色々と考えるキャロン

平成生まれ。犬神サアカス團を推していた元ベース弾き。児童英会話教室の講師、重工メーカー…

色々と考えるキャロン

平成生まれ。犬神サアカス團を推していた元ベース弾き。児童英会話教室の講師、重工メーカー調達部などの職歴を経て結婚、出産。好きな作家は寺山修司氏です。 ※実体験を書く際の登場人物は全て仮名です。

最近の記事

妹の色恋沙汰 その2

以下の拙筆にて、お恥ずかしくも我が妹の恋愛について言及したのだが、最近その馬鹿らしさが更新されたことが実家の母からの報告で分かったため書き記したい。 先日母に会った時、妹の近況を聞いてみた。 母は「彼氏ができてから、あの娘の性格が少し穏やかになった。まだまだ内弁慶で甘ったれているし、彼氏にも思うところはあるが、交際を経て彼女の精神面が成熟していっているのであればそれは良いことなので、親としては静観したい」というようなことを述べていた。 私と母は比較的、考え方が合う方なのだ

    • 子供嫌いの妊娠

      私は子供というものが好きではない。むしろ嫌いである。子供を欲しいと思ったこともない。 結婚し、我が子を妊娠している今もなお、である。 とは言え、産みたくないと思っているわけでも、望まない妊娠をしたわけでも決してない。 こんな言い方をすると、流行りの「子持ち様」界隈から叱られるかもしれないが、子供の多い休日のショッピングモールやファミリーレストランは、躾のなっていないチンパンジーの巣窟だと考えている。 奴らは店内で好き放題暴れ回り、「アンパンマンカートに乗りたい」だのと奇

      • 性別を明かさない我が子

        妊娠七ヶ月目に突入した私であるが、妊婦健診での我が子は依然として、性別どころか顔さえ見せようとしない。 普段は昼夜構わずドコドコと人の腹の中で暴れ回っているくせに、いざ主治医がカメラを当てると借りてきた猫のように大人しくなり、毎回決まって両腕で顔を隠すポーズを取る。 夫も私も、もう此奴は顔も性別も我々に明かす気がないのだと諦めていた。人見知りで恥ずかしがり屋なのだろうか。だとすれば生まれる前から、夫のDNAを色濃く受け継いでいる。 我々夫婦はどちらかといえば、女の子を望んで

        • 甥のYouTube依存

          子供がスマートフォンを持つ年齢が如実に下がってきていることは周知の事実である。それに伴い、子供の「スマホ依存」「YouTube依存」が深刻な問題になっていることも看過できない。 電車の中やファミリーレストランでの食事中にも、まだ歩けもしないような年齢の子にスマホで動画を見せている親が散見される。 大人しくさせたい気持ちも、すんなり食事を摂ってほしい気持ちも分からないでもないが、本当にそのスマホは必要なのであろうか。はたまた、このようや疑問は子育て未経験の青二才の綺麗事であろう

          とあるクラスメイトの大罪

          産婦人科病院へ定期健診に行くと、待合室で赤ちゃんの姿を見かけることがある。 私は他人の子供など微塵も可愛いと思うタイプではなく、むしろ疎ましく思うことの方が殆どであるが、生まれたばかりの赤ちゃんはやはり可愛い。 こっそり赤ちゃんに癒された後は助産師さんから指導があり、ありがたいアドバイスを受ける。 そんな病院からの帰りの道中、高校の頃、助産師になりたいと言っていたクラスメイトがいたことをふと思い出した。 クラスでも特段目立つタイプではなかったが、たまに話をすれば気さくな感じ

          とあるクラスメイトの大罪

          妹の色恋沙汰

          最近、妹に彼氏ができたという。 出会いはマッチングアプリだ。妹はそんな流行りモノに登録するタイプだっただろうかと思って尋ねてみたら、「友達に強引に登録された」と言っていた。本意ではなかったというような口ぶりであったが、その場で止めなかったのだから、そこそこ乗り気だったであろうことが窺える。 妹は内心ウッキウキな様子で、彼氏のスペックについて語り始めた。年齢は妹より一歳上の理系男子で、国立大学の大学院まで出ているとのこと。年収もそこそこある。そのアプリは結婚を真剣に考えている

          妊婦になった

          夫との間に子を授かったことが分かったのは、去年のクリスマスの少し前のことである。 赤ん坊というのは不思議なものだ。 妊娠が分かった時期はまだ顔も形も分からないただの細胞のくせに、その存在を皆が心から嬉しそうに喜ぶ。 私もこのようにして、生まれる前から既に色んな人から歓迎され、待ち望まれてこの世に産み落とされたのであろうか。そう考えると非常に感慨深いのと同時に、あまり徳を積むことなく大した大人になれなかったことをやや心苦しく思う。 私としても、此度の妊娠は嬉しくないというわ

          恐ろしき無教養者

          夫は超がつく程の田舎の出身である。もうほぼ山である。 ご近所付き合いが希薄な都会とは違い、人間同士の結びつきが強い故、夫も多数の人と長年の付き合いがある。 そのような環境のには、そんな一つのコミュニティから出たことのない世間知らずもいるものだ。 私と夫の入籍が決まって間もない頃、夫の地元の友人とやらが、そのお祝いをしたいと申し出た。 私はその心遣いを非常にありがたく思い、夫と共に彼の元へ赴いた。 その夫の友人は極普通の男性であったが、清潔感のない茶髪に終始ヘラヘラとした様

          幸せの奴隷

          世の中には、自分にとっての「幸せ」を履き違えている者もいる。 友人Uは生粋の依存体質である。 Uは別に尻軽というわけではないのだが、いつも男を追いかけては泣き、また追いかけては振られて泣く、の愚行を繰り返していた。 Uに先述のような負の性質の片鱗が見られ始めたのは、高校の時である。 隣のクラスの男子に一目惚れをし、ろくに話したこともないのに告白して呆気なく振られた。 惚れた理由は「俳優の市原隼人に似ていたから」という、薄っぺらいものであった。 一度振られても諦めきれない

          強がる独身者についての分析

          ※はじめに、この書き物には、全ての独身の方々を一括りにして揶揄する意図は決してないということを、ここに明記させて頂きたい。 ◆◇◆ 昨今「結婚しない人」と「結婚できない人」の違いについて、多様な議論がなされている。 独身者の多くは、後者にカテゴライズされることを非常に厭忌しているらしい。 結婚願望のある人々が、些細なことにもデリケートになってしまうことは理解できる。婚活中の焦燥感や自己嫌悪感。様々な感情と対峙していることであろう。 しかし、一部の「自ら独身の道を選んだ

          強がる独身者についての分析

          卒業や結婚は「今生の別れ」ではない

          「私は泣いたことがない」と言うと井上陽水氏の名曲のようになるが、私は喜びや名残惜しさ、悔しさなどで涙を流した経験があまりない。 喜びも悔しさも、一つ一つの感情としてはその時々で胸の中にあったが、泣くほどまでに至らないタイプなのだ。その中でも特に、「名残を惜しむ」という感情に関しては、ほぼ完全に欠落している。 大切なペットが亡くなったなどの悲しい出来事があったり、映画などに感動した時は構わず号泣する。特に、大山のぶ代氏時代のドラえもんの映画「おばあちゃんの思い出」と、阿部寛氏

          卒業や結婚は「今生の別れ」ではない

          親友だったナナコ

          中学校へ入学して美術部に入った。 美術部と言っても、真面目にデッサンや造形などに精を出す者は一人もいなかった。私もそのうちの一人である。 顧問の先生もろくに顔を出さぬ美術室で週に二回、友達とおしゃべりしながらスケッチブックに落書きをする、のんべんだらりとした空間であった。 そこでナナコと出会った。 当時の彼女は級友らの間ではクールなキャラクターというような位置付けだったように思うが、我々はすぐに打ち解けた。アニメ「あたしンち」に登場する「しみちゃん」にやや近い人物像である。

          戦争を教えてくれた先生

          「日本人なら一度は、広島に行きなさい」 「日本人なら必ず、一度は原爆ドームを見なさい」──── そう教えてくれたのは、小学四年生の時の担任の宇野先生である。 宇野先生は40〜50代の男の先生で、理科の担当だったこともあり、生物や科学に関する面白い話をいつも私達に聞かせてくれた。 勿論、教師として厳しい一面を見せることもあったが、いつもひょうきんで優しい宇野先生が私も皆も大好きであった。 そんな宇野先生は太平洋戦争についてもよく話してくれた。 開戦のきっかけとなった「ニイタ

          戦争を教えてくれた先生

          平成生まれのワイが、平成の不倫泥沼系ドラマをレビューしたる

          私は平成生まれなのだが、小学生から高校生にかけての間、大人の泥沼、つまり不倫系のドラマを実に好んでよく見ていた。高校生になれば物心もついているのでともかく、小学校時代はクラスメイトの間で大流行していた「花より男子」などの若年層向けドラマには目もくれなかった。幼い私に一体何があったのだろうか。 大人になり、もう一度観ることができたものもあったので、面白かったものを私なりの見解も交えて皆さんにご紹介したい。 ※以下、一部敬称略 不信のとき 〜ウーマン・ウォーズ〜 (2006年

          平成生まれのワイが、平成の不倫泥沼系ドラマをレビューしたる

          有名俳優がやってきた

          私は某私立大学の短期大学部の学生であったが、四年制の学部と併設のキャンパスであった為、そちらの先輩方に非常に仲良くしてもらっていた。 仮名とさせて頂くが、特にミホさん、サチコさんという先輩とは気の置けない間柄であった。 ミホさんは関東出身の小柄な元バンギャルで、どこかスナックのおばちゃんママのような物言いをする面白い人であった。サチコさんは背の高い生粋の関西人という感じで、いつも面白いことを探しては爆笑していた。 ある日、サチコさんが「俳優のMさんがうちの大学に来る」と目

          有名俳優がやってきた

          恐山への一人旅

          青森県の下北半島に恐山という霊山がある。比叡山、高野山と並び、日本三大霊山と呼ばれる山の一つだ。 
昔から「人は死んだらお山さ帰る」と言われ、あの世の者が集まるとされている霊山である。 「アングラ演劇の四天王」のうちの一人と言われる青森出身の作家・寺山修司氏が1974年に手がけた「田園に死す」という映画を観たことがきっかけとなり、私はこの不思議な場所に魅せられたのである。 「恐山に転がる石の一つ一つに魂が宿っているから、拾って持ち帰ってはいけない」「一度行けば憑かれるので