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【学び】米中の囲碁板〜プレイヤーは2人なのか〜

アメリカと中国はそれぞれ、GDP世界1位と2位の国であり、片や資本主義で民主主義、片や共産主義(?)で事実上の一党独裁。

両国の貿易摩擦が加速する中で、日本を始め世界各国がそのポジショニングに悩まされているかと思います。世界は今、米中それぞれの陣営に分裂する新冷戦であるとの見方がある一方で、2分裂ではないとする見方もあることについて、書いていこうと思います。

世界規模の囲碁を打っている

アメリカと中国が他国への影響力を競っていく様は、囲碁を打っている様に似ています。

アメリカも中国も経済的に多くの他国が両国に依存ているため、1つ1つのアクションが重なることで後に大きな影響力を生むことになります。

アメリカは中国を包囲するために、カナダやEUや日本などに呼びかけたり、米・日・印・豪でクアッドを作ったりなどしています。

一方で中国はその人口の数に比例される食糧を武器に、中国に依存している国を牽制したり、発展途上国に融資することで味方に付けたり返済出来なくなった国の港を抑えたりなど、お互いが布石を打ち合っているように見えます。

中国に代表される「数の力」

中国の人口は14.12億人。ひとりっ子政策のもとで生まれた2人目以降の子どもの中で戸籍登録されていない層が居たりなど、実際はもっと多いと言われています。

人口が多いということは、それだけ食糧が必要ということであり、食糧の輸出先として中国は巨大な市場です。ノルウェーならサーモン、フィリピンならバナナ、オーストラリアは牛肉、台湾はパイナップルなど、各国の特産品は自然と多く輸入してくれる中国に依存していきます。

一度依存してしまえば、ある日突然中国に輸入を止めますと言われると輸出国は大きな経済的打撃を受けてしまいます。中国の場合は法律の上に共産党が存在するために、人権や政治を巡った衝突が中国国内の企業の方針にも100パーセント影響されます。

変に中国や共産党を刺激すると、自国が打撃を受けかねないので、あまり強気に出れない国が多く存在しているのが現状です。
数は力なり、ですね。

世界は二分裂ではなく、各国が両陣営を使って成長していく

そんなアメリカと中国の動向に翻弄される世界ですが、それだけでは無いようです。

例えば、インド。安全保障面では日米豪との枠組み「Quad」に参加しています。理由は中国との国境紛争を抱えているためです。
一方でウクライナ侵略を巡っては西側諸国の対ロシア制裁には加わらず、割安なロシア産原油の輸入を続けています。

このように、アメリカと中国どちらか一方に付くという訳では無く、自国の安全や成長のために上手く両陣営を使っていく、という国がグローバルサウスを含めて増えています。

従って、2つの陣営で競争していく世界というよりは、世界各国が両陣営から利益を引き出して成長していく世界とする方が適しているのかと思います。経済大国に翻弄されつつも、それぞれがプレイヤーとして参加し第三者として行動する動きが今後も大きくなっていくのかもしれません。

以上、米中の囲碁板〜プレイヤーは2人なのか〜、についてでした。
ありがとうございました!

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