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こわい話 | 池上まい

ついに起きてしまった。
海外に来て一番恐れていたことが、起きてしまった。

というか、今回の場合は、やってしまった、なのかもしれない。

夏なので、ちょっとだけベクトルがずれたこわい話をしたいと思う。

わたしは年に一度、必ず、通院はするが入院はしない程度の怪我か病気をする。10代の頃から、『年に一度起きるイベント』と私は呼んでいるのだが、どこにいてもそのイベントは相変わらず予告なしに突発的にやってくるようだ。でも、だいたい季節は決まって、夏の始まりから秋の始まりくらいの間にやってくる。そう、暑さで弱った身体と心にトドメを刺しにやってくるのだ…。

それがつい先週起きてしまった。やめてくれよ…と思った。絶対に今じゃない!と。

(年に一度起きるイベントだから、笑い話にして欲しい。)

友だちと出かけた土曜日の午後、電話をしようと少し席を外して店の外に出た。店の外に出たはずだった…。エントランスの先が30-40㎝くらいの段差だったということを忘れて足を出したが地面が想像していた所になく、そのまま地面に転がり込んだ。落とし穴に落とされる芸人のような感じで。スンッて感じで。
「……!!!!??????」
痛すぎる…痛すぎて声も出ない…足を攣った時は、「うあーわー!足攣ってるう!!!」と言って朝方飛び起きるのに、痛すぎて声が出なかった…。声にならない何かを発しながら、エントランス前のベンチまでギリギリ立ち上がって向かい、わけのわからない痛みとひとりで戦う。『痛い………なんだこれは………経験したことがない痛みだ……いやでも誰も見ていなかったな…あの人何してんだろって思われてるのかもな…あー生きるのって大変だ…………いやでもかなり痛いわ………多分骨は折れてなさそうだな…でも痛すぎる………』などと、心の声が出ていたのか、それとも心の中で収まっていたのかはわからないが、今まで経験したことのない痛みだった。痛すぎると涙も出ないみたいだ…笑
そのあと10分くらいベンチに座り込み、おしゃれな店の前でおしゃれな店員のお兄さんに心配されつつも、ひたすらに"足をストレッチする人"をやり、また店内にいる友だちとなんとか合流した…。案の定、かなり心配されたがどうしてもタイ料理が食べたかったので、その日はご飯を食べて解散した。(食い意地については貪欲である)
帰ってみたら、見たことがないくらい腫れ上がっていて、すでにあざができていた。生きるのって大変すぎる…などと思いつつ、湿布を取り急ぎ貼って就寝。
翌日、元ソフトボール部の友人にテーピングを巻いてもらい、骨折のチェックまで気休めにしてもらい、どうやら捻挫らしいなと自分を安心させて過ごしている。本格的な捻挫なんて人生で初めてだ。捻挫ビギナー。ディスイス人生。(?)今はようやく、腫れも引いてあざだけになり、少し歩けるようになる所まで回復している。

こういったイベントが、何度も言うが、年に一度必ずやってくる。ちなみに昨年は、仕事中に階段を踏み外し内腿の肉離れで病院盥回し。一昨年は、自転車に乗っていたら後ろから来た車のサイドミラーを肘にぶつけられ通院。その前は、謎の腹痛に一週間襲われるとかだったかな、ママチャリに突っ込まれたような気もするけど、タクシーに轢かれたんだっけか…笑
そんな感じで毎年何かしらの通院はするが入院はしない程度の怪我や病気に罹るのだ…。

今年は、早いうちに一大イベントが終わって少し安心している。

気をつけろ!とよく言われるけれど、今回を除いては、貰い事故ばかりだ。そう、今回は自業自得。それ以外は貰い事故。気をつけようがない。貰い事故。これが宝くじだったらそろそろ大豪邸が建っていただろうなと思う。(……情けない。)

今までこういった経験をしたことがない人も居るというから不思議だ。私は多分その人たちの分もまとめて背負っているんだと思う。(ああもうこの思考が情けないよ!)

やれやれ、人生。
健康第一でいたいものだ。


池上まい
ちの

最近英国に引っ越しました。
趣味を仕事にして遊んで暮らすのが夢です。
早くおばあちゃんなりたい

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