上司Aの秘技

上司Aは人当たりが柔らかい男性である。
よく笑い、周りを和ませることが上手である。
また、仕事上、彼ならではの得意分野があり、周りからよく頼られている。

そんな彼には秘技がある。
誰にも真似できない技である。

それは何か。
「ものすごい早さで忘れる」ということだ。
人から言われたことを素早く忘れる。
大事なことも。私は仕事の待遇について一時間以上かけて交渉した内容を数日でまるっと忘れられていて驚いた。

そんな彼だから、上司や部下など周りの人をクレーマーとさせる。あれはどうなったの？と。
で、指摘された彼は焦っている。

なぜなのか。
観察してみて感じたこと。
彼は好きなのだ、自分のキャパシティを超えて仕事をかかえて必死にこなしている自分が。
なので彼ひとり忙しいと連呼し（みんなそれなりに忙しい）人から言われたこと、メールで連絡されたことを忘れまくる。
だからか…上司の立場でありながら、どこか自信なさげである。
当然かもしれないが、周りからも軽く扱われてるように見える。

私はといえば、彼への連絡は、何重にもする、タイミングを見極めるなどうまく付き合う秘技を身に付けつつある。