ミニ本棚から頭の中を覗き見る
友だちの家に行ったとき、本棚があると、「どんな本があるのかな」と、つい見てしまいませんか?
「こんな本を読んでるんだ。ほうほう」
などと、普段とは違う、意外な一面を知ったような気がします。
もし自分も好きな本があると、ちょっと嬉しくなります。
この記事を書いた講師
今、教室では、生徒たちが「ミニ本棚」をつくっています。
月に1回くらい、スライムやクリスマスリース、かぼちゃランタンなど、いろいろなものをつくって、その体験を作文にするのですが、今月は「ミニ本棚」なのです。
ミニ本棚づくりは、自分の好きな本を選ぶところからスタートです。
本が選べたら、小さく印刷した表紙を切り取ります。
次に、表紙をスチレンボードに貼り、カットします。
カットできたミニ本を、100均の小さな棚に並べていきます。
棚はシールで飾ってもいいですね。
どんな本を選ぶかは、生徒にお任せです。
これまで読んできた本、みんなに読んでもらいたい本、これから読みたい本など……。
自分だけの大切な本棚ができあがります。
昔、講師が何気なくおすすめした本が並んでいると、
「ちゃんと心の中に残してくれているんだな」
と、思わずジーンとしてしまいます。
本棚を見ていると、その子の頭の中を覗き込んでいるような、不思議な気持ちになります。
馬場のぼるさんの『11ぴきのねこ』シリーズが大好きな小学生のHくんは、『11ぴきのねこ』だけの本棚をつくりました。
11このシールは、登場するねこたちを表しています。
中学生のRくんのミニ本棚には、今ハマっている戦車や戦争の本にまざって、ヘミングウェイの『老人と海』がありました。
Rくんにとって、「戦い」は、どんな意味を持つのでしょう。
中学生になったMさんは、リテラで出会った本を選んで「本との思い出」の棚をつくってくれました。
出会った順に本を並べながら、なつかしい気持ちになったようでした。講師も、まだ幼稚園生だったMさんの姿を思い返しました。
最後に、高校2年生のNくんが書いた文章をご紹介します。本を読むということが、Nくんにとっていかに大切なことなのか、伝わってくるようです。
・・・
小さい本を作って、小さいたなに入れました。幼稚園の演劇でやった思い出深い本から、薬局の待ち時間に読んだだけの本まで、さまざまな8冊です。
こうして並べてみると、『トム・ソーヤーの冒険』と『ガリヴァー旅行記』が、特になつかしく感じます。どちらも小学校高学年のときに読んだ本で、今よりも幼かった私の人格にとても大きな影響を与えました。当時の私は、今よりも本を読むことが好きで、日々、本から得られる新たな発見や、自分では体験できない、物語の中で起きる出来事に心を踊らせていました。高校生になってから読んだ『即興詩人』や、途中までしか読めなかった『神曲』も入れました。『即興詩人』は、読み終わった時の幸福感を今でも鮮明におぼえています。とてもいいお話なので、ぜひ読んでみてください。ほんとうに読んでみてください。
この本だなは、自宅の本だなにかざり、『神曲』へのリベンジを忘れないためのリマインダーとして使いたいです。
みなさんの家にある本棚には、どんな素敵な本が並んでいるのでしょうか。
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