンションでした。

転居祝いに彫られた名前を見ると、誰でもご存知の有名人でした。

韓国との何らかの関係ある名前でした。

先生は交通事故で亡くなられていますが、営業下手だった原因は同じような顔をしている日本が、韓国人と同じメンタリティや習慣を持っていると考えていることにありました。

そこのところを教えてやる人がいたなら、いまでもがん治療の鍼灸師として名声を得ていたはずです。

そこのところが中国人や中国系の鍼灸師と違うところなのでしょう。

5 末期がん患者を治したことでマスコミに取り上げられた

ここ数年はテレビで鍼灸の紹介はほとんどありません。

20数年前でも規制は厳しかったのですが、医療でもがん治療は混迷を深めていた状態でしたので出演出来たのかもしれません。

鍼治療の本質は刺した鍼に鍼灸師の気を送りこむことだと分かったら果たしてテレビ出演は出来るでしょうか?

情報を得る手段は、むかしは口コミ 次にテレビや雑誌 今はGoogle 検索やSNS に移行して多様になっています。

世のなかには西洋医学絶対では解決出来ない病気もあります。

まずそこを拾い上げる東洋医学であることは重要ですが、テレビはそれを伝える役目は終わっているかも知れませんね。

まとめ

1 鍼灸師は韓国と日本だけ社会的地位が低い
2 ベトナム戦争の韓国人兵士の扱われ方
3 鍼灸はあくまで医療類似行為
4 いわゆる在日ネットワーク
5 マスコミに取り上げられる落とし穴

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