樹堂骨董店へようこそ⑪
「パパ!やっぱり説明して!」
帰宅早々、那胡につめよられてイツキは困惑した。
「何をそんなに怒ってるんだ?」
イツキは仕事を終えて帰宅したばかりで、とにかく夕飯が食べたい。なのに、那胡がカレーの鍋を持ったまま動かない。
七緒はため息をつくと
「那胡、おじさんにご飯出しながらでもいいと思うよ?」
と那胡に促した。那胡は渋々カレーを皿によそう。先ほどのヒヤッとする体験の後、二階に女の子のオバケがいるという恐怖を感じながら二人で作ったカレーだ。あんなに強そうなオバケと共同生活してい