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原因は自分の内側にある
「智に働けば角が立つ
情に棹させば流される
意地を通せば窮屈だ
とにかく人の世は住みにくい」
夏目漱石 草枕
「頭のいいところが見えすぎると嫌われるし、情が深いとそれに流されてゆくし、意地を通せば窮屈に感じる。とにかく人の世は住みにくい」
と夏目漱石は草枕の冒頭に、人の世の住みにくさは人付き合いにあると書かれています。私たちはどうしても、何か苦悩が起こればその原因
宗教ってなんだろう。
お寺に生まれた私は高校から実家を離れた。15歳で実家から宗教から逃げたのだ。
自分の人生は自分で切り開く。宗教なんか必要ない。と考えていたように思う。それでも22歳のとき、住職であった父の病気がきっかけで3年間ほど京都で仏教の勉強をし、僧侶の資格を取らせていただいた。資格はいただいたが、仏教や宗教にはどうしても馴染めぬままで、アルバイトの仲間たちといるほうが居心地がよかった。
それがいつのまに
つぶやき「かげろう」
夏にミーン、ミーンと鳴くセミは羽化してからおよそ10日間の命と言われますが、「カゲロウ」という昆虫は、成虫になってから2、3時間ほどの命しかないそうです。親のカゲロウは産卵を終えるとその生涯を終えていきます。
作家の伊集院静さんが「亀の親子は別れから始まる」と著書の中でおっしゃっていました。確かに親ウミガメは卵を産むと、子ガメの孵化を待たずに海に帰っていきます。よくよく考えると、全ての生き物の中
つぶやき「うさぎとかめ」
皆さまご存知のイソップ童話「うさぎとかめ」というお話では、足の速いうさぎさんと、のろまな亀さんが山の頂上を目指してかけっこをします。
このお話の教訓は、亀のように例え歩が遅くとも、コツコツと歩を進めることが大切だ。うさぎのように怠けてはいけない、一生懸命努力することが大事というのが、よく知られているものではないでしょうか。ただ、海外では同じうさぎと亀でもいろいろな教訓があるそうです。
インドで
コラム「涅槃図をながめて」
涅槃図(ねはんず)。涅槃図とは仏教をひらいた釈尊(しゃくそん)が命おわるときの様子を絵にしたものだ。私が時々行くお寺にはこの2月になると涅槃図がお披露目される。住職さんがこの涅槃図はなにやら歴史があるようなことをおっしゃっていたが詳しいことは忘れてしまった。
とにかく素晴らしい絵であることは確かで、横たわる釈尊のまわりに多くの人々が厳かに描かれていた。そして、人間だけでなく虎やら鳥やらさまざまな
コラム「障害ってなんだろう」
陸上競技に障害走というのがある。ハードルがいくつもあってそれを飛び越えてゴールを目指す。昔、陸上部だった僕は障害走の選手だった。
いつもハードルの先にあるゴールを見ながら思っていたのは、なぜハードルの先にゴールを作ったのか、あそこにゴールを作るからハードルが障害になるのだ。ゴールを少しずらせばハードルを超える必要はないじゃないかとそんなことを思っていた。
障害とは、ゴールが決まって初めて、それ
コラム「仏教の面白さ」
仏教、仏さまの話というと、人によっては「難しい」「つまらない」イメージがあるかもしれません。また、どこか自分とは関係のない話に思えて、そもそも興味が湧かないという人もいるでしょう。しかし、仏教は思っているよりも面白く、楽しく、明るい教えです。
今回は私が感じた「面白さ」について書かせていただきます。
罪に対する考え方
私達は、日常の中で罪をおかす瞬間があります。犯罪にならなくても、例えば 信号