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【連載小説】夏の恋☀️1991 シークレット・オブ・マイ・ライフ㊹

 手紙を書けないので、おれはうどんを食べた。うどんと、ご飯二膳。佃煮と、梅干し。どうも調子が悪いみたい。ずるずる、もぐもぐ。食欲がない。

 11時に家を出て、ぶらぶら歩いていると、セイサクに会った。「YО」「ワッツアップ」。セイサクは図書館に行くという。何をしにいくのかときくと、本を借りるという。おまえ本読めるのかよと思う。一緒に行くかとさそわれてたが、断った。ご飯を食べに行こう、と誘うと、ことわられた。じゃーねー、バイビー。

 どうも調子がでない。鼻水と痰が出るし、胸もわさわさする。腹がへっては、と考えた。あやぐ食堂に行った。魚フライ定食。「(ごはん)大盛り?」と聞かれたけど、普通にした。ここの大盛りはおおもりすぎるので本気を出さないと食べられない。普通からしてどんぶり飯だし。

 もぐもぐ。えーっと。もぐもぐ。ぱくぱく。魚フライは、レモン汁でひとつ。マヨネーズでひとつ。ウスターソースでひとつ。食べて、さいごのひとつはウスターソースとマヨの合わせで食べた。いきおいで付け合わせの生野菜もたべ、小鉢もたべ、どんぶりを空にして味噌汁で流し込んだ。

 ふむふむ。

 多少は前向きなきもちになった。金を払い、店を出たおれはあてどのない旅に出た。日差しがつよい。暑すぎる。家に帰った。帰って部屋の床に横になったら、すぐにねむりに落ちた。


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本稿つづく 

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