デ・キリコ展、行きつ戻りつの絵画世界【東京都美術館】
不思議と懐かしく、郷愁をかき立てられる絵に出会ったことはありますか? 幼い頃住んでいた町に戻ってきたような、昔見た夢の景色に再会したようなノスタルジア。
私にとってはジョルジョ・デ・キリコの絵がそうです。
デ・キリコが描く憂いに満ちた街の風景には、自分でも不思議なくらい惹き込まれます。
一番好きな絵は『都市の神秘と憂愁(別名:通りの神秘と憂愁)』。輪を回す少女とアーチのある都市、向こう側から伸びる人影。それらが現実にはあり得ない角度で交差しつつも一枚の絵の中で調和する、何と