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【活動レポvol.4】ティーン対象:コミュニケーションをもっとうまく、楽に!(21年4月2日開催)


おとなになっても、なかなかうまくいかないコミュニケーション。

人と対話するのが実はちょっと苦手、緊張する、どう気持ちを伝えたらいいのかわからない…そんな思いを抱く人も少なくないですよね。

この悩みを、おとな以上に持っているのが13歳~19歳の思春期 “ティーン”世代。

今回、合同会社てにをは は、ビジネスフィールドを飛び出して、悩めるティーンの皆さんに「コミュニケーションをもっとうまく、楽にするヒント」をお伝えしにいきました。私大塚が、レポートします!

◇当日参加してくれた“ティーン”の皆さん
  H.I.さん(新中2・女子) 
  S.H.さん(新中2・男子)
  T.H.さん(新中1・女子) 
  E.T.さん(新中1・男子)
◇講師:合同会社てにをは 岡本真梨子
◇レポート:合同会社てにをは 大塚万紀子

1.なぜ開催したのか

事の発端は、数年前、私の子どもが思春期に差し掛かり、仕事ではうまくふるまえるのに私生活、特に自分の子どもとのコミュニケーションって難しい~!と頭を抱えたことでした。

13歳になった娘は、急に世界が広がって大人びた言葉を使い始めるし、お友達との会話も隣で聞いていてヒヤヒヤすることも…
「あぁ、自分にもそういう時期があったなぁ」と思うと同時に、「あの時もっとこう伝えられていたら…!」という後悔が蘇りました。

そんな時、岡本から教えてもらったのが「アサーション(アサーティブ・コミュニケーション)」。
その奥深さと面白さ、そして難しさに感銘を受けた私は「いつか、子どもたちにも教えてもらいたい!」と心に決めていたんです。

実は「アサーション」そのものは本などで見聞きしていた言葉でした。
でも、いまいちピンと来ていなかったのもまた事実。

ところが!

岡本の(おとな向けの)アサーション講座を受けて、目からうろこがたくさん落ちました。

心理学の専門知識をとにかくわかりやすく、面白く伝えてくれるので、するするっと理解できる。
そして、気軽に使ってみよう、やってみようかな、と思える。

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(当時の大人向けアサーションセミナーの様子)

今の“ティーン”は、スマホもパソコンも普通に使いこなし、インターネットにつながっていることが普通という世代です。

だからこそ、コミュニケーションに意識を向けることがとても重要ですし、工夫してみようかな、と思ってもらえる機会を提供することが大人の役割でもあるのでは、と思うのです。

そんなこんなで、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解かれたタイミングで、感染対策をしつつの対面方式にて、ティーンの皆さんが春休みの期間に本イベントを開催することにしました。

※今回岡本がお伝えした内容は、通常は企業研修や、一般の方向けの勉強会でお伝えしているアサーション研修を、ティーン向けに一部抜粋&アレンジしたものです。

2.どんな内容をお伝えしたのか

まずは、参加してくれたみんなの自己紹介からスタート。

最初は緊張気味だったティーンの皆さんでしたが、講師の岡本が自身の思春期の黒歴史(笑)を赤裸々に語り始めたあたりから、興味津々な表情に。

自分の両親と同じくらいの年齢の講師=おとな、なのに、こんな話までしてくれるのか…!という驚きとワクワクが4人の顔からあふれていました。

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今回は参加型にしたいね!ということで、付箋をみんなにも手渡して、自分の意見を書いてもらいながら進めていきました。

たとえば、「コミュニケーションってなに?」という問い。
さらにそこから深掘りしていき、「感情って、なんのためにあると思う?」という問い。

おとなの皆さんは、なんて答えますか?

ティーンたちからは「生き残るため」「相手に伝えるため」など豊かな回答がたくさん出てきていました。

最初は正解探しをしている様子だったティーンたちですが、途中から個性全開で、身振り手振りを交えながら自分の考えを披露してくれました。



一番盛り上がったのは、「3種類の『きく』」について。

「聞く」「訊く」「聴く」の違いについて、みんなで考えたり、実際にロールプレイをしてみたり。
(「きく、といえば菊でしょ!」なんていう珍回答も出ていました^^)



そして、今回一番伝えたかったのは、「良いコミュニケーションのベースとなる大切な考え方」です。

たとえば…

● 自分の感情は自分だけのもの
● 感情それ自体に良し悪しはない
● 感情は表現しない限り伝わらない
● 他人はコントロールできない
● 自分の気持ちを相手が受け取るかどうかは、相手の自由(逆も同じ)
● 私達は、誰からも尊重され、大切にしてもらう権利がある
● 私達は誰もが、自分で行動を決め表現し、その結果に責任をもつ権利がある
● 私達は誰でも過ちをし、それに責任を持つ権利がある
● 私達は、自己主張しない権利もある

これらは、子どもだけでなく、おとなも案外と気づいていなかったりする、重要な考え方です。
特に後半の権利は「アサーション権」と言い、適切なコミュニケーションをとっていく上で必ず知っておきたい、誰しもが持つ権利のこと。

これらを知り、心にとめておくだけでも、周りの人とのコミュニケーションに関する悩みはぐっと楽になるのではないかな、と思います。

ティーンたちも、このパートは特に真剣に耳を傾けてくれていました。嬉しかった!

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その後、実際のアサーション話法を学び、それぞれにロールプレイ形式で練習。「気持ちを言えた~!」「普段は自分、アグレッシブだ・・・」などたくさんの気づきを得て、講座は終了しました。

3.ティーンの感想

あっという間の2時間でしたが、参加してくれたティーンの皆さんからはこんな感想をいただきました。

● 自分で決める、が大事だと思った。とても楽しかったからまた参加したい

● 今回印象に残ったことはコミュニケーションは自分と相手がいてキャッチボールのように情報の伝達を繋いでいくことによって始めて成り立つ、ということです。ほかにもアサーティブ、ノンアサーティブ、アグレッシブなど自分の考えを相手に伝える時にパターンがあることなども印象深かったです。

● 周りの人との関係に悩んでしまったり感情がマイナスな方向に行ってしまったりすることが多いと思っていましたが、その感情は生きていく上で必要なことであり、何かのサインだということを理解しました。これからはその感情も無かったことにせずに、どのようなサインを伝えようとしているのか気にしてみようと思いました。

● 普段は、周りに気の利いたことを言えているか?と気になってしまうけども、まずは相手の目を見て、話をちゃんと聴けばいいんだな、とわかった。

● listenの重要性を理解しました。私はaskタイプだと思いますので、listenの聴き方について考えてみようと思います。

そして、保護者の方からも!

● 子どもがいろんなことを考えてることを全然聴けてなかったなぁと反省しました。耳と目と心を使って心に寄り添って「聴く」を改めて大切にしたいと思いました。帰宅後の息子の様子を見てると、自分の気持ちを相手が受け取るかどうかは相手次第、逆も同じ、ということがすごく彼の中でしっくりきたんだろうな、という様子が見られて、親子の会話もピリピリしなくなりました。

● 子ども向けかと思っていましたが、おとなでもなかなかできていない内容ばかりで、大変勉強になりました。親子共通の話題ができたことも嬉しい収穫でした。


4.講師のコメント

今回講師を担当した岡本真梨子にも感想を聞きました!

私自身、大学院でアサーションに出会って本当に色々なことが楽になり、『こ、これを中学生の時に知っていれば・・・!』と心から思ったんですね。でも、10代では、大人の大層なご高説は、まず頭に入ってきません(笑)。なので、今回ティーンたちに、爆笑したりウンウン悩んだりしながら、たくさん感じ学んでもらえたのは、嬉しかったです。

ちなみに、北欧はこういった内容を幼稚園・保育園からじっくり教育するのですが、日本はまだまだ保健や生活の授業の片隅で取り扱われていることが多く、また、日本の若者の自己評価の低さも、国際的にみても深刻な問題です。

日本のティーンに、自分も他者も大事にしながら、自分の人生を自分で切り拓ける大人になってほしい!ので、これからもてにをは的CSR活動として、こういったイベントを続けていきます!

ということで、合同会社てにをは は、ティーンの皆さんにも心理学の面白さ、コミュニケーションや自己理解の大切さをかみ砕きながらお伝えしていきたいと考えています!

今後のイベントのお知らせなどはこちらに掲載していきますので、フォローをお願いします♪


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