夜明け前の告白 ーリライト版ー
私の仕事は朝6時半が始業時間です。
そのため、大体3時半くらいに起きて、4時50分に家を出ています。
私は出掛ける少し前に寝室に入って、家族の顔を一通り見て元気をもらってから出発することにしています。
そんなある日。
いつものように寝室を覗くと、ママがちょうど目を覚ましていました。
「パパ。もう行く感じ?」
「まだ、ちょっとあるね」
「じゃあ、聞いてよ」
「うん」
「書類を出してきたのよ」
「うん」
「窓口に受付が2人いて、私の前にもう1人並んでたの」
「うん」
「窓口の2人がくっちゃべっててさあ。前の人に時間がかかって、受付時間が2分過ぎちゃったの」
「うん」
「で、私の番になって書類を出したら『2分過ぎてますから書類は受け取れません』って、断られたの。自分達がしゃべってたくせに」
「そりゃあ、ひどいね」
「でしょう!私、頭にきたから次の日も同じ窓口に行ってやって、そいつらの頭の毛をむしり取ってやったのよ。私って、暴力的かな?」。
「えっ!何だろう?それって『暴力的』といいますか、『暴力』そのものだね(笑)」
「だよね」
「大丈夫なの?で、それって市役所に行って来たってこと?」
「ちょっとわかんない」
「んっ!『わかんない』って?」
「夢だからね」
「夢か~い。夢なんか~い。2回ツッコんじゃったわ、パパ」
「もう行く時間でしょ、パパ」
「うん」
「じゃあまた寝るね。行ってらっしゃい」
「(笑)」
(まったく、いつも面白い人だよなあ。先が読めなくてホント飽きない)。
そんな風に思いながら、私は職場へと向かったのでした🎵
※『天然』・・・夢の中での出来事を、さも現実にあったかのような熱量で話せる特殊能力を持つ「愛され人たち」の総称。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?