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その選択は、きっと間違いじゃない〜「天気の子」を観た感想

「ねえ、今から晴れるよ」
このフレーズを、映画館で何回聞いただろう。
RADWIMPSの「愛にできることはまだあるかい」をYouTubeやApple Musicで何回聴いただろう。
ただ、なぜか観ていなかった。
この11月、公開される新海誠監督最新作の「すずめの戸締まり」。
このおかげで再度IMAXで、映画館で観れるというので、観てきた「天気の子」の感想をつらつらと書きたいと思う。
〜以下ネタバレあり!〜

観終わった感想は、「よかった〜〜〜!!!」だった。
まあ、観ていて合わない人はいるのだろうが、私はすごく好きだったし何なら泣いた。

観ていて語りたいポイントは以下だ。
・少年(子ども)から青年(大人)になるモラトリアムの危うさ
・子どもと大人のそれぞれのエゴ
・新海誠の雨の描写
・挿入歌の秀逸さ

主人公の帆高は、自分がいた田舎の環境に窮屈さや息苦しさを感じて東京に出てきた。そして、初めてそんな自分に価値を見出してくれた、見出させてくれた陽菜さえいてくれれば良かった。同じく陽菜も、母を亡くし、生きるために生活をする中で、自分の才能を人に感謝されるような使い道を示してくれた帆高と、唯一の家族である凪がいてくれれば良かった。それさえあれば何もいらないと。

一方、劇中に出てくる大人は「子どもは親の元で育つのが一番いい」など、自らの価値観や一般論を振りかざして押し付けようとする。それが一番楽だから。
この、子ども特有の危うさとエゴ、大人の処世術とエゴがぶつかったら、そりゃ何も解決しないよね。

最後の廃ビルでの対峙シーンや「僕らは確かに世界の形を変えてしまった」という言葉から、少年たちの、自分達が生きている世界が全て、他のことは知らないという危うさ、同時に瑞々しさには胸が締め付けられる思いだった。
最後の選択も、賛否両論だと思う。
ただ、帆高にとって初めて息苦しさを感じずに生活できていることを実感させてくれたたった一人の子が、世界に生きてくれているだけでいい。その他大勢にとっての世界がどうなろうが、知ったこっちゃない。これも、少年らしい選択で、私は納得がいったしいいなと思った。

そして、新海誠監督の雨の描写。本当に好き。
あの人ほど雨の日の新宿をうまく描写できる人は世界に居ないと思う。
「言の葉の庭」もそうだったが、あの人の雨の描写にはレベルがあって、しっかり重苦しい雨やこの後に希望を持たせられるような少し明るい雨、生命の復活を喜ぶような雨、雨に感情があってとてもよき。
蛇足にはなるが、最後のあのディストピア感、川村元気さんだな、、と感じた私でした。雨に沈んだ東京も味があっていいよね。

そして、映像や物語の描写にRADWIMPSの音楽が合ってた〜〜〜〜!!!
ピアノだけの静かな音楽、盛り上がりを見せて最後急に音がなくなった後の無音、うまく使ってた。雨とピアノって相性いいよね。餃子とビールくらい(絶対違う)

勢いのままばーーっと書いてしまったが、私はこの映画は観ていない人には絶対薦めるし、観て、どう思ったか感想も聞きたい。
私は新海誠監督とは相性いいかも。すずめの戸締まりぜったい観よ。


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