シーラカンス

生きていたいけれど死にたくて
死ねないからとりあえず生きていて
不幸とディープキスをして
幸福を願う浮気者
一途になれない#だっての言い訳。

息を止めたい
息継ぎを忘れて
肺呼吸を辞めたい
空気が読めないから
エラ呼吸を教えてシーラカンス
生きた化石なんて素敵なブランド
女子高生を卒業してから
無価値になった成人女性。

私だけの物にならない
富、名声、名誉、なんかより
例えば君とか。

ねえねえ、話を聞いてよ。
オチとかネタとかそんな難しい話じゃなくて
ただ対話をしたい、君と目線を合わせて
ダイエットとか恋とか流行りとか
そんなくだらないことを
教室の隅で中身のない話をしていた
あの頃のように。

私たちは大人になり過ぎてしまったね
気遣いに配慮、多様性に時代の流れ
武装して傷つかないように傷つけないように惚れないように怒り過ぎないようにマスクをして匿名希望になって耳触りのいい音だけ聞くようになったからノイズキャンセルを辞められないでいる。

寂しくて苦しくて迷惑をかけたくなくて
くだらないと一瞥されるのが怖くて
適当なアプリで適当な相手を見つけて
適当な会話をして寝落ち通話をする
悪夢を見なくて済むなら誰でもよかった
多分相手も私じゃなくてもよかった。

自傷行為もオーバードーズも煙草も酒も
全部生きる意味を問いたくてしてるんだよ
許される許されない以前の問題で
他人がでしゃばって辞めときな、なんて言うんじゃねえよ。代わりの生き甲斐なんて提示出来ないくせにエゴでオナニーしないでくれ
気持ち悪くて腹立だしくて悔しくなるから。

大人になるくらいなら
ブランドという価値をずっと身につけられる形で生きていたかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?