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日本縦断歩き旅《鹿児島編》6日目『バンクシー?』枕崎~開聞岳麓

この日は出会いも多く、思い出深い一日となった。

7時すこし遅めに起きる。
キャンプ場なので早めに撤収しなくていいので、
ゆっくり朝食の準備する。
ラーメンとコーヒーにした。

キャンプ場で別のキャンプ客とすこし話す。
仕事を退職して全国バイクで旅しているらしい。

大型犬と車で旅している人もいた。
なるほど、ペットと一緒だとホテルに泊まれないのか。

今日行く、開門岳が見える。
夏だと蒸気でかすみやすいのもあるが、
人間が歩いてあそこまで歩くのが今でも不思議に見える。

海沿いの坂をゆっくり上がる。
地味にきつく、朝から汗だく。
この日は晴れで日差しも強い。

長い坂。ペース落ちる。

おじさんに話しかけられる。
この先の温泉に向かうというので、しばらく坂を一緒に歩く。

船乗りだったらしく、その話を聞いたりしていた。
温泉前でお別れ。
行きでシャツが汗まみれだから、帰りも汗まみれになりそう。

歩いていると、落書きを見かける。
すごくバンクシーぽい。
詳しいわけではないが、彼の映画は2本程みていて「イグジットスルーザギフトショップ」は皮肉が効いていて好きな映画ではあった。
この画は雰囲気が彼っぽい。
見れば見る程、バンクシーな気がしてしまう。
この馬、ナポレオンの峠超えの馬ぽいし、センスが日本人ぽくない。

ええ!?でもなんでこんなところに?
日本本土の南の果てだから、日本列島を馬にみたててるの?
だったら向き逆じゃない?

ええ~?

もし本物だとしたら、ブロック塀だと簡単に盗まれちゃうのでは?

塀の奥に会社があって、
この会社話題になるのではと思ってみてみたら、




シャッターの会社だった。

なるほど。


全てを理解して、先を急いだ。

快晴、炎天下の中、真っすぐ歩く。

大量の差し入れを貰う。
しかも冷えてる。
ありがたい。
冷たさをキープしたいので、
すぐに1本のんで、2本はしまう。

続けて2組この通りで応援を貰う。

1組目は、
オシャレなカップルで黄色いバンに乗っていた。
その黄色いバンでオーストラリア一周したそうだ。
二人で次の旅を企画していて、夏の暑い時期はこの辺りで仕事をして資金を貯めているのだそうだ。
ポカリスエットを貰う。

2組目は、
女友達二人で見に来たぽい方で、
一人は子供を抱えていた。
どうやら友達が自転車で九州一周していたらしく、
その大変さを聞いていたので歩いてる人がいて驚いたそうだ。
その友達に見せるのか写真を何枚かとっていた。
すごく喜んでくれて、なんだか嬉しい気持ちになる。
しかも「使ってください」と千円貰う。

昼食にバイキング形式の定食屋さんに入る。
常連さんが多そうな印象のお店で、恐縮してしまうが、
店員さんが親切に説明してくれた。

とりあえず不足しているサラダから。

色々、食べたが。煮物が一番うまかった。

沢山食べたい気持ちもあったが、
冷房が強めで、汗がキンキンに冷え。
長居すると体調崩しそうだったので急いで食べる。

汗がなければ丁度いい温度だったと思う。
TVで甲子園が盛り上がっていて、常連の方々がみんなくつろいでアレコレ言いながら観戦していた。

店員さんが心配してくれたのか、
特別に持ち帰り用にたくさん詰めたものをくれて、
お礼を言った。

店を出る時、
暑いのに外まで見送って手を振ってくれた。

食べた後に温泉をみかけ、
『えい別府温泉センター』に寄って温泉に入る。

食事の後の入浴はあまり気が進まないが、
タイミング的に今、入っておかないと入れなさそうだったので。

職員の方が親切で気を遣ってくれ、
ロッカーに入らない大きなカートの荷物を預かってくれた。
しかも、シャンプーとボディーソープまで貸してくれた。

ありがたい。

お風呂は温泉のにおいがした。
サウナもあってよかった。
外は暑かったので一番目当ての水風呂は、
勢いがよくてとても気持ちよかった。

開聞岳に近づいていく。
富士山のようにも見える。
この後、鹿児島湾の向こう側からも見え、桜島よりも妙に印象に残った山になった。

歩いていると再び3組から差し入れを貰う。

軽自動車にのった女性2人から、
アイスクーリッシュとアクエリアス。

「俺も日本縦断したかったんだよ」と
お茶とデカビタンCを壮年の方から。

「娘が言ってた人がまだ歩いてるの見かけたから」
と異様に美人の婦人から千円とおせんべいをいただいた。
30代に見えたけど、歩いていて炎天下歩いている人はほぼいなかったし、娘さんは車から俺を見たとすると免許持ってる年代?
とするとこの異様な美人の婦人は40代?と勝手に困惑してしまった。

後々、考えてみれば父親が運転している車から娘がみかけたんだと思う。

日本縦断していて一日にこんなに差し入れを貰った日はない。
たぶん猛暑で倒れないか心配してくれたんだと思う。
なにはともあれ、本当にありがたい、つい数週間前は骨折に職場で冷たい仕打ちを受けていたので、ただただ嬉しかった。

職場でカップ麺のお湯をウォーターサーバーのお湯を使っただけで
「あの人ウォーターサーバーのお湯使ってました」とホワイトボードに書かれた狭小な世界と違うんだ。
狭さを味わったからこそ、しみじみと世界の広さを実感した。

南国ぽく、ヤシの木が並ぶ道をあるく。

どんどん開聞岳に近づいていく。
出発前はあんなに遠かったのに。

歩いてきた道を振り返る。

あのかすんだ岸に今朝のキャンプ場があるのだろうか。

だいぶ近づいてきた。

海へ近づき、野宿先を探す。

良い感じに人目につかなそうな公園を見つけ間借りする。

海もキレイで、開聞岳も近くて雄大だった。
その夜は星空もキレイで
この日沢山の応援を貰った多幸感をかみしめた。

なんだか調子に乗っちゃいかんな、と思っていると。
鳥の糞が落ちていて。
うまく落ちが付いた。

この日歩いた距離 30 km





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