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朱に交われば赤くなる

私が勤めていた透析病院のお話。

腎不全になった方が水分や毒素を自分では排出できなくなるためダイアライザーというもので血液を濾過する。大まかだが、これが透析である。

48時間分の水分や毒素を4〜5時間で体から抜く。それを週に3回

透析をやらないと選択すると10日で死に至ってしまう。

慢性腎不全ってそんな病気。

私の勤める病院の院長は、自分の治療方針に従わなければどこか違う病院を探してください!と平気な顔をして言うような人だった。

そんな院長のもとで働くスタッフも同じくそうだった。

排便コントロールができておらず、透析中に出してしまう‥そんなこと、人間だから誰しもあるのでは?と思う。
そんな患者へは排便コントロールをして透析中に出さないでください!と再三伝え、守れなければ透析病院を変えるように促す。

透析中にトイレに行きたいと言っても1度トイレで意識消失したことがある患者の場合、寝たままオムツに出してください!と伝える。
寝たままじゃ、腹圧がかからないのでスムーズに出すことができない。
いくら患者さんがトイレでしたいと叫んでも「だったら違う病院探せばいいじゃん!」と言うスタッフ。

医療者側の意向に沿わなければ透析しなくていいよ!そんな考えなのである。

私は県内でここしか透析病院勤務の経験がないのでどこの透析病院もそうであるわけではないと思う。

ケア度が高い患者さんを受け入れている病院もある。
しかし、私が働いていた透析病院は手がかからない患者さんをいかにたくさん受け入れるか!を考えていた。

医療者以前に人間としてどうなのかと私は思う‥‥。


そんな場所で働いていると、それがおかしいという考えにも至らなくなって麻痺してしまう。正しいこともわからなくなってしまう。


朱に交われば赤くなるという言葉がある。
人は周囲に影響されやすく、交際する相手によって善にもなれば悪にもなる。
付き合う人によって大きな影響を受けることの例えである。

付き合う人、入る組織も選ばなければならないと思う。



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