記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

キングダム考察782話 番吾の戦いのもう一つの結果予想:「王翦軍」は勝てない戦から撤退する

【考察その20】

本誌ネタバレ・史実ネタバレ両方含んでおります。


私なりの番吾の戦い結末予想、というか完全な私の妄想(笑)は
以前記事↑にしておりました。

これ、表題パワーなんですかね、
すごくアクセス数いい(当サイト比)んですよ。

長いんでどれほどの方が
最後まで読んでいただいているかは分かりませんが、
もし読んでくださった方がまたここにいらっしゃいましたら
本当に感謝です。


で、今回の考察ですが、表題だけ見ると上記の考案と似ているんですが
これはもっとシンプル?な結末になるんじゃないか、と言う考察です。


一言で違いを並べると、
前者は「番吾とその後の戦いと、2ウェーブと捉えた前半の情報操作戦」、
後者(今回)は「この戦い自体を撤退する」
と言う感じです。


以後記載する考察は、特に途中から壮大な妄想になっていきます。
多くの方が途中で読むのを止めるのではと想像しています。
それでも構わないと思う方はぜひ、
最後までお付き合いいただければと思います。


考察:王翦は秦国のダークヒーローではない


本編のリアルタイム考察のおまけ的に書いた
「王翦と楊端和の確執」考察ですが、お読みになった皆様、
私密かに王翦をディスっていたことにお気づきだったでしょうか。

私、上記の考察で、オブラートに包んで
王翦は楊端和に対してネチネチ嫌がらせしている、と書いてます。


以下この記事は
王翦自身の小物ぶりが番吾の戦いの敗走に結びついた
と言う流れで書いていくつもりです。
覚悟してください(汗)。


もちろん王翦は鄴の戦いの秦軍勝利を導き出した、
戦術眼で見れば紛れもない名将です。
信ほか若い武将を積極的に登用してくれる、
ダークヒーロー的な扱いで今まで来ていました。
私自身も完全にそのような目線で今まで考察を書いてきております。


ですが楊端和確執考察を書いているときに、思ったんですよ。

私たちはもっと本質的なことを忘れてたんじゃないかな、と言うことを。


あ、ちなみに、たとえ味方でも、
武将が自身の功績のために別の武将の足を引っ張ることは、
この時代だったら特別ではなくむしろ全然フツーなことだと
言うことは認識してます。

かなり初期になりますが、一連の魏との山陽戦の最初・高狼城攻め時、
玉鳳(王賁)が井闌車を持ち出し城壁を攻略・開門に成功したところを
楽華(蒙恬)が先頭で押し入り、結果的に楽華隊が城を落としました。
(18巻137ページ)

蒙恬は勝者の余裕で「一つ借りが出来た」とは言いましたが、
王賁は「問題はむしろ奴らに先を越された我らだ」(139ページ)と
反省を述べてました。

彼らは幼い頃から戦術について当時の英才教育を受けてきており、
他将・他軍を出し抜くことはむしろ当然のように認識しているのでしょう。

むしろ我流で突っ走ってきた信の方が、彼らから
「ちんけな誇りなんて持ち合わせてねぇのが俺らの誇りだ!」
(18巻195ページ)
と学んだところはあるようですが、基本的に正攻法を好んでおり、
鄴攻め時の敗戦の責で趙側で粛清されつつある李牧を憂いる信に対して
蒙恬が
「妙な情に浸って(趙を攻める)流れに乗り遅れるな」(59巻173ページ)
と苦言を呈していました。


話を戻します。

そんな背景を差し引いても、やっぱり楊端和に対するネチネチさは
小物感たっぷりだったと思っています。


山陽戦を振り返ってみます。

山陽戦は蒙驁本陣の中央軍が守りに徹し、
それを囲むように桓騎軍・王翦軍がそれぞれ両翼の主攻として
敵本陣を攻める作戦でした。(21巻174ページ)

ですが廉頗の突然の出現もあったのですが、
王翦が主攻の役割を放棄し、勝手に山間に巨大城を築き(96ページ)、
山の中に立て篭もることとなりました。

これが蒙驁本陣への廉頗急襲を引き起こし、
蒙驁を死の危機に晒したのでした。

結果的に魏本陣が落ちた後、
廉頗の立て直しを許さず山陽戦勝利を導いたのは、
確かにまぁこの時の王翦の存在ではあったんですけどね。


廉頗は王翦について
「王翦の姿がふと白起(旧六将)を思い出させた」(94ページ)
との評価はしたものの、本質について

「大きく歪んでおる」(112〜113ページ)
「己を第一とする武将は”信”が置けぬ」
いかに戦が強かろうとそれでは人も貴様を英雄と認めぬ
「貴様は儂らとは違う道に立っている」

と評価し、王翦とは戦う気力を削いでしまってました。

この時点では秦の「副将」にすぎない王翦に対し、
王騎と肩を並べる大物・廉頗が、
丸々1ページをネチっこい悪口で埋めるのには笑何か意味があったのかな、
と穿って見てしまいました。

この「廉頗に勝てなかった」「廉頗に見限られた」は
実は盛大なフラグ
のように思えます。


王翦が「不敗」には違いないものの、
負けを認めているのはいままで多分この戦いくらいで、
ジャンプのヒーローストーリーの王道を目指しているキングダム的に、
王翦のこのフラグを回収しないまま常勝させていくのは
あり得ないのかも、とも思えてきました。


考察:番吾の戦いの趙側戦況予想


一旦まずは、李牧側の目線を予測しておきます。

上記の考察の内容を再び書きますが、
772話で李牧は「秦が以降大軍を興せぬほどの深刻な打撃」
を与えるつもりと述べており、よって六将桓騎軍を滅したように、
王翦・楊端和両軍も滅するつもりで番吾の戦いに臨んでいるはずです。


李牧はかなり初期から王翦のことを知っていました。
合従軍時、燕のオルドに「勝てぬ戦はしないと言う性分」
と助言しておりました。(28巻199ページ)

この戦いにおいても、勝てないと思われる戦況になったら、
王翦軍は早々に撤退する
と李牧は見込んでいるはずです。

そのため、李牧は「王翦を撤退させない」戦法を取ってくると想像します。


もし開戦早々、主要な将を複数早々に退場させてしまうと、
王翦は軍の打撃が少ないうちに本軍の撤退を決めてしまう
可能性が高いです。

ただあわよくば李牧は亜光は討とうとしていましたが、
亜光兵の特徴が朱海平原での麻鉱兵と似ているので、
こいつならまぁいいかと思ったのかも知れません。
(適当ですみません苦笑)


そのため、現場の将をなるべく温存したまま早々に王翦を討つのが
司馬尚のミッションなのでしょう。
田里弥を討てる状況だったのに討たなかったのはその表れに思いました。

司馬尚がジ・アガに「大丈夫か?」と声がけし、
ジ・アガも「大丈夫です」と答えたのは、
「作戦遂行は大丈夫か」「作戦は大丈夫です」と言う意味で、
「将を討っていないか」「討っていません」な意味にも捉えられます。

・・・深読みしすぎですね、ハイ(苦笑)。
ですがこのやり取りのためだけに1ページ半も使っているのは、
きっとこのやり取りに重要な意味がある現れなのは確かでしょう。


王翦直下の将は忠義に厚い者揃いであり、
馬陽戦での王騎軍のそれ(16巻174ページ)と同様に、
仇を討とうと全滅覚悟で臨んでくるはずでしょう。
その状態を李牧は望んでいると思われます。

結果論的に、王翦はこの戦いでは死にませんし、
王翦軍の主要な将も、
その流れでこの戦で死ぬ者はいないと私は思っています。


でも李牧は自軍の消耗も悪しきと考えている傾向があるので
王翦を討てれば趙軍側を全退却させることもあり得そうです。


考察:番吾の戦いの秦(王翦)側戦況予想


個人的には是非また、李牧と対峙してスカウトして欲しいのですが。。。
今の状況ではなかなかその展開は厳しいですね。

この流れからすると、もしかするとスカウトするのは李牧ではなく
司馬尚を王翦はスカウトするかもしません。


そのスカウトが断られたのちか、王翦本軍が危機に瀕した際、
王翦本軍だけが全撤退すると想定しました。


「本軍だけ」です。


王翦は、山陽戦で廉頗と対峙する前、
壁の隊を囮とし(24ページ)姜燕を呼び寄せ、
その結果廉頗に嵌められるのですが、その際の退却時にかの名言の

「私は絶対に勝つ戦以外興味ない」(89ページ)

が発せられるのですが、その撤退の前にも

「こちらの主軸が削られぬことだけ注意せよ」(87ページ)


と、あくまでも自軍のみを気にする描写でした。


自軍を憂い、
楊端和軍・飛信隊・北東部軍、そして玉鳳も置き去りとするでしょう。
番吾の「多大なる犠牲」はこの4軍が負うものとなると思われます。

ただ玉鳳置き去りは・・・微妙かな。
王翦と王賁の確執は解決していないけど
王賁には後継ぎが生まれたし、嫡孫目当てで救うかもとも考えられるかも。

よくよく考えると、王翦にとってこの4軍は
「置き去りにしても構わない」メンツのように思えるんですよね。
楽華(蒙恬)は自身が幹部にスカウトした分、
王翦的に結構お気に入りだったでしょうし。


王翦は戦線を離脱するので、彼の常勝には傷はつきません。

↑記事リンク先真ん中の考察で、
秦軍の総数が情報操作されているようだと述べておりました。


この隠された軍兵のほとんどは、恐らく王翦軍本軍所属であり、

宜安ではなく番吾攻めへの変更は、自身の退路について
番吾の方が都合が良い配置が出来たからであって、

退路と思われる要地で群をなして軍兵が王翦を待っており、

王翦を安地まで誘導しつつ、
掃討戦に全力で臨む算段なのではないでしょうか。


過去にも王翦は、
自らの軍を開戦前から一定の場所に隠す戦法を好んで使っていました。

山陽戦では、姜燕を誘き寄せたとき、その誘導した場所へ
戦の前から崖上に兵を忍ばせていた」(21巻70ページ)とのことでした。

そして合従軍の函谷関の戦いでも、
オルドの背を討つ配置に開戦前から兵を配置していました。
(29巻11ページ)


そうして安地に退去した後、
王翦はもしかするとこのタイミングで自分の国を興すかもしれません。


その根拠は、776話で亜光が死地に足を踏み入れた時、
国を作る王翦についていくことを決めた過去を回想
しちゃっている描写があったことでした。

こういう回想は今まで、
殉死される方特有のサービス(笑)だと思ってましたので
これが目に入った瞬間、亜光とお別れする覚悟を決めたものでした。

ですがどうでしょう、見事生還しておられるじゃないですか。

これは王翦が「自分の国を興す」フラグじゃないかなと
ここで思ったわけです。


なので当初、田里弥や倉央も、同様の回想があると思っていたんです。
でも現在までそれが叶わなかったので、
この考察も少しフライングかと思いましたが、このタイミング
(田里弥が討たれてない?よね苦笑&司馬尚が王翦を討ちに行きそう)
でこの考察を公開した流れです。


考察:王翦が再び秦将として趙を攻めるまでの3年の空白期間


この長いんだか短いんだかわからない3年と言う空白。
以前の考察のように、2ウェーブの後半としては
前半から間が空きすぎです。

甚大なる犠牲をはらう番吾の戦いから軍力を復活させるためには
このくらいは必要なんでしょうが、
じゃこの間将たちは何をしているか?、と言うことが
以前の考察では盲点でした。


そう言う意味では、
王翦が実際に国を興し、六将を剥奪され秦国から一時離脱、
そして再び秦の大将軍として趙を攻める、
・・・というイベントがあるならば、ドラマティックだし、
かつ史実に見合った時間を稼げそうかな、と思ったのでした。
(なんかひどいな爆)


自分の国を治める経験をもって初めて秦国が中華統一をする意味を
王翦が見出せる流れ
も自然のように思います。


そして王翦が再び秦国大将として復帰するにあたり、
秦国民でない山の民の死王・楊端和、
似たような境遇であるはずの彼女との和解

イベントとしては丁度いいような気がします。


和解した王翦と楊端和が、秦国の将として趙を攻める。
そして趙を滅亡させる。

・・・とするならば、はて、じゃ、
後一人の将・羌瘣はどうやって絡めましょうかね?。

純粋な秦将が必要だから入っている的な、
モブ将のような扱いは考えられんし。
一応ヒロインやぞ。


こう言う時にやっぱり役に立ってくれよ、王賁くん。

そうだ王賁、君が羌瘣の咬ませ犬になるんだ。

そんでもってその後ぜひとーちゃんと和解してくれ。
たのんますぜ。期待しとるぜ。


終わりに


考察は以上です。
お付き合いいただき本当にありがとうございました。


考察もすっとんきょー過ぎると、かえって清々しいですね(笑)。
ですがしっかり、過去の伏線を追っていく形に出来ましたし、
自分的には綺麗にまとめられたので物凄い自己満です。
正直、以前行った考察よりも悔しいですが腹落ち感満載です(涙)。


今年最後の本編考察になりましたが、自分自身についても、
ヘボなりに形になる考察が書けるようになったかも、なんて自画自賛です。
(やめろ)


それにしてもこんな、同じ史実の中で、
全く異なる考察を許せる余白を作ってくれている作品って
すごいなぁと本当に感動です。

個人的にも全然当たってほしくない考察ではありますが、
万に一つ、これに近い流れに進んでしまうとしても、
きっと感動的に描いてくれることは物凄く期待しております。


2024年も本編の展開、引き続き楽しみに読んでいきたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?