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【旅】姫路城と魔人ブウ

はじめての姫路城は次男の叫びにより強制終了。

で、それから。

その日は何かしらの催しをしていた模様で、
チョコバナナやら焼き鳥やら唐揚げやら、
お城の付近にはたくさんの屋台が出店しており、
次男は好き放題それらを食い散らかした。

そいでもって食べ終わるとすぐ、
次に行きたい、
と指をさしたのは南の方角。

商店街である。

駅へと向かう方向でもあるので、
僕もその指示に従い歩を進めていくと、
彼の目が見開いた。

オットー!タコ焼き食べたい!

と。

で、
商店街に入ってすぐの場所にあるそのタコ焼き屋に突撃。
小ぢんまりとしたいい感じのお店である。

そして運ばれたタコ焼き(明石焼きだったかな?)を、
「あつい!うまい!」
と、10秒に5回ほど繰り返しつつ頬張る次男。

食べ終えるやいなや満足げな表情のまま彼はこうほざいた。

「クレーンゲームやりたい」

と。
それからはじまる商店街の中のゲーセン探し。

衣料品販売店のおばちゃん、スポーツ用品店の兄ちゃん、
ふれあう人すべてからゲーセン情報を収集した我々は、
なんとかそのひとつに突入した。

そこは、ウナギの寝床のように長細く、地盤の影響か、
途中で斜めっている緩やかなジャンプ台的な店内模様。

で、店内に突した次男の目はきらめき、とういか、飛び出し、
まるで無敵のマリオのようにキラキラと店内を暴れまくった。

「これやりたい!」

と10秒に30回は連射しまくり、そして、僕の財布は軽くなった。

期待と落胆を繰り返す遊び。

それが、クレーンゲーム。

取れそうだけど取れない。簡単に取れたら商売あがったり。

そんなこと百も承知で次男の無垢なる希望に付き合うこと数十分…。
100円玉がピョンピョン飛んでいく。

見かねた店員さんが、
タオルをリングに投げ込むがごとく、
驚きの勝ちゲー配置にブツをいじってくれて、
なんとか我々の変態プレイは終焉。

手に入れたのは魔人ブウのフィギア。

「姫路城と魔人ブウ、どっちが好き?」
と次男に訊くとやはり、
「ブウ!」と即答。

ドラゴンボールのストーリーすら知らんくせに。


鳥山明パワー!わかるー!


今でも時々、目を細めてこう彼はつぶやく。
姫路は最高だった…と。

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