🌸noteはじめます🌸

こんにちは。るるゆみこと申します！

　2004年12月からアメリカで暮らしています。

　今回は、簡単な自己紹介と、noteでやってみたいことをお伝えしたいと思います。

【自己紹介】

渡米

　日本にいる頃から、R&B、SOUL、ブルース、ゴスペルが大好きで、ライブへ行くことが何よりも楽しみだった。
　コンサートやライブを観るために、毎年、夏にはアメリカを旅行した。
　そして、36歳のとき、
「残りの人生は、音楽が生活に溶け込んだ町で暮らしたい！！！」
　という、非常にシンプルな欲望を叶えるために、日本を飛び出した。

楽しいシカゴ生活

　渡米先はブルースの本拠地、シカゴだ。
　取得した学生ビザの有効期限は５年。
　ビザが切れる前に大学を卒業、就職、そして永住というプランだった。

　・・・けれども、世の中それほど甘くはない。

　まず英語でつまづいた。
　５年間で卒業できる気がしない。
　「学位を取りたい！」という目標がないので、モチベーションもあがらない。

　それでも、５年もあれば、別の方法が見つかるだろう。
　とりあえず、当初の夢を叶えるために、夜な夜なブルースクラブへ通い始めた。
　こちらのモチベーションは上がりっぱなしだ。

　楽しい～！！！

　毎日、生演奏が聞けることはもちろん、言葉が通じないことも実に楽しかった。
　36歳にもなって、ほとんどのことがスムーズにできない。
　幼児レベル、言葉が通じない点では、乳児と同じだ。
　日本で暮らしていたら、これほど困ることはなかった。
　偉ぶる要素は何もない。
　すべてがチャレンジで、毎日が充実していた。

恋に落ちる

　渡米から二カ月が過ぎた頃、いつものようにブルースクラブでショウを楽しみ、店を出ようとしたときだった。
　カウンターにもたれて立ち話をしている、長身の黒人男性と目が合った。
　その優しい目を見た瞬間・・・恋に落ちた。
　ひとめ惚れだ。
　もちろん、迷わず突撃した。　
　
　彼はミュージシャン、ベーシストだった。
　過去には、The Chi-Litesで演奏していたという。
　The Chi-Litesといえば、
「シカゴに来たら、是非生で見たい！」
　と思っていた、スウィートSOUL、R&Bバンドだ。
　1970年代前半に、数々のヒット曲がある。
　彼は、そのバンドで1980年代の数年間、演奏していたと言う。
　
　さらに、Jimmy Johnsonのベーシストでもあった。
　Jimmy Johnsonは、2022年１月に他界されたけれど、彼のステージを観たその日から、私は彼のバンドのファンになった。
　Jimmyのファンキーなブルース、かっこいいバンドのサウンドは、今でも忘れられない。
　ひとめ惚れの彼は、そのステージで、ベースを弾いていた。

　37歳、Falling Loveです。

同棲生活

　その後、彼は私のアパートへ頻繁に訪れるようになった。
　訪問のたびに、荷物が残されていくようになり、最後には、彼も帰らなくなった。
　どうやら彼は、間借りしていたお宅を脱出したかったようだ。

　こうして我々の同棲生活は始まった。

　ひとめ惚れの彼と同棲である。
　ウキウキ、ドキドキ、華やかな気分になると思いきや、そんなことは一切ない。
　ミュージシャンの彼は、夜の９時頃から出勤、朝の６時頃に帰宅する。
　それに対し、私は朝の８時頃から学校へ行き、帰宅するのは、ライブを楽しんだ後、午前４時頃だった。　　
　話をするチャンスはほとんどなかった。
　英語で会話をする実力がなかったので、大差はない。
　一緒にご飯を食べるわけでも、デートをするわけでもない。
　
　要するに、愛がなかった。

　女の私から飛びかかったのだ。
　彼に断る理由はない。
　愛などあるはずもない。

　彼は周囲の人に、私のことを、”ルームメイト”と言っていたらしい。
　実に適格な表現だ。

　愛がないなら別れれば？と思わないでもない。
　しかし、そもそも付き合っていないので、別れ話にも発展しない。
　
　互いに嫌いな相手でもなかったのだろう。
　我々のルームシェアのような同棲生活は継続した。

人種差別を知る

　二人で何かを共有することはなくても、暮らしを共にすると、気付くことはある。

　彼は、常に不機嫌だった。
　優しい目に惚れたはずなのに、にこりともしない。
　下手したらギロリとにらまれることもある。

　なんなんだ、こいつはっ！！！

　と、腹が立った。
　けれども、それ以上に、疑問の方が強かった。
　なんで不機嫌なんだろう？
　どうして、些細なことで怒るんだろう？
　これらの謎を解明するために、黒人ミュージシャンの自伝を読み漁った。
　知らない単語はいっぱいあるけれど、なんとなく読めるもんである。
　ドキュメンタリーや映画もいっぱい観た。
　
　そして少しずつ、少しずつ、この国の人種差別の歴史を理解していった。　
　私たち日本人が知っていることなんて、知っているうちにも入らない。
　歴史を理解するにつれ、彼の怒りの根源も、少し理解できるようになった。
　シカゴの黒人居住地、サウスサイドで生まれ育った彼に、希望などなかった。
　殺されないように警戒しながら、生き続けるために、生きていた。
　彼もこの国の被害者だった。

ちょっと飛んで現在

　彼と出会ってから、17年以上が経過した。
　私はルームメイトから昇進し、彼の妻となった。
　そして現在、我々はシアトルで暮らしている。

　時間というのは素晴らしい。　
　宇宙人並みに不可解だった彼のことも、そこそこ理解できるようになった。
　生きていける程度に、英語も話せるようになった。
　そして、彼の優しい目も戻ってきた。
　陽気で、おちゃらけな本来の姿を取り戻した。
　針葉樹林、海と湖、大自然に囲まれたシアトルの町と、リベラルな市民性のおかげである。

【執筆活動】

　私にとって、彼がまだ宇宙人だった頃。
　彼の怒りの原因がわからず、彼に対して、感情的になったことがある。
　
　すると、
「ドラマはいらん。すでにお腹いっぱいや」
　と言われた。

　確かに・・・誰かが銃で撃たれたり、犯罪に巻き込まれたり、犯罪を冒したり、そんなことが身近で起こる彼の人生はドラマみたいだ。

　彼ら黒人の悩み、苦しみ、悲しみと比べたら、私の悩みなんて、実にくだらない。

　黒人の歴史、人種差別の現実、そして彼の人生から、私は大切なことをいっぱい学んだ。
　誰かとシェアしたいな。
　彼ら黒人の強さ、賢明さ、明るさも知って欲しいな。
　
　そして2015年、”アメリカで暮らす：黒人、音楽、カルチャー”というタイトルで、ブログを開始した。
　主な内容は、私がシカゴに来てから、現在に至るまでのストーリーだ。
　公民権運動、歴史的事件、私の好きな音楽についても書いてきた。

アメリカで暮らす：黒人、音楽、カルチャー

　2020年、シカゴディフェンダーとパートナーシップを結ぶ、MMジャーナルで、執筆させていただくことになった。
　タイトルは”るるゆみこの、ほのぼのブラックカルチャー通信”。

Black Culture Now

　ここでは、シカゴの音楽シーン、ブラックカルチャーやヒストリー、人権問題など、ブログよりも少し深く掘り下げて書いている。

【noteで予定していること】

　まず、常々思っていたこと。
　私のブログを整理したいと思う。
　数年間にわたり、書き綴ってきたストーリーを、一度整理して、簡潔に、わかりやすく、noteで書き直してみようと思う。
　（ブログはクローズし、noteに引越しする予定です。）

　次に、黒人アーティスト、活動家の紹介。
　彼らひとりひとりの人生を、私の言葉で書いてみようと思う。　
　しかも下手な似顔絵付きで。
「さて、誰でしょう」
　と言われても、まずわからない。
　日本人じゃないし、私の好みで選んでいるし、その上、絵も下手くそだ。
　でも、私が楽しいので、やってみようと思う。
　このコーナーが終わる頃には、多少腕もあがっている予定です。

　楽しく読んでいただけることを心がけて書いていこうと思います。

　どうぞ、よろしくお願いいたします。