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酔っぱらいソーダ(何か失われたものの唄)

もう一曲書けた。もうギターもガレバンもないから、鼻歌なんだけどな。

満ち足りていても、何か肝心なものが欠けてるような気がする。何てこともなく繰り返すだけの毎日に、何かの命日のように感じられる日があったりする。そういう歌。

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何度でも繰り返す毎日の
無意識の日常
テーブルの上の、飲み残しの
ウイスキー・ソーダ

何かしら漂ってる
物足りない気配
ぐるぐる廻ってる地球の
少し失われた重み

ぼくが死んだその日から
世界は少し軽くなった
誰もが感じているんだ、ぼくが
残した空白を

だけど、ああ、君だけは
喪に服すこの世界で
ぼくの死因の君だけは
いつでも笑ってるね

見られれば見られるほどきれいになる
精神年齢、ずっと幼くて
ぼくの視線浴びて
全身全霊、きれいになった

染めたのとブロンドを見せ
食べたいものを我慢して
誰のためって尋ねたぼくに
自分のためよと笑ったんだ

ぼくの死んだその日から
世界は少し暗くなった
忙しく働く人びともふと
ぼくのことを思い起こす

だけど、君のまわりだけは
悲しみ満ちたこの世界で
君がいるその場所だけは
光があふれてる

死ぬのはぜんぜん怖くなかった
神さまが準備してくれたから
未練も怨みもなかったんだよ
君が覚えていてくれるはずだった

だけど、ああ、君だけは
すべてが潰えるこの世界で
ぼくに止めを刺した君だけは
もう見ない、その手についた血を

何も変わらないような毎日
無意識の日常に
めぐってくる、ぼくだけの命日
また酔っぱらいそうだ

コーヒー一杯ごちそうしてくれれば、生きていく糧になりそうな話をしてくれる。そういう人間にわたしはなりたい。とくにコーヒー飲みたくなったときには。