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【北朝鮮】キムイルソンと金日成

北朝鮮の正式な国名は、「朝鮮民主主義人民共和国」。民主や人民が国名に付いている国は、その名前に反して独裁政治であることが多いですが、北朝鮮も例外ではないと思います。

ミサイル発射の度に日本にも緊張感が走りますが、その北朝鮮の誕生と日本との関係性について歴史を振り返っていきます。

大日本帝国の支配

現在は北朝鮮と韓国の2つに別れていますが、元は1つの国です。17世紀半ばから朝鮮は清に服属していましたが1895年の日清戦争で清が敗れたことで独立し、1897年に大韓帝国と改称しました。

そして1910年に日本が韓国併合を行います。1945年に第二次世界大戦で日本が敗戦するまで朝鮮半島を植民地として支配しました。この36年間は、「日帝三十六年」という言葉があるように朝鮮半島の人々には根深い思いがあります。

当時の日本の目的としては、ロシアの南下政策で朝鮮半島から攻め込まれるのを防ぐために先に占領して、自国の安全を確保する狙いがありました。

建国神話

日本の敗戦によって、朝鮮半島は独立への道を歩み始めていましたが、冷戦下のソ連とアメリカの社会主義と資本主義の対立から、朝鮮半島は緩衝地帯として北と南に分断されます。北緯38度線です。

ソ連によって、金日成をトップとした北朝鮮という国が出来ます。金日成の本名は、金成桂(キムソンジュ)です。日本の朝鮮半島支配の時代に抗日運動の英雄「キムイルソン将軍」がいたという伝説がありました。金成桂は伝説のキムイルソンの名前を使って、自分が金日成であるとしました。

日本の敗戦と、ソ連のお膳立てで北朝鮮のトップになった感覚があった金日成は、自分自身で国を作ったのだという建国神話を必要としました。その結果、反対勢力の排除と歴史の捏造を続けて次第に個人崇拝されるようになっていきました。

独裁の怖さは他人事じゃない

北朝鮮は世界でも有数の工業国としてスタートします。ただ、食糧生産に課題がありました。

食料不足を解消するために金日成の一声で、山の木を切り倒してトウモロコシの段々畑を作る政策を行った結果、畑は上手くいかず加えて山の保水力が無くなったことで川は氾濫し、港の海底に土砂が溜まるようになる。負の連鎖で食糧難のサイクルに陥ってしまいます。

独裁は恐ろしいと思えるエピソードですが、日本でも企業でカリスマ経営者が居なくなった後、自走出来ない状態になってしまうことがあるので、他人事ではなく学ぶことがあるように思います。

そして重要なことは、日本の支配が大いに関係していること、その歴史を知らずに北朝鮮を語ることは出来ないのではないか、ということです。
「内在的論理」という、相手を知って相手の立場で考える事が日本と北朝鮮の関係性においても大切だと思います。

以上、キムイルソンと金日成、についてでした。
ありがとうございました!

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