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入院した話『10.入院5日目。え?輸血が必要――』【巨大子宮筋腫】

前回はこちら

入院5日目――

朝、7時頃に起床する。
どうやらデイルーム辺りで元気になった人達が集まっているようだった。

げ、元気で羨ましぃぃ!! こちとら、全然寝てないんだぞっ!?

私が動けない間、4人部屋の病室も2人加わり3人になっていた。
前日辺りが手術だったらしく、夜中はうなり声、いびき、寝返り、フットポンプの合唱で賑やかだった。
恐らく3人とも寝不足だっただろう。
まぁ、多分お互い自分自身の痛みで音なんて気にしてらんなかったと思う。
むしろいびきなんて、

寝てるのね!? よっしゃこっそり身体動かすチャンスっ。

とかそんな感じで身体を動かしてた位だ。

朝食は、毎回10枚切り位の薄いパン2枚と、ジャムかバター。
おかず、牛乳、デザートがあるかないか。

昨日の出来事で学んだ私は、配膳の人に頼んでベッドの机をベッド横にずらしてもらった。
そう、ベッド横に座ってならなんとか食べられるのではないか? そう考えたのだ。

実際、今まではベッドに背がついた状態での食事。パンなどのこぼしにくいものなら口に運べたが、お粥やおかずは食べにくかった。

なんとか7割位まで食べることが出来た。食事の量が増えていくと治ってきているのが良く分かる。
頭と口が上手く回らないが、意識はハッキリとしてきていた。

全身麻酔をすると、どうやら暫くの間声が掠れるらしい。カスッカスな声だった。
貧血で頭が回らないのは良く分かっている。昔から貧血気味だったので、ある意味慣れてもいた。

食後、お腹が動いて痛みが走る。食事をするのが嫌になってくるが、食べないことには回復しない。
横になりつつ、ひたすら耐える。

午前中検査をすることになった。どうやらそろそろ背中の痛み止めの針を抜くらしい。

お腹の状態を見たり、エコーの検査をする。背中の針も抜き、今後は痛み止めの飲み薬で対処していくそうだ。
どうやら、ちょっと内部出血しているらしくMRIの検査をすることになった。

「様子を見ていたのですが、ヘモグロビンの数値が5まで低下してしまったので輸血することになります――」

先生の説明を回らない頭で必死に聞く。
どうやら、手術時1400位の出血があったらしい。

へモグロビン(Hb) 平均値 女性:12.1~14.5g/dL

なんと半分以下だった。

輸血するかギリギリの所で耐えていたそうだが、採血した結果が手術時より下がっていたので輸血をしないと危険なのだそうだ。

「分かりました。お願いします」

輸血とかの同意書は事前にサインしているので、問題ない。
午後から輸血をすることになった。

「私、前にも言ったと思いますが、今日で移動するので――」
「!!??」

はぁぁ?ってマジで言いそうになったのはココだけのヒミツ

え、そうだっけ? 聞いてないよ? 前回って12月の時? お、覚えてないっ!!

主治医だった先生が、違う病院に移動するそうだ。ビックリである。
病院の出来事は毎回ある程度まとめていたのだが、後日見返しても書いていなかった。
余程さらっと言われたか、聞き流してしまったか、それともなのか…は、もう分からない。

そんな感じで先生と別れた。
その後、車椅子に乗りMRIの場所まで行く。途中まで裏から行って、一般と合流する。流石にパジャマとポンチョ1枚だと少し寒い。

点滴と、車椅子を一緒に引っ張って移動

看護師さんって大変なんだな。ってつくづく思った。


MRIの造影剤を入れる為、右にも点滴の針を付ける。
そして、撮影開始。
夏の造影剤は冷たかったが、今回のは温かかった。
全身に造影剤が駆け巡り、熱くなる。

うひょー、動いてるって感覚がわっかるぅぅ! すっげぇぇ!!

相変わらず、内心のテンションは高めだ。
無事撮影終了し、病室へ戻る。

動ける今のタイミング、気合いでデイルームまで水を補充しに行く。
点滴棒が無いとふらついて歩けないので、すっかりお友達だ。
ただし、頼りすぎて体重掛けると転倒するから油断は出来ない。

お茶と持ってきたラムネを食べる。ブドウ糖最高!

12時になると、食事と輸血が同時にやってきた。

嘘だろ!? まさに『食事』ってかぁ? マジでアレじゃんね。

点滴で食事している作品あったけど何だったかな

人生初の輸血でテンションが少しおかしい。昼食は念のため少しずらして摂ることにした。
安定のサイド机で食べるスタイル。
前に寄りかからないと食事が出来ないので、どうしても左で輸血しているチューブが目に入る。

誰のなんだろう。

そんな疑問が頭をよぎる。
そう、この時期。可能性があったのだ。もしかして……と。

食後、点滴を入れやすくするのに横になる。
ぼーっと時間を過ごしながら終わるのを待つ。輸血は2本するとのこと。

熱を測ると38℃まで上がっていた。
どうやら輸血をすると、こういった反応がある場合があるそうだ。

少し様子を見ることになった。
その際、私はそれとなく看護師さんと会話してあることを聞くことにした。

「献血時って何時のだかって分かるんですか?」
「ええ、えっと……。12月29日の献血分ですね」

や、やはりっ。可能性高いと思ったんだーっ!!

ある程度のオタクなら知っているだろう。年末のあの一大イベント。
そう、コミックマーケット。略してコミケ。
コミケでは、毎回会場近くに献血エリアがある。
そして、ここは駅から2時間以内に着ける地域…。ふふふ、まさかな。
つまり、この血はオタクの可能性が高い!! まさかね…。

なんて考えてたんですよ。謎のテンションで。

で、そういや今回の開催日知らねぇやって調べたら

30日、31日が冬コミだったわけです。

ぜ、前泊者かな…?


もちろん、誰の血でもウェルカムです。実際、輸血しなかったら危なかったわけですし。
輸血のお陰で元気になりました。何処の誰か分からないけどマジでありがとうございます!!
多分エリア違うから無関係だと思う。


1本目が終わるとぼけてた頭はかなりハッキリとした。驚く程の違いである。
気分的に2GBしかなかったメモリが6GBになった位に違う。

輸血の力ってすげー

しかし、意識がハッキリしてくると同時に余裕ができて、別の問題も浮かび上がってきた。
腰の重みと、お尻の痒みである。掻こうにも両手に点滴。下手に動くことも出来ずにひたすら耐える。

そんなこんなで時間が過ぎ、2本目をすることに。
17時頃2本目の輸血が始まった。今回はモニターもつけるらしい。
ちらっと看護師さんを見ると別の人!
今回もそれとなく聞いたら31日だった。つまり2日目!
そのまま看護師さんと会話する。

どうやら輸血にも相性があるらしく、定着しないで流れる可能性もあるそうだ。そうなった場合は追加で輸血したりするらしい。
それはちょっと大変そうだと思った。本数が増えるということはリスクも上がると言うことだ。

「熱が出たと感じたら、遠慮せずにナースコールしてくださいね」

測ったら36.9℃。また熱が上がると色々と困る。

違うとは思うし、2日目のジャンル詳しくないけど、理解はできるから! ほら仲良くしよう?

そんなことを考えながら寝た。受け入れる意思は大事だ。
もちろん、気持ちの問題であり、違う可能性のが高いだろう。高いよな?
2回目は熱が出る事無く終了した。

夕食前になると先生が来た。どうやら引き継ぎで顔見せにきたらしい。

とあるキャラに似てて名前覚えるまでキャラ名で呼んでたのは内緒な!

挨拶してサックリ終了。新しい先生はかなりのベテランぽかった。

食事は半分位。コレばかりはどうしようもない。
ここでようやくガスがでる。手術後中々でなかったので心配していたがコレで一安心。

食後の自力で洗面台に行き歯磨きをこなす。
が、身体が上手く曲げられない!膝をゆっくりと曲げ、なんとか口をゆすぐ。動けるようになってきても、まだまだ出来ないことが多い。

消灯時間後――
日中一切寝ていないはずなのに眠気が全く来ない。
しかも、輸血時のモニターがまだ付いてるので邪魔くさい。
寝付けずにいると夜の点滴が来る。
右側で点滴をすることになり、更に動きにくくなる。
身体は熱いわ、お尻は痒いわ、お腹は痛いわでもう大変。
モニターは外しても良かったらしく、外してくれた。

ウトウトしても腹部の痛みで叩き起こされる。我慢できなくなったのでナースコールで痛み止めをもらうことに。

渡された痛み止めは『ロキソプロフェン』

く、空腹時にロキソプロフェンだとぉ!?

知ってる人も多いと思うが、ロキソプロフェンは空腹時に飲むと胃が荒れる。
なんとか手元にラムネがあったのでそれを2粒食べてから飲む。
案の定痛みは緩和されたが、胃がやられて気持ち悪かった…。

明日は食べ物を用意せねば…。そう考えながら目をつぶっていた。


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