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未来のカラス 11
サーシャのあたたかさ
ジョンが死んだとき、
ウェッジにはジャンの遺体が
自分を貫き通した
美学が見えた。
ジョンの屍を鳥のカラスがつつき、
虫が体を這う。
骨になって、何日もした後
サーシャが現れた。
と言っても魂だけだった。
誰よりもやさしくて
普段はハープすら弾いてそうな
優雅な振る舞い
トリリンガルの彼女は
ジョンの死体のまえで
ジョンの母国語でボソボソ言いながら
美しい音色の笛を吹くのだった。
悲しいような楽しいような
誰も聞いたことがないメロディだった。
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