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【選挙】国民議会の決選投票が迫る!フランスという国について

明日、2024年7月7日はフランスの選挙。
日本の衆議院にあたる「国民議会」の議員を国民が投票で選出します。

先月の欧州議会の結果を受けて、フランスではマクロン大統領が国民議会を解散し、国民に信を問いかけた結果の明日の投票です。

「なんかよく分からない」
そう思う方も多いと思います。明日は日本でも東京都知事選の投票日ですね。
「選挙って面白い」と思えると政治も面白くなっていくと思います。今回はフランスの選挙に合わせて、政治の仕組みや現状などを書いていきます。

フランスの政治の仕組み

フランスは「半大統領制」と言われています。
これは「大統領制」と「議院内閣制」の両方の要素を有していることを指します。

大統領制とは、国民が選んだ大統領が国家元首となり、行政のリーダーとして強い権限を持つ傾向にあります。特に首相の居ない国ではアメリカのように大統領の力が強いです。

議員内閣制とは、国民が選んだ議員の中から間接的に首相が選ばれ内閣を形成します。行政権を有する内閣は、立法権を有する議会の承認を得た上でその権利を行使することが出来ます。

フランスでは、国民が選挙で「大統領」と「議員」の両方を直接選びます。上記の2つの制度の特徴があるため、大統領と首相は共に力を持っており具体的な役割は分担されています。例えば、外交問題は大統領、国内の問題は首相、という具合です。

大統領は、首相の任命権や議会の解散権を持っているため、実際には大統領の方が強い力を持っていると言えます。先述のマクロン大統領が国民議会を解散したというのも、その権利を行使したということです。

移民政策の背景と現状

フランスと言えば、エッフェル塔やルーブル美術館など多くの文化財があったり、世界で最初に人権宣言が行われた歴史があったり、様々なイメージがあると思います。

数あるイメージの中で、フランスは移民を多く受け入れることでも良く知られていると思います。そしてこの積極的な移民受け入れ政策が大きな問題となっています。
代表的なのが「郊外問題」

フランスに来た移民やその二世や三世は、見た目・宗教・言語などの違いから、差別されることも多く、相対的に貧しくなります。
そして、彼らが多く住む「郊外」では貧困率や失業率が高く、治安の悪い地区として有名になっていることから「郊外問題」と呼ばれ、フランスの社会問題となっています。

なぜフランスで移民がここまで増えたのか?
大きな理由の1つが、労働力不足を解消するために新しい働き手として移民を受け入れた、というものです。

2020年時点で800万人を越えるフランスの移民人口ですが、増え始めたのは1960~70年頃の経済成長の時代で、2000年以降にも人手不足の背景から再び右肩上がりで増加しています。

先月の欧州議会で議席数を伸ばし、今回の国民議会選挙でも優勢と見られる「国民連合」という政党は最大野党であり、反移民の政策を掲げています。具体的には国籍取得の際の出生地主義の撤廃や、国が医療費を負担する外国人向け医療サービス適用の厳格化などがあります。

反移民の政党がここまで支持されるほど、移民を取り巻く問題が深刻になっていると見えます。人手不足を解消するための移民政策にはメリットデメリットがあり、日本はフランスから学べることは多そうです。

世界的に保守とナショナリズムが進んでいくのか?

「自国の安全と利益が1番である」
国民を第一に考えてより良い国を築くことが、国のリーダーには期待されると思います。実際そうあるべきです。

ただ自国を良くするためなら何をしてもいいのか?と問われたら、どうでしょうか。
何事においても「バランス」と「相手視点」は非常に重要なのではないかと思います

右翼や左翼が何かは調べていただければと思いますが、近年は世界で極右の政党が支持を伸ばす傾向にあり、トランプ大統領の当選くらいから、保守とナショナリズムが進んでいるのではないかと感じます。

いわゆる「分断」ですが、揺れる世界情勢の中で各国はどこまで自国中心になり、どこまで人権や平等の下に政策を進めるのか、「バランス」は国ごとに難しい側面があると思います。
その上で、「相手視点」を忘れてはいけないだろう、というのが人同士でも国家同士でも共通する考え方であり、重要視して欲しいと思います。

以上、国民議会の決選投票が迫る!フランスという国について、でした。
ありがとうございました!

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