海外文芸室

今度新しく海外文芸室というものを作ってみようと思っています。 学生数人で運用しています。

海外文芸室

今度新しく海外文芸室というものを作ってみようと思っています。 学生数人で運用しています。

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海外文芸室 はじまり

物語の言葉たち『白痴』第一部の最終盤、ナスターシャがムイシキンに伝えたこの別れの言葉が、この後ムイシキンをどれだけ動かし、読者の心をどれだけ揺さぶり、物語の結末に向かって頁をめくる手をどれだけ早めさせたでしょう。 第一部を読み終えた夜、頭の中でナスターシャのこのセリフが何度も勝手に再生され、その衝撃と興奮とでうまく寝付けなかったことをよく覚えています。 今年の5月ごろ話の流れで私がサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』と夏目漱石の『夢十夜』を話題に上げた時のことです。ある

    • 韓国文芸室 はじまり

      最終更新(2024.5.10) このnoteについて書き手 ハシビロコウ 地の文 ハシビロコウの初稿をもとに、ペンギンが加わって議論をしたものが土台となっている。韓国文芸室について。 引用 ① ハシビロコウとペンギンの対話の中で、地の文から浮き出てきたもの。もしくは対話の中で浮き上がってきたもの。 引用 ② note公開後(2024/5/4)、ウーパールーパー(メキシコサラマンダー)による断片の形式をとった問い合わせ。そしてそれへ応じる形でのハシビロコウとウー

      • インド小夜曲

        ハシビロコウ 初めましての方は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。 詳しいことはあとにして、まずは旅行記から。 『インド小夜曲』これ食べたあと指はどう? こうやってしゃぶるだけ。ガビルがやってみせる。 自分の指のかたちは、こんなだったろうか。口の中で関節の太さとマトンカレーの風味が混ざる。 友人が病院に行く間、ガビルの家でしばらく待つことになった。12月のオールドデリー、昼すぎのこの時間も、まだまだ暑い。家ではガビルの母、サンティアがカレーを用意して待っていて

        • 【開催報告】海外文芸室 第三回 (12/3)

          ペンギン 第3回を本郷のKYOSSラウンジにて行いました。暖房の効いた居心地よい場所で話をすると、心なしか話も弾むような気がします。学生の創作2作品を取り上げて、それについて話しました。  今日は、私が書いたものをみんなに読んでもらったのですが、みんなに解釈してもらうことで、自分でもよく分かっていなかった部分がすっきりしましたし、自分で気付いていなかった作品の側面に気付かされました。もちろん、素人の作品なので粗も多いのですが、そこも含めて楽しむことができたのではないかと思い

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        海外文芸室 はじまり

          【開催報告】 海外文芸室 第二回 (11/5)

          ペンギン  11月にも関わらず、随分と暖かい日々が続きますね。今日もご多分にもれず朝から心地よい天気。急遽予定を変えて、外のベンチで話すことに。日曜日の朝にわざわざ集まってくれた心強い仲間とともに、海外文芸室、記念すべき第二回目、スタートです。  今日扱った『赤の自伝』はなかなかのくせ者でした。何をとっかかりにしてよいものかさっぱり分かりません。物語のようでも神話のようでも詩のようでもある、この作品のメッセージは複雑怪奇にして読み解くことは困難(?)。まあ、無理はせず、次回に

          【開催報告】 海外文芸室 第二回 (11/5)

          【開催報告】海外文芸室 第一回 (9/24)

          ハシビロコウ 図書館のある一室で輪になって座る7人の話題は『五月 その他の短篇』です。スコットランド生まれの作家アリ・スミス。その12の短編から、この日は3つを取り上げました。『生きるということ』『五月』『スコットランドのラブソング』。それぞれのメンバーが、これらの同じ作品を読んできました。そうして共に語ることができることは。 『生きるということ』7人で話す中で、あることがわかってきました。登場人物の二人のそれぞれの性別、それぞれの生死について。それぞれのメンバーで、その

          【開催報告】海外文芸室 第一回 (9/24)

          #誰も読んだことのない文学作品を読む:2人の言葉

          ある学生の言葉:ペンギン最近、誰も読んだことのない文学作品を読みたいと思っています。そう、誰も読んだことのない文章。それも一人ではなく何人かで。 読むというのは、ある種の共同作業だと思います。著者と読者、登場人物、いろいろなアクターが互いに作用し合って、ひとつの世界を作り上げるという営みです。著者はいろいろな思いを乗せて文章を書きます。登場人物には命が生まれます。読者はさまざまなことに思いを馳せながら文章を読みます。そうして物語世界がどんどん豊かになっていく、素敵な循環だと

          #誰も読んだことのない文学作品を読む:2人の言葉

          バイロット版課題図書: 『五月 その他の短篇』 アリ・スミス

          海外文芸室パイロット版の課題図書をアリ・スミスの『五月 その他の短篇』にしてみようと思います。Kindleで原文も読めます。 また様子を見て日程を合わせられたらと思います。少し先ですが、九月ごろの予定です。 海外文芸室にこれから留まるかもしれない方もそうでないかもしれない方も、今回参加してみて色々と感想を教えていただけると嬉しいです。海外文芸室がどんなものになるのかなるといいのか一緒に考えてみたいです。 それでは。

          バイロット版課題図書: 『五月 その他の短篇』 アリ・スミス