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今更人に聞けない四字熟語vol.15「魑魅魍魎」

「魑魅魍魎」(ちみ-もうりょう)

【意味】
人に害を与える化け物の総称。 また、私欲のために悪だくみをする者のたとえ。
「魑」山の精気より生じる化け物
「魅」もののけ、化けもの
「魍」山水・木医師の精気から生じる怪物のこと
「魎」山川に住むという想像上の怪物のこと

【語源】
中国の歴史書「春秋」の代表的な注釈書の1つで「春秋左氏伝」という書があり「魑魅魍魎」はそこから広まりました。
「夏(か:中国最初の王朝)」の王が、この世の色々な物の絵を鋳込んだ
「鼎(かなえ:三本足の付いた金属の祭具)」を作り、物の怪の姿が見分けられるように民たちに教え示した。だから民たちは山林や川に入っても、魑魅魍魎から逃れることができたのだ、というものです。
つまり魑魅魍魎は「山林や川にいて、人に災いをなす物の怪の類」
とされていたことが分かります。

日本の魑魅魍魎
1785(天明5)年刊行の黄表紙(絵本)『百鬼夜講化物語(ひゃっきやこうばけ
ものがたり)』は、そんな魑魅魍魎が絵として描かれた貴重な例です。それによると、江戸時代には「魑魅」と「魍魎」が対をなす妖怪として考えられていたようです。
「魑魅」は顔は人間、体は獣の姿をした山に住む怪物として描かれています。これらは、山林の悪い気から生まれると伝えられています。

一方の「魍魎」は、中国の『淮南子』の記述にならい、赤黒色の肌に赤い目、長い耳に美しい髪を持った「鬼」のような姿で描かれます。山や川、木、石など自然物の精から生じ、人の声をまねて人をたぶらかしたり、死者を墓から引きずり出して食べることもあるとされています。

二体は母子のような姿で描かれていますが、これは山の神を女性に例える
日本古来の価値観によるものだと考えられます。

【例文・使い方】
(1)悪徳企業の魑魅魍魎どもが利権を貪り食っている
(2)魑魅魍魎がはびこる世の中を未熟な若者が渡っていくのは大変だ
(3)国会は魑魅魍魎の巣くう伏魔殿

現代日本語で「魑魅魍魎」と言えば、単なるばけものではなく、多くは、ばけもののように得体の知れない人間たちを指します。
政治家を筆頭にヤバイ連中は世の中に多いので要注意であります!

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