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言うことを聞かないで大泣きする子への声のかけ方を考えてみた

怒鳴り散らす親と大泣きする子供

先日、電車に乗っていた時のことです。

駅で小学校二年生くらいの男の子とママさんが乗ってきました。

男の子は、ゲーム機を持っていて、座ってからずっとゲームをしています。
ママさんは、「次の次の駅で降りるよ!ゲームしまう!」と声をかけていました。

となりの駅につき、男の子にまたママさんが声をかけました。
「もう、次の駅で降りるよ!ゲームしまわないと、降りそびれるよ!」

「うん、もうちょっと!」男の子はゲームを続けています。

少ししてまた、ママさんが声をかけました。
「もう、降りるよ!降りそびれたらどうするの!」

「いいもん!」

「もうママ、1人で降りちゃうよ!」

「いいもん!!!」

「降りそびれて、ひとりでどこでも行っちまえ!!!」

「うぅぅぅ、え"ーーーん"!!!」

「もう、あんたなんていなくていい!知らない!1人でいなくなれ!!」

「う"わーーーん!!!」

親子で凄い声で怒鳴っていて、車両中に響いていました。

こうやって、記憶や心やオーラに傷がついていって、人生に蓄積していくんだよな……。
親との関係って、とても重要な役割を持っているんだよなと感じます。

このママさんも、親からそうやって、脅されながら行動を矯正されていったのだろうと思います。

子供が言うことを聞かないのが「本当の」問題なのか?

子供が言うことを聞かないのが問題なのでしょうか。
言うことを聞かせることが重要なのでしょうか?

それとも…
子供と「話し合うこと、理解し合うこと、協力してもらうこと」が大切なのでしょうか。

◆人をコントロールしようとする気持ち

なかば脅しのような「しらない!どっかいっちまえ」という言葉は、私の言うことを聞かなければ、お前を見放すぞ、という人をコントロールしようとする気持ちがこもっています。

このママさんは、過去に誰かにコントロールされてきたことがあって(あるいは今、仕事先や家庭で、上司やご主人にコントロールされそうになっていて)、それを今度は子供にやろうとしている可能性もあります。

他人をコントロールしようとする癖は、本当にこわくて、自分では結構気づけなかったりするのです。

わたしにも、そういう癖があります。というか、ありました。というか、出そうになったら直そうとしています。

それは、両親から植え付けられた「脅しのような躾」が人生の中盤になってもジワジワと食い込んでくるからです。
しかもそれを、他人にも無意識でやりたくなってしまうのです。

そういうときは、たいてい「くそ!こんなにやってるのに、なんで思い通りにならない!」と思うようになっています。

だから、「うむぅ…!思い通りにならないぞ!ってことは……だれかや何かを自分自身がコントロールしたくなっているってことか……」と気づけるようになってきました。

たいてい、イライラしている時もそうです。

◆相手を自分のものだと勘違いしている

子供が言うことを聞かないからイライラしているわけではなく、

相手を自分のものだと勘違いして、どうにでもコントロールできるはずだ思い込んでいるのに、実際はそうはならない(実際は自分の所有物ではない)からです。

子供であっても自我があり、1人の人間だから尊重する必要があるのに、それがうまく理解できないのです。
子供は、親の所有物ではなく、独自の自我があります。
親はその自我を育てるサポート役として配役されています。
子供は、大人のルールや生き方をまだよく知らないという、人生の後輩さんです。
イライラした先輩に仕事を教わるより、
丁寧で優しくて、やる時はやる!とメリハリがあって、そしていざという時には守ってくれる先輩のほうが素敵じゃありませんか?

イライラしているのは、過去の自分の「嫌なのに親の言うことを無理やりきかされた。コントロールされた!」という潜在意識に埋め込まれた怒りにも関係しています。

だから、本質的には子供は関係がなくて、それに関連する過去の自分の体験をもとに、イライラを自分で膨らませているだけ。

それに少しでも気づいてもらえたら…と思いますが、

子育てって、毎日のことで、とても大変な仕事でもあるので、そんな余裕がなかなか生まれないというのもあるかもしれません。

そこで、例えばですが、下記のような方法は使えないでしょうか?

先程のママさんのように、降りる駅に着く前に子供のゲーム機をカバンにしまわせて、安心して電車を降りたいのだとしたら…

①「次、何するかゲーム」で盛り上げてみる!

「次、何駅で降りるか当ててみて!」
「駅に着く前に、ゲーム機をしまうか、しまわないか、正解はどっちでしょ〜う?」
「降りる時にゲーム機を落とさないために、何をするか当ててみてごらん?」

と言った感じで。
イヤイヤするお子さんでも、結構ゲームになると真剣にやってくれます。
とくに、男の子はゲームすると乗ってきてくれる子が多いので、使える技かもしれません。
うちの甥っ子が小さい時も、「掃除手伝って!洗濯畳むの一緒にやろう」と言っても

「うぇー、やだー。ゲームする。忙しい。」
と言ってウダウダ寝転がっていても、

「靴下の片っぽみつけて、合わせて、丸めるゲームするぞー!」というと、

「やる!やる!俺が一番!」と、寄ってきて、洗濯物の中から自分の靴下のセットを見つけ出し、クルンとして畳んでくれてました。

お掃除の時も、
「ゴミ捨て行ってきて」というと「ぜっったいヤダ!!!」というのに、

「あー、ゴミ重くて持ち上がらないなぁ。どこかに力持ちいないかなぁ」というと、
「え、こんなのも持ち上がらないの?俺もてるよ!持って行ってあげようか?」と、急に張り切って手伝ってくれます。

すべてのお子さんが乗ってくれるわけではないですが、楽しんでできるので、是非試してみていただきたいと思います。

②なんで嫌なのかを聞いてみる

「ゲームしまいたくないの?どうして?おうちで続きできるよ?」など、声をかけて聞いてみること。

ヤダ!ヤダ!言ってる時は、親の気を引きたいだけっていう場合もあるので、
子供の目線の高さにあわせて、両肩に優しく手を置いて、目をしっかり合わせた状態で声をかけます。

ポイントは、同じ高さでしっかり目線を合わせる。
これだけで、何か変化があります。
目を合わせるときは、脅すような目つきではなく、優しく、優し~く。

「ママに教えてくれないかな。○○くんが、嫌だって思ってると、おうち帰る駅で降りられないんだよね。どうしようか。」

と、伝えてみる。

「実はさ、ママ、今困っちゃってるんだ。おうち帰る駅が通り過ぎちゃうと、晩御飯も食べられないから。○○くんが、ゲーム続けてると歩くとき危ないから降りられないんだよ。困ったなぁ。」

という感じで。

③協力を仰いでみる

上記からの流れで、

「ママ困っちゃってるから、○○くん、助けてくれないかな。ゲームをカバンにしまったら、次の駅で手を繋いで電車を降りたいんだけど、協力してくれるかな?」

というかんじです。

ママ、の箇所はパパでもおばあちゃんでも、家政婦さんの名前でも、状況にあわせて当てはめてください。

④簡易的にルール決めをする

これは二通りあります。

◆構図をひっくり返すと、反発が好転する

「あと2分で駅に着くから、1分前にはカバンにしまおうね。1分前になったら教えるから、しまってね。それまでは、ゲーム続けていいよ。
と、リミットを教えておくこと。
ここでのポイントは「ゲーム続けていいよ」です。

「○○して」→「ヤダ!」
という構図のテンプレートが完成してしまっているので、うまく行けばリミット前に「ゲームして!」→「ヤダ!もうやめてカバンにしまう!」という流れになります。

また、リミットがあるとこれもゲーム性が増すので、面白がってやってくれることが多いです。

◆ママやパパと競争だ!

もう一つは、
「はい!今から30秒たったら、カバンにゲームしまいまーす!
ママも携帯をカバンにしまいまーす!
間に合わない人は電車から降りられないかもよ!できるかなー???
どっちが早くしまえるかなー?
……あと10秒!……3、2、1!しゅうりょーう!(○○くん、勝ち~!すごい!)」

という感じで、ママとの競争っぽくする方法です。
結構、競争になると、いいかんじで動いてくれます。

と、わたしがこれまで使ってきた方法はこんな感じですが、もっといい方法もあるかもしれません。
いろいろ編み出して、ぜひお子さんとチャレンジしてみてください。

大切なのは子育てに携わる人が力を抜いて向き合えること

大切なのは、親御さんや子育てに携わる人自身がイライラしないで、楽しみながら力を抜いて子供と向き合えることじゃないかなと思います。

子供を無理矢理いうこと聞かせても、何にもならないどころか、脳や心に弊害がでます
怒られたり、プレッシャーをかけられ続けると、脳が萎縮して学習能力が低下したり、優しい心が育たなくなったりして、倫理観にも影響が出るのです。
犯罪心理学などの分野では、犯罪を犯した青少年たちの脳や心理を分析すると、空間管理能力や観察する力がうまく育っていなかったり、
「人が痛い、苦しい」という気持ちを想像する感覚が育っていなかったりする子供もいます。
なので、他の人を平気で傷つけたり、苦しいという感覚がよくわからなくなっていたりします。

その背景としては、親から常に叱られいたり、自分の所有物のように扱われていたり(パシリ、叩く)、ネグレクトを受けていたりということがあります。
それは、のちのちに恨みや蓄積された怒りになって、育てた人に返ってきてしまうこともあるのです。

子供を健やかに育てるには、あなたが健やかであること


子供を健やかに育てるには、あなたが健やかであることです。
優秀な人材を健やかに育てるには、あなたが健やかであることです。

ちょっと違いますが、本質は子育ても職場の後輩育成も同じです。
イライラや、うまくいかない心は、あなたの心のなかで「他人を心の何処かで思い通りにコントロールしたい」という気持ちが隠れているからです。
でも、思い通りになることはありません。

だから、相手を観察したり、話し合ったりして、意思疎通を試みながら「その人、その人」にあった方法で育てていくしかありません。

メモして覚える後輩さんもいれば、やってみて失敗しながらじゃないとわからない人もいたり、流れを説明するだけで細かいことは自分で調べます!という人もいたりします。

体を動かすのが好きな子もいれば、無口だけどお絵かきなどの表現で自分の気持ちを伝えようとする子もいたり、得意分野や物事の覚え方にもいろいろ個性があるのです。

親御さんも当然そうで、自分にあった子育て方法があったり、感じ方が違ったりします。

何でイライラするのかを、自分自身の中で深掘りしてみるのもいいことだと思いますし、
どうしたらイライラしないで子供とわかりあえるかを模索してみるのも良いと思います。

本やセミナーで、他の人の方法を学んでみたり、楽しそうに子育てしている親御さんに「普段どうしてるの?」と聞いてみるのも良いでしょう。

とにかく、自分の中だけで「なんとかしなきゃ」という狭くなってイライラしていく心を広げて、

  • その子自身

  • 自分自身の本質

  • 心の外の世界

に目を向けてみてほしいのです。
心をできるだけ広げて、自分が楽にできる方法や、得意な方法を見つけたら、見える世界もまた少し変わってくるような気がします。

あなたの毎日大変な目まぐるしい日々を、すべて分かってあげられるわけではありませんが、なにか少しでも生活の中で「たのしい」「しあわせ」という時間が増えたならいいなと願っています。

子宮腺筋症という激痛難病と不妊治療をしながら女性のための占いやメンタルトレーニングを教える活動をしてます。「自分の軸」を整えると、パートナーともうまく行きやすくなり、子育てや人間関係もうまく行きやすくなり、やがて世界平和に繋がるとおもうのです。サポート費は今後の活動に役立てます!