ひとりの限界 | オオタミユキ
お店を営み始めて5年目に入った。
毎日に必死で、振り返ってみると一瞬。
まだまだやりたいことが沢山ある。
ただ、最近ふと自分ひとりの限界を知って
窓のない地下室のような、どうしようもない息苦しさを感じてしまうようになった。
接客、通販、配送、仕入れ、やりとり
運営に関わることは基本ひとりで行なっている。器用貧乏なので、満遍なくできることは多いほうだ。
自分の手の届く範囲のことだけをまず考えて仕事がしたい。そう願って会社員を辞めてお店を営んでいることもあってスタッフを雇ったことはない。ただ、周りの助けが大きかったからこそ、ひとりで運営を続けられたんだと思う。
数年前、年上の人から言われた
「お店をするなら、雇用で経済を回さないと」
という言葉は、当時の私にとっては知らんぷりの対象だったけど、今となっては一理あるよなとも思う。
雇用、という形では経済を回すことはしばらくないかもしれないが私と同じように、生業を続けていく人たちの手助けができればという気持ちは強い。
"好きなことをしてるから(経済的に)我慢するべきだ" という考えには真っ向から対立していきたい。
話は逸れてしまったけれど。
閉塞感の根っこは何だろう…と考えた時に
毎日の業務に追われて新しいことに挑戦しづらくなってることに気がついた。そりゃそうだ、仕事の日は帰ったらクタクタ、楽しい仕事のはずなのに連勤が続くと気持ちが落ちてゆく。
私という人間は元来怠け者で、1日中家に居たい部類だ。休息を挟まないと息がもたない。
「もうだめかもしれない」という日には食べる、寝る、アニメを観るに限る。
手伝ってくれる人を募集しようか、いやまだひとりで出来るをぐるぐると繰り返して、結論は出ていない。雇用側に立つのが怖い。
と言いつつ、人の力を借りることの大切さを覚えたこの1年ちょっと。勇気を出して、ひとりでは出来ない領域に踏み出してみることも考えていきたい。
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