見出し画像

他人がおすすめする映画を観みてみよう【ラスト・アクション・ヒーロー】

他人がおすすめする映画はきっと面白い。
というわけで某月某日、株式会社TEKIKAKUでは、社員がおすすめする映画をほかの社員が鑑賞するというイベントが行われた。

【映画】ラスト・アクション・ヒーロー

【おすすめした人】小竹

中学生ぐらいのときに、父親か誰かに薦められて観た。アーノルド・シュワルツェネッガー主演。シュワちゃんの全盛期は過ぎていたと思うんだけど、王道のアクション映画とはちょっと違う、凝ったストーリーが印象に残っています。今見ても(たぶん)楽しめる。

【観た人】今西

◆B級映画と言われる「ラスト・アクション・ヒーロー」は本当にB級なのか?
 80年代生まれの筆者にとって、「アーノルド・シュワルツェネッガー」は「アクション映画俳優」というイメージに尽きる。カリフォルニア州知事(8年近く務めていた)時代も、「なんで俳優が政治の世界に行くんだろう」と思ったし、とにかくマッチョなスターの代名詞的存在であることはいまも変わりない。

 同氏の代表作といえば、1984年公開の「ターミネーター」だろう。その後も、「コマンドー」「ゴリラ」「プレデター」「トータル・リコール」と、常に体を張っていた印象がある。そんなシュワちゃんの人気の明暗を分けたとも言われているのが、今回筆者が観た1993年公開の「ラスト・アクション・ヒーロー」だ。

 「ラスト・アクション・ヒーロー」は、友達がおらず、映画館に入り浸る少年・ダニーが主人公。彼はシュワルツェネッガー主演のアクション映画「ジャック・スレイダー」の大ファンで、ジャックをヒーローと崇めている。映画技師であるニックが、子どもの頃に魔術師にもらった「魔法のチケット」をダニーに渡したことがきっかけ(このストーリーどうなん!?)で、実際にダニーがジャック・スレイダーの世界に入ってしまうというのがあらすじだ。

 正直、このあらすじでエンディングまで想像がつくだろう。筆者もあらすじを読んで、そこはかとなく漂うB級作品臭を感じた。そして実際に観てみると……終始、「娯楽」に徹したB級作品だった。しかし、駄作というわけではなく、80〜90年代の映画を観てきた人なら間違いなく楽しめるはず!

 たとえば、映画のなかの世界でビデオショップに行くと、ターミネーターの主演をスタローンが演じポスターが貼られていたり、ジャック、つまりシュワちゃんが「アイル・ビー・バック」(ターミネーターの名セリフ)と言ったり、自分の出演作へのオマージュが盛り込まれている。あと、少年が自転車に乗った時点で「絶対あの名作みたいになるよな」と安易に想像できたりもする。この単純さが結構クセになってしまった。

 あと、カメオ出演している役者が無駄に豪華。スタローンも実際に登場するし、シャロン・ストーンやジャン・クロード・ヴァンダムまで出ている。ついでに言うとMCハマーも。この無駄な豪華さ、90年代という感じがしてニヤついてしまう。あと、MDがやたら出てくるのもいま見るとエモい。

 リアルタイムでこの作品を観たアクション映画好きのおじさん達は、きっと「シュワちゃん、何やってんだよ!」となったに違いない。もし、いま岡田准一が映画のなかで岡田准一役とかやりだしたら、熱心な岡田君ファンでない私も「ま、待って……」となる(三谷幸喜作品ならそういう展開はありそう)。しかし、シュワちゃんに対する思い入れがとくにない筆者からすれば、「このB級感、90年代っぽくていい!」となった。

映画における「B級」という評価は、作品に関わった人にとってはネガティブに受け取られるだろう。しかし、アラフォーならおそらくこの作品のB級感を楽しめる人は多いはず。映画を観たい気分だけど、何も考えずに観られる作品はないものか――そんなときの選択肢として「ラスト・アクション・ヒーロー」をおすすめしたい。

ちなみに、1993年は「ジュラシック・パーク」が公開された年。向かうところ敵なしだったアクションスターも、銀幕の中で復活を遂げた恐竜達には敵わなかったようだ。

※Amazonのアソシエイトとして、TEKIKAKUは適格販売により収入を得ています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?