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上司の使い道

上司はこっちが使われるだけ、と思ったら大間違い。

こっちも使わなくっちゃ。

ただし、「難しい交渉は上司に任せちゃおう」「上司に決めてもらおう」という意味ではありません。
実際に私がおこなった具体的な事例を挙げましょう。

大きな、かつ、難しい商談で「あとは価格で折り合いがつけば決まる」という段階までこぎつけたとき。
最初に提示する100という価格に対して、私に与えられていた余裕幅は20、つまり、80までなら私の裁量で譲って良いとされていました。
相手のお客様との交渉を続けた結果、83でまとまりそうな感触を得ました。
しかし、私はそこで「じゃ、それでいきましょう」とは言わず、「85ならこの場で決められますが、83となると私では決められないのでいったん持ち帰らせてください」とその日は決めずに下りました。
社へ戻って上司に経緯を報告し、「次回、一緒に行って83で決めてください」とお願いしました。
1週間後、上司とともにその客先へ出向き、上司の口から「83で」と言っていただき、商談が成立しました。

「こんな面倒なことをしなくても」「相手を騙すなんて」などと思われるかもしれませんね。
何故、私がこのようなことをしたのかというと、この83という数字に「重み」を持たせるためです。
具体的には、
・83という価格がこちらにとって難しく、大きな判断が必要だったと思わせる。それによって、将来、さらなる価格交渉を持ち出されたときに有利に進められるます。もし、私が簡単に83で決めてしまったら、相手に「もっと下げられる」と思われたことでしょう。
・難しい価格を私が社内で通してくれたと思ってもらえる。それによって「この営業は自分を大事にしてくれる」と、そのお客様から私の営業としての信頼を得ることができます。もちろん「お客様を大切にする」ことは事実ですが、それを強く感じていただけます。
・上司の気分が良くなり、「一杯行こう!」とご馳走になれる!(冗談です)

他にもいろいろな「使い道」があると思います。
しかし、すべての場合に共通して言えることは、決して上司に「丸投げ」ということではなく、お膳立ては自分で抜かりなくおこなった上で、「ここ」というときに上司を使うことでその仕事をより確実に完結したり、付随的な効果が期待できたりするということです。

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