vol.57 美しい人には棘(トゲ)がある?【手紙の助け舟】
こんにちは、いかがお過ごしですか。
喫茶手紙寺分室、むらかみかずこです。
ここ数年、バラの花がとても好きです。
20代の頃はさほど好きではありませんでした。バラという花のもつイメージ「ゴージャス」「気高い」「華やか」「花の女王」「美の頂点」などが、わたしには似つかわしくないようで、あまりピンとこなかったのです。
一般社団法人の代表であるという肩書きや、メディア出演等での経歴からか、ここ数年こそ「華やかそう」に見られることも多少ありますが、実際のわたしの人柄は「純朴そのもの」だと思っています。
自らの人間性を花にたとえるならば、雅やかな香りを放ち、その美しさで大多数を魅了するバラより、野に咲く名もなき花のひたむきな強さに憧れていました。
美しい人には気をつけろ?!
「美しい花には棘(トゲ)がある」ということわざがありますね。
美しいものには人を傷つける一面がある。転じて「美しい人には危険な一面もあるから気をつけなさい」という意味で使われます。
西洋にも同じように
「薔薇の花には棘(トゲ)がある」“No rose without a thorn.
“棘(トゲ)のない薔薇はない” ということわざがあります。
こちらも「美しい人に棘(トゲ)のない人はいない」という比喩でつかわれるのでしょう。
ところが、つい先日、次の記事を読み「ハッ!」と驚く瞬間がありました。
「バラの茎に棘があるのはなぜ?」
棘(トゲ)があるのは何のため?
上の記事によると、バラに棘(トゲ)があるのには、次の2つ理由があるそうです。
1.の外敵から身を守る点については想像に難くないと思うのですが、驚きだったのは、2.の理由です。まさか、棘(トゲ)を自らが倒れそうになったときの支えとして使っていたとは……!
これを人にたとえると、「棘(トゲ)は、誰かを攻撃するためにあるのではない。わが身を守るため、そして何より、誰かに寄りかかり、支えてもらうためにある」のだと気づきます。
生き抜くために必要とする
人も誰でも支えが必要であり、ときに、人は棘(トゲ)をもって誰かに寄りかかろうとする一面がある。
そう気づいたとき、なぜか、自分でもびっくりするほど肩の力が抜けていくのを感じました。
そういえばわたしも、「棘(トゲ)」とまでは言わずとも、疲れているとき、信頼している人に、つまらない愚痴を言って甘えたくなることがあります。
普段は愚痴など滅多に言いませんが、気を許せる相手に対してだけは、ついグチグチと言ってしまいたくなるのです。
だから許してください、ってわけではないのですが。
そういう自分を自覚し、その上で、「愚痴を言うのは、あなたに甘えているからなの。あなたに支えてほしいから、愚痴を言って甘えているのよ」そう伝えておくことは大事ですね。
「バラの画家」ルドゥーテのバラ
便箋メーカーさんに聞くと、バラがデザインされた便箋・一筆箋などレターアイテムは、定番商品として常に根強いファンがいるそうです。
もう10年以上も前のことですが、切手をデザインしている日本郵便の切手デザイナーさんも、「花の切手の中で一番人気は、断然、バラ。圧倒的に人気がある」とおっしゃっていました。
いつの時代も、バラには人を魅了する力があるのですね。
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