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テニス上達メモ055.「いいフォームって、何?」 あなたらしい洗練されたフォームの作り方
私がフォームは意識しないほうがいいといっても、「やはりフォームは、いいほうがいい」という声も聞こえてきます。
でも、いいフォームって、何でしょう?
1.プロみたいなフォーム?
2.バランスが取れたフォーム?
3.動きが滑らかなスイング?
それぞれ検証していきましょう。
検証1.プロみたいなフォームの正体は?
テニス雑誌や実用書などで推奨されているのは、これですね。
「ノバク・ジョコビッチは、こうしている」
「ラファエル・ナダルは、ああしている」
本人が意識して、「こうしている」「ああしている」かどうかは別にして、連続写真を載せて、これが「お手本」だと決めつける。
ユーチューブ動画などでも、プロの打ち方をお手本にする解説が散見されます。
しかもときに、「ジョコビッチは、サーブのトロフィーポーズで右ヒジが下がっているのはよくない」とか、なぜか上から目線???
プロだって、だれひとりとして同じフォームはいません。
結論、「プロみたいなフォーム?」の決まった形は、実は存在しないのです。
では、それらしく「見える」のは、一体なぜなのでしょうか?
検証を進めると、判明します。
検証2.バランスが取れたフォームの正体は?
これについては、2とおりの見方ができます。
1つ目は、タイミングよく、なおかつ適度な距離感の打点に入れば、バランスは取れるのです。
だってだれしも、打球タイミングのない「素振り」なら、バランスの取れたフォームになるでしょう?
アンバランスになるのは、ボールとのタイミングが間に合わなかったり早すぎたり、あるいは距離が遠すぎたり近すぎたりして、打点に入れなかった結果です。
2つ目。
体はあえて、「バランスを崩してくれている」という対応も、忘れてはなりません。
いつも理想のタイミングで、適度な距離感の打点に、入れるわけではありませんよね。
そんなとき、体はあえて「バランスを崩す対応をしてくれる」のです。
たとえば遠いボールに対する、ジョコビッチのスライドフットワークを駆使した「開脚対応」。
体がどっ開きで、いわゆる検証1.で取り上げた「お手本」と比較すると、とても「褒められたフォーム」ではありません。
だけどそれこそが、実は見方によっては「最もバランスの取れているフォーム」になっているのです。
届くか届かないかの遠いボールに対して、お手本どおりの肩を入れた、スクエアスタンスで対応しようとしたら、「空振り」します。
開脚対応ばかりではありません。
タイミングが遅れたときには、体はあえてのけ反って、対応してくれているのです。
こんなとき、お手本どおりに軸を保ったまま、さらに後ろから前への体重移動もしようものなら、「窮屈な詰まった打ち方」になるに決まっています。
いつもタイミングよく打点に入れない以上、そうなった場合に体は、バランスを「崩してくれている」のです。
そしてそれが、「最もバランスの取れているフォーム」の正体なのですね。
検証3.動きが滑らかなスイングの正体は?
これも2とおりの見方があります。
1つ目は、体の動きの滑らかさは、ボールと同調して動くからこそ現れます。
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero