【現場スタッフ編⑰】

・訪問から30分、最長でも1時間で退去する方法

 クレーム対応訪問は、訪問する側にリスクがあります。なので、2名以上複数名で訪問するのが良い、とよく言われます。
 確かにその通りです、が現実問題出来ていますか。ただでさえ人手不足で、生産性の薄いクレーム対応、謝罪訪問に人員をしっかり割くことが出来る企業は少ないです。
 弊社では、前項でお話しした小道具を使ったり、ちょっとした小芝居を打ったりして、1名で安全に、最長でも1時間以内に退去します。
 また、謝罪訪問するのは1度だけです。
 
「このお客様話し長そうだなぁ、帰らせてくれるかなぁ」
「電話でさんざんごねてたから、すぐに帰れないだろうなぁ」

 ではありませんよ、帰るんです。

・お客様宅に到着時、訪問前にスマホのアラームを設定します。
35分後50分後です。
 
 アラームは、会社からメールが入った体にします。スヌーズではなく、一定の音色で切れないようにしてください。電話を装うのは、かなりの演技力がないとバレます。
 メールを見る体ですが、先方のご家族に後ろから覗かれないよう気をつけてください。
 
・1回目が35分後に鳴ります。
 
 クレーム対応時は腕時計を見てはいけません。アラームを設定していれば、時間がわかります。
 お客様から「出ていいよ」と言われたら、「恐れ入ります、メールです、失礼します。」と言ってちらっと見てアラームを切ります。
「出ていいよ」が無ければ、「ちょっと失礼いたします。」で同じようにします。
「失礼いたしました。」と言って話しにもどります。
 これで一旦話しが切れることが多いので、ここで、「私から、お話しよろしいでしょうか。」と解決策など、クロージングに入ることもできます。
 
 なぜ、話しを始めて約30分後に設定するのか
→人の怒りは、おおよそ20分で一旦収まるといわれてます。
 また、30分あれば伝えたい内容は、おおよそ話せるからです。

・50分後のアラームは、対応がご夫婦の場合など、20分の怒りが交互にくることがあるための予備です。
 この場合は、どちらかキーマンを決めましょう。
「奥様にお聞きしますが~」など。

 2回目のアラーム(メール)が鳴ると、先方(お客様)は、「忙しいんだな」と思ってくれます。
 
 ここでは、「お話し十分お聞きいたしました。」とクロージングに入ります。
 
 話しを持ち帰る場合は、「一旦社に持ち帰えらせていただき、2日後にお電話いたします。ご都合お聞かせください。」
「本日は、ありがとうございました。」
「帰らせていただきます。」→これを必ずいいます
 もうお分かりですね。帰らせてほしい→不当に引き留める→監禁罪に抵触 

「帰らせてほしい」を言わないから、帰れないのです。

 もう一つクレーム対応訪問時の注意点ですが、お客様によっては、「担当スタッフが訪問して来た=自分の要求が認められた」と思う方が一部おられます。

 それを防止するため、「とるものも取り敢えず、急ぎお伺いいたしました。直接お顔拝見し、お聞きしたかったです。何度も恐れ入りますが、再度状況を詳しくお願いできますでしょうか」

 ここでも、「言われたくないことは、こちらから先にいう」のがコツです。


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