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克服に向けて004.「アレクサンダーテクニーク」とイップス

「アレクサンダーテクニーク」をご存知でしょうか?
 
舞台俳優として有望なキャリアのスタートを切った、フレデリック・マサイアス・アレクサンダー。
 
しかし本番になると、「なぜか」発声が上手くできなくなる原因不明の症状にさいなまれたと言います。
 
恐らく、「練習」では、上手くできていたのでしょう。
 
なのに、「本番」になると、できなくなる。
 
役者として致命的ともいえる困難を抱え、苦悩する中で取り組んだというのがテクニークの開発背景。
 
この経緯を鑑みますと、テニス以外にもあらゆる競技を通じて「なぜか(特に本番になると)」できなくなる「イップス」と、馴染みがよさそうです。
 
習熟すると、「克服のための大きな一歩」になるのではないかと、睨んでいます。
 
テクニークでは、こんなふうに説かれます。
 
「動こうとすると、不必要な反応が生じ、過剰な緊張が生じる」
 
「それが遂行しようとするプレーの自由度を奪う」と。
 
こんな時、緊張を押さえようと「する」のは、得策ではないのだとか。
 
テクニークの神髄は何かというと、「しない」こと
 
日本でその指導に従事するジェレミー・チャンスは、「しないとは、することをやめて、(不必要で有害な)収縮が起こらなくする」と説明しています。
 
イップスを治したい場合、どうしても何とかしようと「する」ことばかりに、気が焦るのではないでしょうか?
 
そこを、あえて「しない」
 
たとえばこんな練習です。
 
習慣的に動いてしまう(携帯が鳴ったら思わず端末に手が伸びる)などの行動に対して、自覚的になるのが「インヒビジョン」というメソッドです。
 
これって、何かに似ていませんか?
 
「西洋の禅」とも称される「アレクサンダーテクニーク」。
 
「今・ここ・ここの瞬間」の行為、行動、あるいは思考内容にリアルタイムで気づく、「マインドフルネス」に近いと思うのです。
 
「インヒビジョン」についてアレクサンダーでは、「意識の空白を作る」と説明されています。
 
空白があると、そのスペースに「ひらめき」が生じる。
 
「することリスト」というよりも「しないことリスト」と、言い換えられるかもしれません。
 
アルキメデスがボーッと風呂に入っていたときに浮力の法則についてひらめき、「Eureka!(見つけたぞ!)」と言って、裸のまま表通りまで飛び出したエピソードは有名ですね。
 
浮力の法則についてさんざん考えていたときには、ひらめかなかったというのに、風呂に入ってボーッとしていたら、ハッとひらめいた。
 
今まで何を「やってた」んやー、アルキメデス~(笑)。
 
「空白」に飛び込んでくるのは、「ひらめき」だけではありません。
 
余裕、余白、余地、余力があるところに、アイデアやチャンス、気づき、出会いは舞い込みます。
 
その工夫としてグーグルカレンダーには「ヒマ」という予定をあえて入れて、何もしない日時の確保に務める提案を致しました。

何も「しない」と言うと、お気楽なイメージかもしれませんが、実際に実行しようとすると結構、勇気や決心、覚悟が要るものです。
 
怖い……。
 
その恐怖に、打ち勝てるかどうかが、一里塚になります。

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(テニスゼロ)
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