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小説

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#ショートショート

[短編小説] 不死身人間

私が不死身であるという噂がたった。その噂の発生元は私ではない。いつの間にか青い空を灰色の…

丸膝玲吾
3か月前
6

[短編小説] ひどいじゃないか!

 階段を上がる。心臓がドクンドクンと波打つ。この鼓動の原因は最近の運動不足と、もう一つ、…

丸膝玲吾
3か月前
6

[短編] 日々記

最近意味を持たないことに憧れを抱く。無意味。無意味こそがこの世の真理なのではないかと思う…

丸膝玲吾
4か月前
4

[小説] 金魚と夏祭り

 私のポケットの中には金魚がいる。  それは小学校四年の夏休みのこと。近所の仲の良い子た…

丸膝玲吾
5か月前
7

[短編] 断層

暗記をしている。理解には程遠い行為を繰り返している。理解とは、地中に水が染みていくように…

丸膝玲吾
5か月前
6

[短編] きっかけ

引き金を引いた途端、立ち現れた。最初に目にしたのは、冬の枯れ木のように貧相で、薄い皮膚の…

丸膝玲吾
5か月前
8

[短編] ノート

「理論を頭の中で組み立てる。数式は何に変換されて脳に収まるのか。確か信号だったか。脳にはニューロンとやらがあって、それが信号をやりとりし、思考とか行動を起こすための命令がされるのだとか。では、私が教科書を開き、物事を理解できないのは、信号がやり取りされていないから?きっと指で摘もうとすれば割れるほどの、小さい結晶を作るができたなら、と思う。」 久々に帰った実家で、学生の時に使っていたノートをふと手に取り、開いた。そこに挟まっていた、時を吸って黄ばんだ紙に書いてあった文をここ

[超短編] 道化

それは0.01%の過ち。99.9%は見ないふり?肥大化されたマイノリティが、瞼の上に覆い被さって過…

丸膝玲吾
6か月前
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[超短編] 喉が渇いた

喉が渇いた。ふと、この渇きは誰のせいなのかと考えた。ここ三ヶ月、毎日振り続ける雨は大地を…

丸膝玲吾
6か月前
8

[毎週ショートショート] 疲弊

私は確実に精神を病んでいる。 咳が出て肺が潰れそうだとか、八十度の熱が体を焦がしたとか、…

丸膝玲吾
6か月前
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