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花咲ガニのルーツを追う旅

根室市の名物の一つは、花咲ガニ。根室半島の太平洋側のみ生息しています。1960年代までは根室でしか食べられない幻のカニでした。今回は、花咲港で花咲ガニを食べた話を書きます。


花咲ガニ

道東地域の根室半島(花咲半島)の太平洋側でとれます。花咲半島で獲れるから、茹でると真っ赤に変化することによって、殻のトゲが咲いている花のように見えるから、花咲ガニと呼ばれるようになりました。

花咲カニは、昆布が根付く岩礁に生息しています。花咲半島沿岸は、お土産として根昆布が販売されるほど、昆布の特産地です。カニにとって理想の住宅地になっています。

生では、タラバガニと同じように茶褐色です。甲羅、脚にトゲがあり、茹でると真っ赤になります。トゲにあたり、殻をむくのに苦労します。トゲの側面を持って割り箸を足に差し込んで食べます。

加熱することにより、殻の中のアスタキサンチンがタンパク質と分離されます。分離したアスタキサンチンが空気中で酸化されることにより、赤色のアスタシンに変化します。

花咲ガニは脚の数が8本とヤドカリの仲間です。1対脚が退化してなくなっています。花咲ガニは、メスの内子が特に美味しいといわれています。焼き、茹でで食べられます。

旬は夏。根室市では、7〜9月に漁が解禁されます。花咲港、歯舞港、落石港で水揚げされます。

花咲ガニを食べる

花咲港でカニ中華を食べる

根室バス花咲線根室駅前ターミナルから乗車し、花咲港で下車します。花咲港にある「大八」で花咲ガニを使った中華料理を食べました。カニラーメン、カニチャーハン、カニ中華丼がありました。旬になれば、花咲ガニ丼も登場します。通常のラーメン、チャーハン、中華丼に500円課金するだけで花咲ガニが入ります。

一番人気はカニラーメンです。花咲ガニの身がたっぷり盛られ、カニの旨味がラーメンスープに広がります。

今回は、カニチャーハンを食べました。町中華にあるようなジューシーなチャーハンの上にカニの身が盛り付けられています。花咲ガニは思ったより筋肉質で甘みも感じられます。毛ガニより濃厚な味わいでした。

鉄砲汁

花咲ガニの入った味噌汁です。脚の身を取り出すため、脚に箸を入れてかき出す姿が、鉄砲に弾を詰め込む姿に似ていることから、鉄砲汁と名づけられました。ぶつ切りした花咲ガニから、旨味があふれています。

花咲ガニを買う

根室市の隣、浜中町では、3月下旬に解禁されます。5月に流通している花咲ガニは、浜中町でとれたものが主です。大柄な個体は、釧路市、札幌市など都市部の市場で5000円で販売されていました。一方、根室市の魚屋さんで販売されていた花咲ガニは、500g前後と2人で食べるのにちょうどいいサイズでした。100gあたり180円で販売されており、安いです。

根室駅前にも、花咲ガニの直売所があります。5月は営業してませんでした。漁が解禁されると、花咲ガニが並び、にぎわいます。茹でた真っ赤な花咲ガニは、全国発送可能です。おみやげにぴったりです。

根室市の魚屋さんで買ったときの話は、こちらの記事をお読みください。

花咲港を巡る

花咲港から、花咲港金刀毘羅神社で参拝してから参道を通り、花咲岬へ向かいました。花咲岬まではクマササが広がります。10m以上もある強風によって、歩く人を拒みます。昨年、エスコンフィールド北海道で買った日本ハムファイターズの帽子が3回も飛ばされそうになりました。

花咲灯台

花咲港金刀毘羅神社から20分ほど歩いて到着しました。花咲灯台は1890年に建てられました。高さ10mあり、中央部の赤と上下の白のコントラストが目をひきます。根室半島の太平洋側を見守っています。

https://www.kaiho.mlit.go.jp/01kanku/nemuro/sentei_toudai/nemuro_lh/html/hanasaki.htm

ホイールストーン(車石)

花咲灯台を降りるとあります。見た目は、トラックのタイヤです。直径6mもあります。ここまで大きく美しく成長した岩は珍しく、1938年、国の天然記念物にも指定されています。ブロックのような形をした岩が積み上がってできました。

恐竜が絶滅した頃、海底火山の活動により、溶岩が湧き出ます。海によって急速に冷やされます。熱々のものは、冷たいものに触れると温度差によって割れます。ガラスのコップにお湯を注ぐと割れる現象と同じです。表面にできたヒビに海水が流れ込むことによって、内部も急速に冷やされることにより、さらに深く割れ、ブロック状の岩ができました。自然が創り出す作品です。


花咲港では、花咲ガニを食べるだけではなく、広大な太平洋、自然が創り出した作品も見ることができます。


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