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$ミオチューブラー・ミオバチー 難病

 

$ミオチューブラー・ミオバチー 難病

$概念・定義 Introduction

生直後あるいは乳児期より、顔面を含む全身の筋緊張低下を主症状とする遺伝性筋疾患。骨格筋の病理組織学的特徴から、ネマリンミオパチー、セントラルコア病、マルチミニコア病、ミオチュブラーミオパチー、中心核ミオパチー、先天性筋線維タイプ不均等症、先天性全タイプ1線維ミオパチー、還元小体ミオパチーなどに分類される。

病因 Pathogenesis

原因遺伝子として、ACTA1, NEB, TPM2, TPM3, TNNT1, CFL2, KBTBD13, RYR1, SEPN1, MTM1, DMN2, BIN1, FHL1等が知られている。

臨床症状 Clinical manifestations

顔面筋を含む全身の筋緊張低下(フロッピーインファント)、高口蓋、呼吸障害、哺乳・嚥下障害、発育・発達の遅れ、関節拘縮、脊柱異常などを示す。新生児期より強い呼吸障害、哺乳障害を認め、乳児期早期に死亡する乳児重症型、乳児期より筋緊張低下、発育・発達の遅れなどを示すが、歩行を獲得し、非進行性もしくは緩序進行性の経過を示す良性先天型、ならびに成人発症型に分類できる。

診断 Diagnosis

診断手引きはこちら


$市川 沙央(いちかわ さおう、1979年 - )は、日本小説家である。

経歴

2012年平成24年)春学期に八洲学園大学へ特修生入学し、2013年4月から正科生となる。
2023年令和5年)に早稲田大学人間科学部eスクール人間環境科学科を卒業し、卒業論文「障害者表象と現実社会の相互影響について」で小野梓記念学術賞を受ける。
2023年に処女作『ハンチバック』が、第128回文學界新人賞と第169回芥川龍之介賞を受ける。

人物

筋疾患先天性ミオパチーにより症候性側弯症を罹患し、人工呼吸器と電動車椅子を常用する。神奈川県に在住する。

作品リスト

単行本[

  • 『ハンチバック』(2023年6月22日、文藝春秋、ISBN978-4163917122)

    • 「ハンチバック」-『文學界』2023年5月号

$ハンチバック

単行本 
市川 沙央 (著)

第169回芥川賞受賞。
選考会沸騰の大問題作!

「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」

井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。

出版社より

$STORY

井沢釈華の背骨は右肺を押しつぶす形で極度に湾曲し、歩道に靴底を引きずって歩くことをしなくなって、もうすぐ30年になる。

両親が終の棲家として遺したグループホームの、十畳ほどの部屋から釈華は、某有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく。

ところがある日、グループホームのヘルパー・田中に、Twitterのアカウントを知られていることが発覚し——。

$読者レビューから引用・編集
評価が分かれると思う。
確かに重度障がい者の芥川賞受賞は快挙。
もの言えぬ、手を挙げることの出来ない重度の障がい者の方が
初めて、芥川賞の扉を開けたことをお祝いしたい。
心からおめでとうございます。
こんなにも困難な生を生きている市川沙央さん。
あまり知られていない難病のミオチュプラー・ミオパチーで、
12歳から人工呼吸器を装着され、介護の必要な43歳の女性です。
題名の「ハンチバック」は露悪的に「せむし」と仰ってますが、
背骨が歪曲して肺を押し潰しているので常に呼吸することが困難で、
そのために人工呼吸器をつけている。
痰の吸引が頻繁に必要で、放置しておくと死に至るのですから、
本当に綱渡りの毎日で、(一応高齢ではありますが、自力呼吸の出来る私は、)
本当に大変だと思いますが、市川さんのご苦労の半分も理解してない。
でも市川さんは自分の手で痰の吸引をなさっている。

紙の本を憎む・・・市川さんは書いています。
ページをめくること、
本を持つこと、持つ姿勢を保つこと、
本の重さが背骨に負担をかけるそうです。
(私も紙の本が苦手になりつつあるので、よく分かります)

そして肝心の本の内容です。
オールドミスで処女の主人公の井沢釈迦は、
高級コールガールになりたい、
普通に妊娠して中絶がしてみたい、と、
不穏なことを呟きます。
両親が遺した介護付きグループホームで暮らす釈迦は、
自分のTwitterの呟きを偶然読んでいたヘルパーの山口に、
お金と引き換えに「初体験」を持ちかけられます。

性欲。
それは生存本能だと思います。
種を絶やさないために備え付けられた本能です。
これは今、健常者の若者でも結婚してSEXして子供を産む(持つ)ことが
非常に困難。
16歳から30歳位の時期にSEXの相手に恵まれる人は、幸運な部類に入る。
だから市川さんが特別に不幸なわけではない・・・
そのことを知っておいてほしい。

もう一つ「お金」の問題。
市川さんは、親御さんの財産があるため(本と違い存命です)
この点で、お金のない障がい者の方たちは、反感を持つかも知れません。
もっとギリギリの貧しさの中、周囲に親・兄弟に気兼ねして生きてる方も
多いのではないでしょうか?

それからとてもいい難いのですが、「ハンチバック」の文学的価値は
あまり高いとは思えませんでした。
医学的な価値・・・
その方が高いと思いました。
障がい者を代表する本。
とても個人的な事柄が描かれていますので、代表はしてないと思う。
市川さんに続く書き手がどんどん出てきて、もっと広い視野で書かれた
作品を強く望む。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2023/6/22)

  • 発売日 ‏ : ‎ 2023/6/22

  • 言語 ‏ : ‎ 日本語

  • 単行本 ‏ : ‎ 96ページ

  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4163917128

  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163917122

  • 寸法 ‏ : ‎ 12.6 x 1.4 x 19.5 cm


単行本未収録作品[編集]

  • 「市川沙央→←荒井裕樹往復書簡-世界にとっての異物になってやりたい」-『文學界』2023年8月号




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