スウィング・キッズ
トレーラーを観た時点で『これは面白い映画』というのが解っていたので楽しみにして鑑賞
朝鮮戦争下の捕虜収容所を舞台に、アメリカをまだまだ嫌っている南北朝鮮の収容されているとある捕虜達がアメリカのダンスであるタップダンスを踊り、そこに絡まってくる当時の人々の思想や対立を描いた作品
トレーラーを見る限りではダンスで明るい未来が待っているかのようなコメディタッチの作品に見えたんだけれど、実際はそういう場面・演出も多いものの、やはりそこは韓国映画だからなのか、歴史を絡めた作品になってくると途端に洒落が通じないというか、生々しさを出して来るあたりがお国柄なのかなと思えてしまった
日本ではありえない展開の仕方・終わり方で、きっと観ていた人は「どうしてそうなる」と思ったと思う
映画はエンターテイメントだし、楽しむものというアメリカナイズされている日本人にとっては、どうにも理解し難い展開 これは韓国人の人から観たら「これくらいはやってくれないとコメディタッチの映画でも納得しない」なのか、「これはヤリ過ぎ」という感覚で、あくまでも監督がこうしたかっただけという結果なのか疑問が残る終わりかたで、とてもモヤモヤしてしまった
この辺の落ちの部分なんかを考えると見る人を選ぶ単館系になってしまうかもなあという納得できる部分もあったにはあったけれど。。
ダンスの演出や、出演者の本編でのダンスシーンはとんでもない練習を重ねたんだろうなという努力の結果が観て取れるのでそこだけでも楽しめる作品だと思う
主演のD.O.はアイドルグループのメンバー(観終わるまで知らなかった)だというのに役で丸坊主になってタップダンスもハードに練習をしたからできるパフォーマンスを本編では披露していて、韓国のアイドルは根性とハートが違うなというところでも感心してしまった
ポスター(本国版)
ポスター(国内版)
日本版は韓国版の足の写真を取り入れながらも、それだけだと訳がわからないので、場面写真を追加して作り直している とはいえ、パット見タップダンスをしているようには見えないので、もはやそこはあまり正確に伝えなくて良くなってそう
印象的なのはロゴで、韓国版は捕虜収容所のイメージなので有刺鉄線のシルエットがあったり、少し文字をガサつかせているものの、日本は逆で青春モノっぽく見せたいという狙いなのか、星を入れたり文字も少しレトロ調にして爽やかな雰囲気作りをしている
色味も韓国版はレトロ調の少し淡い色使いなのに対し、日本のものはガッツリビビットなオレンジを使用しSHOWBIZ感を演出している パッと見アジア人がダンスと出会いアメリカでも受け入れられて大成功していくサクセス映画のようにも見えるのが、内容を見るとギャップの差がありすぎてとても複雑な気持ちになる
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