共産党の、性自認・女性の定義・女性スペース運用への主張を読み解いてみる。
共産党の、性自認・女性の定義・女性スペース運用に関する考えと発信について概要をまとめ、読み解いてみます。
個々の議員にそれぞれ個人的な考えの相違はあるでしょうが、あくまで政党としての主張が見たいので
ここではおもに党として出されたアンケート回答や、赤旗掲載記事をもとに検証していきます。
「キリトリダー」という人は、リンク先に飛んでしっかり原文にあたってください。
「男性器あり、妻子持ちの【女性】を法的に認めよ」
まず、共産党は、
「男性器があって、未成年の子持ちの父親で、妻が居る男性でも、戸籍記載を女性に変更可能とし、法的に女性と認めよ」との主張です。
それが、目指すべき 国際的な「人権モデル」であるのだそうです。
「性自認はなりすましや自称と明確に区別される」
とあります。
多様な性のありかた、というわりにはジェンダーフルイドの性自認には否定的なのでしょうか?それとも「気分に基づく軽いもの」というくくりを添えることでその点を曖昧にぼかした(逃げを打った)のでしょうか。
(ジェンダーフルイド、下記参照)
そして、連続性・一貫性・持続性。
たとえば「僕はあなたの恋人だ」という思い込みが重度で長期で連続して一貫性を持続しているものなら、自称やなりすましと明確に区別されるのでしょうか。
明確に区別されるとしてもそれはどのような治療が必要かなど病理的な面等であって、
施設利用・他者への強制につかえる法的根拠のための「明確な区別」ではないように思われますが、
共産党は性別において、「連続性・一貫性・持続性」が施設利用・他者への強制につかえる法的根拠として採用に値すると考えているようです。
「性犯罪のために性別記載変更する男の想定なんて、ナンセンスだ(とトランス当事者が言っています)」
「女子トイレなどで犯罪をおかしたい男性が、そのためにわざわざ性自認を偽って法的な性別変更を行うなどという想定はナンセンス」だ、と
当事者の口を借りて主張しています。
が……
※大西航容疑者も肯定RT
なお、倉林明子参院議員(共産党ジェンダー平等委員会責任者)の赤旗記事は、
かの大西航が「たびたび論争になる性自認とトイレ利用の問題について、現実を踏まえてとてもよく整理された考え」と肯定し、引用RTしていました。
※大西航……当時・共産党千葉県書記長。2022年11月21日、千葉駅で女性を盗撮。通報を受け警察がスマホを調べたところ、2022年10月23日に女子高生を女子トイレで動画盗撮していた、という余罪が発覚。また、2022年10月には「いまみんなで君へのレイプ計画を立てています。楽しみにしてて」と脅迫文を女子大生の自転車かごに入れたほかサドルに体液のようなものを付着させたとして、脅迫と器物損壊の容疑で再逮捕。女子トイレ盗撮では「盗撮のために女装」していた、との記事も。
性自認を性別として尊重せよ、という主張や
性別記載を変更できる法律ができても、それを「わざわざ」性犯罪に利用する男がいる、なんて懸念は、
「ナンセンス」だそうですが……。
大西容疑者はたしかに性別記載変更まではしていませんでしたが
女装して女子トイレで盗撮していた疑いについて
党の上記主張が犯行を惹起しなかったと言い切れるでしょうか。
少なくとも、同じような事件を引き起こさないための防止策を立て、検証する責任が党にはあります。
しかし共産党が事件と主張との関係性を検証・再発防止を講じている様子は現在に至るまで発見することができません。あれば教えてください。
この大西容疑者を引っ張ってくるまでもなく、
くみ取り式の便槽や、道端の側溝に何時間も潜んででも
女性の排泄や下着を覗き見たい男性、
妻子も社会的地位も仕事も失うリスクを抱えながらでも女性の尻を触りたい男性、
といった存在を知識として知っていれば、
「女子トイレなどで犯罪をおかしたい男性が、そのためにわざわざ性自認を偽って法的な性別変更を行うなどという想定はナンセンス」こそが
性犯罪者男性についてあまりに無知で、甘い、ナンセンスな想定であると思います。
また、
「共産党の定義するところの性自認をまことに持っていると自認しているため法的に性別変更をするが、それはそれとして女子トイレなどで犯罪をおかしたい男性」の想定を無視している点でも非常に甘く、またトランス排除・トランス差別的であると思います。
女湯侵入レポや、「嫁以外の裸を合法的に見たいじゃないですか。幼女と母親セットで見れますよ」「空港で金髪幼女を視姦する」など言っている人たちについては?
「なりすましや自称として明確に区別」できたのでしょうか。であれば、不適切な変更であったとして戸籍変更取消を求めるなどしませんか?発言者の中には、赤旗に当事者として出ていた人も居ましたが……
そして何より共産党が見落としているのは
「犯罪動機がない男なら、女として受け入れなければならない」「不安なのはなりすましのことでしょ」とされて話を進められてしまう、
女性の尊厳です。
女性にも尊厳がある、ってご存じでしたか。
「法的には、女性とみなせ。運用は施設管理者が合理的にケースバイケースで。しかし法的には、女性とみなせ🔁」
ところで、性同一性障害に関する「特例法」は
「その性別につき他の性別に変わったものとみなす」としています。
これを共産党の目指す「人権モデル」にあてはめると、どうなるでしょうか。
男性生殖器を保持し、
女が性的に大好きで、
男性器で性行為をおこないます、
妻も居ます、
子供も居ます、
という父親男性
であっても「女性だという性自認」を主張するなら、
「女性に変わったものとみなす」法律ということになります。
つまり、「女性に変わったとみなせ」という法的な強制です。
それと並行して共産党は
「男性による女性施設利用は、法的に女性であるか否かに関わらず、ケースバイケースで各施設管理者が合理的に判断・運営してよね」という主張です。
ところが。
「女性に変わったとみなせ」と強制する法律があるのです。
ぐるぐると循環してしまいそうですが、施設は判断を出さねばなりません。
判断の責任や基準はどこにあるのでしょうか。
もっとも優先される強制力はどこにあるのでしょうか。
(少なくとも、それは女性の手中にはありません)
一般の素人が普通に考えて、法律だと思います。
一般の素人が普通に考えて、法律だ、と思うなら
運用はどうなっていくでしょうか。
「見てきたものや聞いたこと、届いた要望が全て」
共産党は自党の「見てきたものや聞いたこと」「届いたことのある要望」で、女性だという自認を主張する男性のありようすべてをつかんだつもりでいるようなのですが、
実際にはどうでしょう。
「女湯 タック」で検索してくれ、と訴える女性たちの「要望」は「聞いて、見て」くれたでしょうか?
「すべてのトランス女性の女性スペースを利用する権利を保障せよ」という主張やデモがありますよ、賛同・拡散している当事者たちがいますよ、という指摘は?
彼らの存在を「なりすましや自称として明確に区別」し、排除できたというわけでしょうか。
「施設管理者が判断すれば、女性の安全と尊厳が守られる合理的な判断がなされるだろう」
しかしたとえば……
・男性生殖器を保持し、男性らしい外見
・ 〃 を保持し、それ以外は女性っぽい外見
・ 〃 は切除し、男性に見える外見
・ 〃 は切除し、女湯視姦レポ動画などをあげる
・ 〃 は切除し、人によって女性っぽく見える外見
……などなど、外見上のあり方だけでも、実際の内訳はとても「多様」です。これらの男性を、どの施設でどのように「女性施設に入っていい男性か否か」を決め、
判定し、現実的に運用するのでしょうか?
戸籍記載変更が基準ではないので、身分証を使うことはできません。
もしくは、身分証に「女性※男性器あり」「女性※外見指数5」など施設利用判断に使える記載を設けるつもりでしょうか……?
(このような議題はまさに”ばかばかしい”ため、筆者と多くの読者女性に苦痛を与えます。なぜなら、男性は総じて男性です。女性専用の場に入っていい男性など居ないのですから……、
と、言えなくなった人がいるなら、それはなぜでしょうか?
「すでに女湯や女子トイレで共存してます❤」と言われたり、
「女湯はおっぱい桃々天国でしたぁ」と視姦レポをあげられても罪に問えない(と思わされている)のはなぜですか?
「みなせ」の法律があるからです。法律さえ作れば、2+2=4だと言う自由を奪い、5だと言わせることができます。重要な事実を指摘する自由を奪うことは、権力者に都合よく、弱者に困難をもたらします。
すでに事実をもとにした想定・指摘は、共産党に「あってはならない」として切り捨てられています。)
https://note.com/sws_jp/n/ncb351a1ac435
(東急電鉄の運用を見てください。女性専用車両で男性を降車させたり、公共施設等に女性専用トイレの設置を義務化する、といった法律はありません。
いっぽう、男性を女性とみなせという法律はすでにあり、更に、性自認を尊重せねば人権侵害だ、差別だぞという政党などの主張があり、条例、法案があります。現状ですでに「施設管理者が判断すれば、女性の安全と尊厳が守られる合理的な判断がなされるだろう」で済んでいないのです)
まとめ
まとめます。
共産党の主張は
・男性器ある男性を法的に「女とみなす」戸籍変更を目指す
・女性スペースへの男性侵入を禁ずる法律や運用の明文化は求めていない
・「女湯」は公衆浴場組合の決まりがあるから男性器あれば☓、と「現状」の女湯の説明はしているが、「今後」や、「法的に男女の定義が書き換えられたとき」「全ての女性スペース」の運用は各施設管理者が判断をとしている(よって、男性器ある男が居る女性専用施設や場ももありえると解釈できる)
・上記を見た女性たちの「男に入ってこられるのでは」「海外では大変なことになってる」「スポーツも刑務所もトイレもお風呂も女性議員枠もどうするの……」という指摘は、恐怖心や差別感情を煽るので、あってはならない
・なぜなら、党は「侵入」を求めているトランス当事者を「見たことがない」から
・求めている男性はなりすましや自称として明確に区別されるので、わざわざそれを批判したり防ぐための手立てを議論するのは恐怖心や差別感情を煽る、あってはならないこと
・女性は「心も身体も男性で犯罪目的の性犯罪者による女装侵入」が不安なのだから
・でも女子トイレに犯罪目的で入りたい男性が性自認を偽って法的性別を変える想定なんてナンセンスだとトランス当事者が言っているから
・女性スペースの運用は、各施設管理者が合理的な判断をすればよい
・大西航は…戸籍変更はしてないし、除名したし…その件に関しては教訓を深め自己改革をはかっていく決意、そして、↓
https://twitter.com/jcpchiba/status/1613871414779707392?s=20
という主張である、と読み解きました。
以上から
「共産党は、男性器ありで女性スペース入っていいとは言ってない」というのは「募ったが募集はしてない」に近いな、と私は思います。