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高め合う学習が生まれる環境 ~心理的安全性~

最近よく心理的安全性という言葉を目にすることや耳にすることが増えてきた気がしています。

”心理的安全性”という言葉から受ける印象はどこか「居心地の良い場所」のようなもので、実際そのようなニュアンスも含まれなくもないのですが、この記事ではもっと強調されるべきポイントをお伝えできればと思います!


まず、心理的安全性は組織やチームでの特定の状況や役割の中でオープンに自分を他者に見せられる信念と考えて頂ければ問題ありません。

信念なので考え方や感じ方ということですね。

ところで、オープンって何?と気になるところですが、これは自分の行動に対して恐怖などのネガティブな結果を想定しないでいるかどうかということです。


組織やチームの中で動くときには様々な行動が求められますよね。例えば…

質問をする、フィードバックを求める、ミスを報告する、新しいアイディアを提案する…などなど

このような行動をするときに「傷つけられるのでは」「(無知など)恥ずかしいことになるのでは」「批判されるのでは」などと感じない場所に心理的安全性があると言えます。

自分の行動が受け入れられる場、ということですね。


このような場を実現するためのポイントを3つ紹介します。

それは、”信頼・尊敬・支持”

メンバーひとりひとりがこのような態度・姿勢を持っていることで心理的安全性が醸成されていきます。


…と、ここまでだと周りのサポートがあって自分を大切にしてくれる場というイメージが湧きますが、ここからが伝えたいことです。


実は、心理的安全性は”プレッシャーや問題がないような居心地の良い環境ではない”ことがはっきりと明記されています。


では何のために相手を信頼、尊敬してさらには支持的に関わるのか?それは…


組織・チームが学習して成長するためです。


組織やチームが発展していくためには目標とそれに伴うタスクを設定してメンバーが一丸となって進んでいくことが求められます。

この目標設定や方略を考え、実行して振り返るサイクルの中で心理的安全性が有効に働きます。

心理的安全性のある組織やチームでは意見があがる、協同する、実験的に動くという3つの特徴があります。

自分の行動に対してネガティブな結果が想定されていない環境なので、各メンバーが持つスキル、知識、経験を思う存分出し合って統合することができるのです。

意見を出し合う際など心理的安全性がある場であったとしても激しい議論は十分想定されます(終わった後はスッキリして良い関係が築けています)。

話し合い、実行、振り返りとそれぞれのステップでお互いを尊重して高め合う学習サイクルを生み出すための土壌が心理的安全性です。

結果として試行錯誤の学習が促進され、高いパフォーマンスを持続的に発揮できることやサービスの質が向上することが期待されます。


もう1つ特徴は心理的安全性に基づく組織・チームは”改善志向”であること。

出てくる意見は他者批判ではなく”より良くしたい、その一心”であり”ミスは改善のチャンス”だと捉えられます。

そのため、このような組織やチームは結果も大事にしますがプロセスにより価値を置いているとも考えられます。

結果が求められる社会の中で過程に目を向けることは遠回りのように見えるかもしれませんが、持続可能性という観点では良いですよね。


さて、これまで紹介したように”信頼・尊敬・支持”というお互いを認め支え合う信念によって心理的安全性が生まれ、そのうえでお互いを高め合う学習サイクルを作り出して成果に繋げていくことがその目的となります。

つまり、心理的な安全を目的にしてしまっては本末転倒となるので注意が必要です。


様々な用語は言葉から生まれるイメージと実際が異なる場合が多々あると思います。

イメージ先行で適用してしまうと努力しているのに成果に繋がらないつらい結果になりかねませんので、その言葉が何を指して何を目指しているのかを知って実行することが大切ですね。

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