マガジンのカバー画像

展覧会の感想まとめ

24
実際に訪問した展覧会の感想をまとめました。ジャンル問わず。
運営しているクリエイター

記事一覧

独創の画家・田中一村――最新資料から再考する生涯【東京都美術館】

2024年秋の東京都美術館は『田中一村 奄美の光、魂の絵画』展で大盛況。生前、いつか東京で個…

Nyori
11日前
11

吉原、三宅島、そして江戸。激動の画家・英一蝶【サントリー美術館】

このところ、日本画の展覧会で何度か英一蝶の名を目にする機会がありました。「面白い名前だな…

Nyori
2週間前
15

夏から秋へ、琳派とめぐる季節の美【根津美術館】

根津美術館に行ってきました。ブランド店舗の立ち並ぶ青山表参道エリアの一角に位置しており、…

Nyori
3週間前
12

【出光美術館】物、ものを呼ぶ――進化し続けるコレクション

石油大手・出光興産の創業者である出光佐三氏は日本美術コレクターとしても有名で、彼の収集品…

Nyori
4週間前
24

三の丸尚蔵館で水と月を堪能しよう!【水の情景・月の風景】

皇居・大手門の奥に建つ三の丸尚蔵館に行ってきました。2019年から建て替え工事中で、2023年11…

Nyori
1か月前
9

【福田平八郎】琳派と抽象の狭間で踊る【山種美術館】

秋雨煙る9月29日、東京 恵比寿の山種美術館で企画展「福田平八郎×琳派」がスタートしました。…

Nyori
1か月前
12

【神護寺展】空海を生み、文覚が繋いだ。【東京国立博物館】

東京国立博物館2024夏の企画展こと「神護寺」展に会期末ぎりぎりで滑り込んで来ました。 いつも夏休みは美術館三昧するのですが、今年は暑すぎたためにあまり回れず…! 神護寺展は間に合ってよかったです。 トーハク正門前にてポケモンコラボデザインのマンホールに遭遇。もともと遮光器土偶っぽいとか言われてたドーミラー、トーハクに来ても違和感ゼロ。そのまま収蔵品に紛れてそう 展覧会の概要 最終日前日なので人の入りは上々。展示物は前後期あわせて約100点とそんなに多くはないものの、貴

中世ヨーロッパの写本文化に触れる【国立西洋美術館】

プリンターが登場する以前はすべて手書きだったという書物なるもの。作者が手で書いた本を他の…

Nyori
2か月前
12

【アーティゾン美術館】コレクション展が凄い通り越してやばい!

先日、20世紀を代表する彫刻家ブランクーシの展覧会(@京橋のアーティゾン美術館)に行ってき…

Nyori
4か月前
23

【ブランクーシ展】ポスト・ロダンへの飛翔【アーティゾン美術館】

彫刻家オーギュスト・ロダンの名を聞いたことはなくとも、『考える人』や『地獄門』の作者だと…

Nyori
4か月前
9

【宇野亞喜良展】90歳現役イラストレーターの軌跡【東京オペラシティアートギャラリー…

もう終了してしまいましたが、デザイナー・イラストレーター宇野亞喜良氏の大規模展覧会に行っ…

Nyori
4か月前
25

月岡芳年 百の月をめぐる物語【太田記念美術館】

月には不思議な魔力がある。 基本的に人類は太陽の子だ。朝日とともに起き、日没とともに眠る…

Nyori
5か月前
25

デ・キリコ展、行きつ戻りつの絵画世界【東京都美術館】

不思議と懐かしく、郷愁をかき立てられる絵に出会ったことはありますか? 幼い頃住んでいた町…

Nyori
6か月前
38

法然上人と浄土宗の宝物大集合【国立博物館】

現代を生きる我々にとって、仏教とは人々を救う仏様に導かれて極楽往生出来るように願う宗教です。よほどの極悪人はともかく、基本的に人は極楽に行くものというイメージがありますよね。 でも歴史を紐解けば、選ばれた人しか救われないとされていた時代もありました。例えば平安時代の仏教(密教メイン)は国家鎮護および財力を持ち教義を知る貴族層のための宗教であって、無知な民衆に救いはありませんでした。 「それはおかしい!」と訴えた改革者たちが現代に続く仏教観を作っていったのですが、その中に源空