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【おしゃれにまつわるエッセイ4】それでも白が着たいんだ!


Q:白って汚れませんか?
A:そうなんですよねー、でも白が好きなんです。

 オールホワイトコーデを嗜んでいると高確率できかれる問題。そうです。白が汚れるのはあたりまえなのです。わかっていて着ているのです。覚悟して、着ているのです。しかし「あたりまえだ」と可愛げのない答えは述べません。それこそひととしての思いやり。笑顔で「白が好きだから着たいんです♡」といいたいものですね。
「白って汚れませんか?」
 さて、そのなにげない質問の背景を想像したことはおありだろうか。

Q:白って汚れませんか?
A:汚れますねー(笑)

 初対面できかれた際はお愛想をふるまってみるしかないのだけど、しかし他の色の服もリスクは同等なのである。ただ目立つ、それだけのこと。もちろん深掘りすれば「白って汚れが目立ちませんか?」の意味だとは理解できるが、どうにも屁理屈をこねたくなる服にうるさい類いのひとらがいるのである。そもそも、そんなに食べるときこぼしたりする? 環境にもよるけれど、そこまで汚すような生活を送っているのか? 汚れたら洗えばいいやん。そんなにめんどくさいのか? めんどくさいね。でもそんなの、どの色だって同じじゃあああん!

Q:白って汚れませんか?
A:気をつければいいと思います。

 白に限らず服が汚れてしまった場合はとてもかなしい。色もの・柄ものが万が一汚れてしまったら、白い服のときよりもダメージが半減するのもわかるのだが。
「汚れちゃった。ま、いっか」これ。
 白ならばすぐに洗い流す気になるのだから平等を保てない。事実、ある朝おでかけ前にメイクをしていたら、なんの弾みかマスカラのブラシが手を滑って落下。みごとにわたしのお気に入りの白Tに色をつけてしまったのである。ぎいやあああああああああああ。ひさびさ声でた。普段取り乱しても声なんてださぬ声のちいさい陰キャ代表・トコヨダサンが、ああああああああああああああと、どうにもならぬと知っていながら声をあげて泣くしかなかった。いや泣いてないけど。リアルにああああああああああああ、うううううううううう、なあああああああああああんでえええええええええええと朝からうろたえてあわあわと、Tシャツを脱ぎ抱きしめながら洗面所へ急ぎ、マスカラを落とすのに格闘。そこは冷静な判断。走らないあたりも冷静。しかし歯磨き粉→洗濯用洗剤→クレンジングの順で汚れを落とそうとする混乱ぶり。さいごに使ったクレンジングがよく落ちた。化粧品なのだもの、よく考えれば当然である。あわてふためきながら奇声を発し、その日いく予定だったカフェにはいかず半日かけて洗濯したのだった。
 結果、汚れは落ちた。この執念、ちがうところで使えないものか。使えないかも。特別扱いの白。だって可愛がりたくなるほどまぶしい存在だものね。着るのが億劫になってしまうのも、わかるのです。でもわたしは、それでも白が着たいんだ! めんどくさい君が好きなんだ!


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