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イップス克服に向けて010:少し救われた気持ちになった

こんにちは。※※です。
出来事を必要以上に重く受け止めている傾向、確かにあります。瞑想などの実践により少しずつ気づけるようにはなっていましたが、まだまだ、ネガティブなところがあると最近とある人から指摘され、また気づきました。なかなか、受け止めるのは大変ですが、少しずつ受け止めれるようになってきました。
テニスでも一生イップスでもいいやとイップスであることを受け入れること、実践してみようと思います。今まで散々嫌悪してきたので、もうそろそろ嫌悪にも飽きてきました。
少し救われた気持ちになりました。アドバイス本当にありがとうございました。

回答
「少し救われた」というお気持ちを、具体的に数値化する習慣を培われますと、やがて9割方救われます
 
以前ご紹介しました『テニスノート』による効果と同じです。
 
たとえばショットの気持ちよさを10点満点中、何点かで振り返る練習をすると、10点満点の再現性が高くなるという話(※注1)。
 
「すごく気持ちよかった!」だけでは、なかなか気持ちよいショットの再現性は、高まらないのでしたね。
 
「今のは10点満点中8点」「今のは2点」などと数値化すると、データが蓄積されて、体は高得点を再現する感覚を身につけます。
 
それはそうです。
 
インプットされる情報の質が、アバウトで抽象的なままなのか、ディティールの具体に及ぶのかで、全然違いますからね。
 
あるいは、ボールを見続け、見届けた結果、たとえば何センチアウトだったかを数値化する練習をする。
 
「ちょっとアウト」の「ちょっと」というのは、抽象的です。
 
「ジャストアウトはどれくらい?」
 
初級者にとっては「ジャスト」かもしれないけれど、上級者にとっては全然、惜しくない出幅かもしれません。
 
あるいはネットミスしたのは、「どれくらい下?」
 
同じネットミスでも、ネットの上端からボールの上端にかけて「2センチ下」だったか、「30センチ下」だったかでは、その程度が違います
 
「ネットした。あーあ」などといって単に悔しがるだけの人の場合、どれくらい下なのかを、「認識できていない」ケースが散見されます。
 
それでは、ネットミスが改まらない。
 
せっかくのミスを、「糧」にもできないのです。
 
それを、具体的には「2センチ下」だったか、「30センチ下」だったかといった具合に、数値化する練習をすると、シビアなコントロールの精度を追求できるのです。
 
もちろんそれは、ある程度ボールに集中しているからこそ、できるのが前提。

ボールをよく見ていないと、「何センチ下」なのか、分からないですからね。

換言すれば数値化するには、ある程度ボールに集中せざるを得なくなるのです。
 
そう言っておきながら、あるいは具体的数値化の対局ともいえるかもしれませんけれども、「オノマトペ」も実用性という観点では有効です。
 
「醤油をもう少し足して」と言われても、どのくらい足せばいいのか、伝わりづらい。
 
そこを「ピッと足して」とか「チョロチョロチョロッと足して」などというと、感覚的にイメージをつかみやすいでしょう。
 
「もう少しって、どれくらいなの?」
 
「少しだから、スプーン1杯分?」
 
「だとしたら、スプーンの大きさは?」
 
そうやって連想ゲームの「思考」が始まってしまうのが、巧妙に仕掛けられた自我による罠なのですね。
 
『究極のテニス上達法~無心で打てば、あなたはもっと上手くなる~』ではこれを応用して、意識による「ああせよ」「こうせよ」の自分に対する指令を黙らせ、集中力を高めて打球タイミングの精度向上を図ります。

それはさておき、具体的な数字に落とし込むポイントについて、ここではご説明しています。
 
「6センチバックアウト」といった具合に、数字で具体的に認識する練習をすれば、やがて誤差が少なくなって、高精度のコントロール情報を追求できるため、「ミスが糧になる」のです。
 
私は『テニスノート』を、記し続けています。
 
私の一例として、ショットの気持ち良さや、その日のプレーの調子のほか、出来事や経験を、数値化したりします(ほかにも後述するなぐり書きなども、適当に取り入れます。適当であるほど、書き始めるハードルが下がって、いつでもどこでも、書く気になります)。
 
内容や体裁は、後述する「モーニングノート」『ゼロ秒思考』の「メモ書き」と同様に、特に決めなくてよいでしょう。
 
いえ、決めないほうがよいでしょう。
 
むしろ内容や体裁にこだわると、頭の中から書き出すフローに、ブレーキがかかってしまいやすいからです。
 
たとえば機嫌について10点満点のうち、過去に超ムカついた出来事があり、「0点」をつけた。
 
だけど今、顧みると、別にどうということはありません
 
むしろ「0点」をつけて超ムカついた自分が、滑稽にすら思えます
 
ならば今、まさにこの瞬間、超ムカついている出来事があったとしても、やがてどうということはなくなるから、「まぁ、いいやー」というふうなフローになるのが、心の自然な流れなのです。
 
ノートを使った「フレームワークのリフレーム」
 
過去に経験した超ムカツク出来事が、今後はほとんど、ムカつかなくなるのです。
 
10点満点中、「あー、マイナス2点の8点だなー」といった、気楽な塩梅です。
 
ところが世間はとにかく抽象的に表現するから、それはそれで楽しいのですけれども、カオスが収まりません。
 
「もうちょっと~」「~すぎる」「もっと~」って、一体どれくらい?
 
主観は人によって違うのだから、収拾がつかなくなるのです。

そのような言い回しをしそうになったら、それらを具体的な数字に落とし込めないか、時と場合に応じて検討してみてください。
 
「もうちょっと」とは、具体的にあと「何秒」なのか?
 
「少なすぎる」とは、具体的にあと「何枚」なのか?
 
「もっと低く」とは、具体的にあと「何センチ」なのか?
 
具体化が育まれますと、特にネガティブな出来事に見舞われたときに、救われます
 
抽象的だから、「最悪!」などといって、際限なく落ち込むのです。
 
反面、ポジティブな出来事があったときには、「最高!」とはならないので、喜びが少なくなります
 
「10点満点中、9点だな」といった具合に、冷めた感じになる(笑)。
 
でも、それはそれでよいのです。
 
一見すると「物足りない」「味気ない」ように思えるかもしれませんけれども、しかしそれも、「平常心」の観点から言えば「望ましい」
 
浮かれてしまいませんからね。
 
ネガティブな出来事があったときに落ち込むのは、ポジティブな出来事があったときに浮かれる精神エネルギーの裏返し(反動)になりやすいのですけれども、その振幅が大きくなるほど、いわゆる「一喜一憂」してしまい、平常心を損ないやすい、つまり揺らぎやすい、脆弱な性格になってしまうのです。
 
嬉しいことがあっても、手放しに浮かれない
 
すると振幅(反動)ですから、逆に悲しいことがあっても、落ち込む程度が今までだと「10」だったのが、「1や2」に収まるでしょう。
 
そして「エネルギー保存の法則」にのっとりエネルギーが、有限である点も看過できません。
 
浮かれたり落ち込んだりしなければ、精神エネルギーが保存されますから、「高度な集中力を発揮しやすくなる」道理でもあります。
 
なので数値化するクセをつける『テニスノート』、よろしかったらお試しいただければと思います。
 
10点満点でつけるのが面倒であれば、出来事に応じて感情の波を可視化する。
 
たとえば「明日の試合……緊張(大)」「電車の遅延……怒り(小)」「息子の就職……心配(中)」「別れ……悲しみ(特大)」などと「大・中・小」に分けるだけでも、感情コントロールの練習になりますし、荒れ狂う感情を鎮める実践にもなります。
 
とはいえもちろん、具体的に数値化しにくい時と場合もあります。
 
できる範囲で構いません。
 
私も日常生活や文章のなかで、「もう少し」とか「ちょっと」とか、「できるだけ」とかいう言い回しを、便利だから使います。
 
ですから、「完璧」は目指さない

できる範囲でやれば、十分なのです。
 
とにかく頭の中で、「怒り続ける」「心配し続ける」「悩み続ける」「悲しみ続ける」のが、精神的にストレスを必要以上に引きずる要因(悲しんだりするプロセスは、必要範囲内であれば心を癒しますけれども)。
 
そういう思いを、頭の「中」からノートに書き「出す」のが、『テニスノート』の眼目です。
 
「モーニングノート」や『ゼロ秒思考』による「メモ書き」も、頭の中から「出す」ことを重視しています。
 
この2つは、「目標を達成する」にも、「アイデアを発想する」にも、「悩みを解決する」にも、「ストレスを解消する」にも、つまり幅広く万能でしょう。

両ノート術は、いつ書くとか、何ページ書くとか、日付や見出しを入れるとか入れないとか、細かなテクニックは違うにせよ、頭で考えずにフィーリングを表現する潜在意識へのアプローチが、内容の「本質」だと思います(だからゼロ秒思考=顕在意識で考えない!)。
 
2冊を私なりに、やや乱暴に要約すると、「とにかく書け」でいいと思います。
 
これだけ覚えておけば(そして実践すれば)、大丈夫です
 
頭で考えずに、とにかく書くのです。
 
脳ではなく、「手」に書かせるのです。
 
自動書記のイメージです(すべての思考や感情も、自分が生み出すというよりも、勝手に湧き出てくる「自動思考」「自動感情」ですからね!)。
 
そうすると、無意識からのメッセージを、キャッチできます
 
ノートでなくても、チラシの裏のほうが書きやすいという人もいます。
 
紙は惜しみなく、スペースをふんだんに使うと、「空いているところは埋めたくなる」モチベーションが駆り立てられ、ペンが止まらなくなります
 
そして時と場合によっては見返す必要もないから、読めない字のなぐり書きで、文法も正しくなくていいから、ひたすら走り書きし、書いたらグシャグシャに丸めて、ビリビリに破って、捨てても構いません
 
「見返さないのに、書く意味あるの?」と思われるかもしれませんけれども、優先順位は頭の中から「出す」なので、まずはそれで十分なのです。
 
特にネガティブな出来事というのは、正直に書くと「他人にはとても見せられない内容のはず」ですから、殴り書きすると、誤って近しい人に盗み読みされにくい利点もあります(笑)。
 
他人には見せられないくらい、「ありのままに」さらけ出さないと、意味がない

それができるのが、テニスに限った内容ばかりではないけれど、『テニスノート』の真骨頂だと思います。
 
とはいえ慣れてきたら読み返して、感情コントロールの練習をするとよいでしょう。
 
なお、私の過去の『テニスノート』は、大雨に打たれたりして破れたところをテープで補修などしながら使っています(表題の写真)。
 
携帯電話以上に、つねに携帯しています。


※注1
ただし試合では、ショットの数値化は「気になる」ので、ご控えいただきますように。「ナイスショットの再現性を高める練習」として、取り入れるようにします。

また集中力を高めてボールだけを見る(ネットやラインからの乖離は見えなくなる)『新・ボールの見方~怖れのメガネを外して、ありのままに見る技術~』をするのが、試合では望ましいと言えます。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero