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質問079:試合になると、頭が真っ白になってしまう。どうすればいい?

すいません。あともう一つ質問です。
自分は試合になると頭が真っ白になってしまい、相手のボールを返すのが精いっぱいであることがよくあります。
メンタルってどうすれば鍛えられるかっていうのがよくわかりません。
どうすればいいのでしょうか?

回答


▶完璧を目指すと、完璧じゃなくなる


結論からいうと、完璧主義なのです。
 
完璧主義とは、「完璧な人」ではなくて、完璧でなければならない強迫観念に駆られる精神性です
 
そのせいでかえって、実力を発揮できなくなる。
 
完璧主義の本質は、「怖れ」
 
完璧じゃないことに、不安を感じるのです。

完璧を目指せば目指すほど、不安が強くなるから、完璧から遠ざかります。
 
そして、それに対する他人からの評価が、異常に気になるのです。
 

▶ミスがどう思われるかを異常に気にする心理

 
「完璧を志して何が悪い?」と思われるかもしれません。
 
もちろん、完璧じゃないといけないこともあります。
 
たとえばふぐの調理人が、「毒は適当に取り除けばいいや」というわけにはいきません。
 
完璧に取り除かないといけない。
 
だけどテニスに限っては、「ミスするスポーツ」
 
完璧はあり得ないのです。
 
どんなプロでも、アンフォーストエラーはゼロにはならない。

なのに完璧を志そうとするから、破綻するのです。
 
幼いころ先生にあてられて黒板の前に立ち、いつもなら簡単に解けるはずの計算問題が、みんなの前でやうとすると頭が真っ白になって、解けなかったご経験はないですか?

ミスする自分が他人の目にどう映るのか、異常に気になり、そのせいで試合になると、頭が真っ白になるのです。
 

▶「余力」を残したプレーのススメ

 
無自覚的な「完璧主義」に陥ってしまいませんように。
 
うっかり、全力を出し切ってしまわない。
 
「全力」を出すのではなく、「実力」を出すのです。
 
そのために、「余力」を残すのです。
 
出す力は6~8割程度。
 
すると、「余力」が残りますよね。
 
すると、「実力」が出るのです。
 
「6~8割? そんな戦い方をすると、負けるんじゃないの?」
 
「10割り出し切っても勝てないんだぞ!」などと、お思いになるかもしれませんが、ご心配には及びません。
 
全力を出そうとする気負いがなくなるぶん、むしろ余裕をもってプレーできるようになりますから、ボールにも集中しやすくなります。
 
頭の中が真っ白になるというパニックも、なくなるのです。
 
そのためには、うっかり完璧主義に陥ってしまわないようにする。
 
具体的な対処法をご説明していきます。

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