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vol.91 手紙の力で心を癒す【手紙の助け舟】

こんにちは、いかがお過ごしですか。
喫茶手紙寺分室、むらかみかずこです。

春の訪れが待ち遠しく感じられる頃となりました。
あと少し、厳しい寒さが続きますから、引き続き体調に留意して、元気に笑顔で過ごしたいですね。

手紙の効能

メールやチャットを送れば、すぐに返事が来てあたりまえ。LINEであれば、送って数分後にはもう既読の有無を確認できてしまいます。
そうしたせわしない今の時代にあって、ペンを手に持ち、手書きで手紙を書くというと、絶滅危惧種のようなものかもしれません。
けれど、手紙には、デジタルでは得られない様々な効能が、たしかに存在します。
今回は手紙を書くことで得られる効果効能を今一度、考えてみたいと思いました。

手紙を書くとき

■「なんて書いたらいいだろう?」と文章を考える過程で頭の中が整理され、考える力が身に付きます
■文字をつづるうちに自分の気持ちに気づき、自分を客観視でき、高ぶった感情が穏やかになります
■伝えたい思いを伝えられることから、自信がつき、意志が強くなります

■日頃から紙に書き出す習慣をつけると、自然と言葉が蓄積されていきます
■とっさの場面でも言いたいことが出てくるようになり、伝えられないもどかしさ、後悔が減ります
■相手のことを想像する貴重な時間が持て、感謝やなつかしさ、胸のときめきを感じる豊かな時間を過ごせます

■まわりの人に感謝を伝えられることから、心が満ち足りていきます
■忘れていた漢字を思い出せ、脳が活性化します
■季節の移り変わりや暦に自然と目が向くことから、眠っていた好奇心が刺激され、ワクワクする時間が増えます

手紙を受け取るとき

■そこに綴られている文字から相手の人柄や個性を感じ、お互いの心の距離が近づきます
■時間をかけて人の手を介して運ばれてきたというアナログな面から、人肌や人間味を感じて心が温かくなります
■紙のデザイン、風合い、インクの色や文字の個性から、五感が刺激されます

■わざわざ時間をかけて贈られた言葉に心が動き、自然と元気が出ます
■返事を急かされている感覚がなく、その距離感にホッとします
■紙、ペン、切手選びなど言葉以外からも相手の人柄や性格を想像して楽しめます

傷を癒す手紙

先日、ある人にお詫びの手紙を書きました。書いただけで、送りませんでした。それでも、心がすごく楽になりました。
わたしはその人に対して、すごく大きな罪悪感がありました。5年ほど前の出来事です。当時、仕方がなかったのです。どうにも避けられなかったのです。だからこそ、自分の力ではどうすることもできなかった無力感から、罪悪感が膨れ上がっていたのかもしれません。

しばらく自分の感情に蓋をしていましたが、書き終えたとき、やっと気持ちを表現できた気がして、すごくホッとしました。
手紙は心の傷を癒すものでもある、そう実感しました。


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むらかみかずこ | 喫茶手紙寺分室 note ライター
一般社団法人手紙文化振興協会 代表理事
歌とワンコと山歩き好き。京都在住。
むらかみかずこの手紙時間ブログ


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