見出し画像

日本縦断歩き旅《鹿児島編》5日目『今年開校145周年、廃校になる小学校』南さつま~枕崎

野宿から起きた。
野宿場所が良かったので、いい目覚めだった。
早めに撤収。

サイクリングロードを通る。

朝食。すき屋ワンオペ。

念願のコインランドリーを見つけ洗濯。
洗濯中時間がかかるのでマックに入る。
この先、飯屋がない道を通ると思うとマックも食べ納めしておきたくなった。
アイスコーヒーの氷を魔法瓶に詰めて暑さに備える。

マックに入ったのは行程を再検討したかったのもある。
悩みに悩んだが、いままでのペースが遅く、日数が足りないので野間岬を諦めて、山道を突っ切って枕崎に直行することにした。
これで枕崎まで2日間かかる行程が、一日になる。

いずれにしても山道を通るので覚悟がいる。

神社の前でお祭りの準備らしく、大勢の人が集まっていた。
何人かに応援してもらう。
すこし恥ずかしいのでそそくさと立ち去る。

街から離れていく。

坂道やカーブが増えてくる。

自然に囲まれた学校の前にくる。
美しい庭。
どうやら令和5年で開校145周年らしい。
すごい。

だが、145年をもって閉校するらしい。
全校生徒は一桁。

えらい所まで来てしまった感。

珍看板 「50M先 美人多し 徐行」と書かれている。
美人どころか人を見かけない。

酒蔵だろうか、古そうな蔵を見かける。

老夫婦からポカリスエットを貰う。
冷えてる!ありがたい!

おそばを食べる。
太麺の柔らかいおそばだった。

人けの少ない道をひたすら歩く。
車もほとんど見ない。

車で見かけた人が心配に思うのか、
熱中症ドリンクを2本貰う。

ありがたい。

たしかに8月のゴールを目指していなければ、
夏に鹿児島は歩かない。
正気じゃない。

しかも、この日のニュースでは沖縄沖に台風が接近していた。

今度は30代くらいの男性から現金をいただいてしまった。
2千円も。
頂いた現金は財布と別にして、なにか意味のあるものに使わせてもらうことにする。

母から電話がくる。
旅の前、骨折の事など色々話していたから、心配してくれたのだと思う。
どうやら、父がおかしいらしい。

母からよく父の愚痴を聞いていて、
「あの人とは暮らしていけない」と何度も言っていたが、
どうやら父が一か月風呂に入ってないらしいのだ。

前から不潔な父でフケが肩にのっていたが、
一か月は異常である。しかも、この暑い中で。

本人も風呂に入らないのは不快だろうと思った。
なにか原因がありそうだが、
母は「私への嫌がらせ」「異常、嫌」「一緒に生活したくない」と困りはてた様子だった。

その時は、自分の前の彼女が双極性障害だったので、
鬱になると風呂に入れなくなる事を思い出して。
精神的なものの可能性を考えていた。

あとでわかったのは、糖尿病が深刻になっていて、足が動かず一人で風呂に入れなくっていたのだった。
足が悪いのは前からで、母が何度も病院に行けと怒鳴っていたのだが、父が重度の病院嫌いで、自分の症状を隠す癖があったのだ。
母も医者から何度もくぎを刺され、
「なんで私が怒られなきゃいけないの!勝手にラーメン食うなっていってんだろ!」
「死にゃあ、いいんだろ!」と父が駄々こねる。
「ぽっくり死ぬんなら食って死ね!けど、ぽっくり死なないから私が困るんだろう!誰が面倒みると思ってるんだ!馬鹿垂れ!」

絶対介護したくない母と、
絶対病院行きたくない父。

しかし、
父が隠していたのは病気だけじゃなかった、
それでうちの家族は大変な事になるのだが、
この時はまだなにも知らなかった。

日本縦断の旅もあとわずかで決着がつくが、
人生も色々と決着が迫ってきていた。

旅の始まりは絶望はしても、自殺なんて考えもしなかった。
まさか旅が終わるに近づいて、更に絶望して自決を良く考えるようになってしまうとは。

ただ、旅があってよかった。
今生のかけがえのない思い出となった。

山道から下山して枕崎市街に来た。

ひとまず、無料キャンプ場を目指す。
枕崎の街は港町なせいか東南アジア系の人をみかけ、
なにやらパトカーから注意されていた(自転車のふたりのりだったかも)
どこの店も従業員募集のポスターがあり人手不足なのを感じた。

思ったより人が多く、テントだけ張って場所を確保。
たしか、風邪が強かったので茂みの近くにした記憶がある。

枕崎まで来た。ほとんど本土縦断したようなものだ。
あとはここから鹿児島湾をぐるっと回って最南端佐多岬を目指す。

荷物をキャンプ場において、御飯を食べに枕崎の街へ戻る。
一度休むと体が重く、往復で結構時間かかるので後悔した。


お風呂屋へいくがやってない。がっくり。

担々麺のお店に入る。
味はいいが、わりと少ない。
パクチーはそれほど好きではないのに頼んでしまい、
パクチーの主張が強くて困惑。
麺はこだわっているらしくコシが強くて美味しかった。

この日歩いた距離 26 km


この記事が参加している募集

投げ銭で応援して頂けると嬉しいです!サポート代は私の活動費になります。