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立ち向かう女たちとの滋養あふれるランチ

フリーランスの編集者かのこさんとフリーランスの医療従事者みずえさんと、銀座の星福でランチをともにした。(お二人の名前は仮名です)
おふたりとも、組織の枠、慣習、ルール等に基づく保守的で変化を好まぬ姿勢に異をとなえ、唱えるだけではなく、自ら信じる方法を実践すべく、フリーランスの道を選んだ女性たちだ。
とくに医療や介護の世界は、だれにとっても必要なものでありながら、「医療専門職」(cure)vs「介護専門職」(care)という、なかなか越えにくい壁があるという。本来なら、一体となって一人の人を癒す領域に従事する方々なのに。
利用者からすると「わたしがしてほしいのはこれ」というのがありながら、なかなかそれが実践できない現状がある。
さらにいえば、利用者側は自分がいまどのような状況に置かれてモヤモヤと、不便感、不快感を感じているのかがわからないから、それを俯瞰的にとらえて代弁する役割を担うひとも必要だ。
そうした「代弁者」でもあり、実践者でもあるのが、みずえさんであり、かのこさんだ。
かのこさんの本業は編集者だが、年齢からか、同世代には介護や医療の必要な人々がたくさんいる。それも、家族とのつながりが遠く、ひとりでなんとかしなければならない人たちばかりだ。
だが介護保険の利用や、医療の利用が、国や自治体の支援のもと利用できないという、「エアポケット」のさなかにある方々でもある。経済的に余裕があるなしに関わらずだ。
なにをどう利用して、自身を癒せばいいのか、自由に動かぬ身体をかかえて途方にくれがちだ。
かのこさんは、そうした仲間を、医療や介護といった専門外の立場からある意味義侠心と正義感から、支援をする。そうすると、持ち前の独立心や批判精神、闘争本能があたまをもたげ、ことごとく組織に属する医療従事者たちと対立する。怒る、しかしもどかしい。
みずえさんは、そうした、怒りやもどかしさを感じる人たちのために、フリーランスの医療・介護従事者として支援することをなりわいとしている。
とはいえ、フリーランスなだけに、保障はない。みずからの信念とスキル、思いを軸に、支援の必要な方がたのために動く。もちろん、なりわいだから有償であり、自費介護・看護の領域だから、公的支援を受ける場合よりはコスト高にはなる。とはいえ、感謝されこそすれ、へんな形でねぎられたりといった不快な思いをすることはないという。それだけ、必要なサポートをしているということでもあるのだろう。

喧喧諤諤、議論は熱を帯び、尽きることない様子。
そんななか、夕方の空気が感じられる時間となりいったん、お開きになった。
今日のところの結論は「一方的な支援を限られた人がするだけでなく、サポートする側として同じもどかしさ、モヤモヤを抱えたままの人同士が語り合える場を作ることから」。
そうした共感の場を作ることで連携し、発信・実践にもつながっていく。社会を変えることにつながっていく。

健康課題のあるわたしとしては、たいそう勇気とパワーをもらえる時間だった。

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